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第十八章 出戻り④

第1話 最終階層では②

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『……いけませんね』


 いくらか、魔素を多く与えた鬼人オーガをコアから召喚させましたが……あの少年達は見事に倒してしまいました。

 少年もですが、ひとり混じっているエルフの少女……魔力のコントロールは低いですが、魔法の威力は絶大です。

 この調子ですと、この階層に来るまで似た方法で対処してしまうでしょう。それは非常によろしくありません。


『……何か別の足止めを考えませんと』


 ダンジョンコア自身は、彼らがこちらに来るまで様子見しかしないと言い切っているため……魔物召喚はともかく、自ら動こうとはしません。

 ワタクシひとりで対処しようにも……これはもう、自ら行くべきでしょうか??

 この階層で立ち向かう予定でしたが、手段が限られてくるとどうしようもありません。


『……行きましょうか?』


 とにかく、少年から魔剣を取り返すのもですが……鬼人オーガを消し炭にしたエルフの少女は危険人物です。

 倒せるかわかりませんが、ダンジョンをこれ以上攻略されても……ワタクシの思惑通りにはなりません。

 なので、彼らの前に立ち向かい、せめてあの魔剣でも回収しましょう……。

 少女も息の根を止められれば、これ幸いとなりますが……。

 おそらく、それはとても難しいはず。

 彼らの気配を辿りながら、ワタクシは擬似コアを媒介に転移することにしました。

 転移を繰り返し、行き着いた場所に降り立つと……彼らがいました。

 いきなりのワタクシの登場に、驚きとすぐに警戒の態勢となり……ワタクシに立ち向かおうと獲物を構えたのですが。


(……非常にマズイです)


 後から加わってきた、隻眼の男。

 特殊な布当ての下に隠れているのは……おそらく、どこかの魔物に施された『魔眼』でしょう。

 能力は、鑑定を持っていないワタクシにはわかりませんが……布当て越しにも流れてくる不気味な魔力。あれを開眼されれば、ワタクシの存在が危うい。

 まずは、彼を殺すことに決めました!!

 エルフの少女もですが、ここにいるのは危険人物ばかりです。ワタクシは魔力を手の内に集め、彼らに向かって放そうとしたのですが……出来ませんでした!!
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