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第五章 ダンジョン突入

第5話 欲しいもの

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 いきなりの、モンスターとの遭遇とかはなかった。

 マシュさんの説明によると、このダンジョンの特徴はとにかくトラップの多さ。あと、敵対象は各階にいるゴーレムだそうで。


「ドロップアイテムで、私が欲しいのはゴーレムのコアですの!」


 魔導具アーティファクトの製造者にとってゴーレムのコアは、金貨にも変え難いくらいの宝物なんだって。僕とかジェフさんには、機能停止以外の破壊行為はしないようにお願いされた。コアが傷つくと再生利用も出来ないらしい。


「りょーかいだ」

「わ、わかりました!」

「では! 早速トラップですわ!!」

「「は?」」


 特に僕やジェフさんが索敵とかしていないのに? と、首を傾げていたら……マシュさんはメイスを前方に向けた。そして、少し奥が光っていた。

 人工の松明とかは相変わらず壁に設置されているが、不自然に青い。ちょっと、はしゃぎ癖のあるマシュさんだけどちゃんと周囲は見ていたみたい?


「あそこでトラップがあるはずですの。ふたり以上で攻略可能だとおじさま達の情報にはありましたわ。トラディスさん、行きますですの!」

「は、はい!!」

「行ってこい」


 ジェフさんは今回便乗と言う形だったけど、メインの攻略が目的ではないみたい? とりあえず、元々のマシュさんの護衛は僕だから……僕を動かす方向でいいみたい。けど、いつでも突入出来る様に距離は置いているが待機してくれる感じ。


「なんですのおおおおおおお!?」


 先に前を行っていたマシュさんは、言葉とは違った感情で声を上げていた。なんというか、子供が欲しかったものを見て喜んでいるような??


「どうされたんですか??」

魔導具アーティファクトちゃうん?】

『……ああ』


 フランツからのテレパシーがあったので、マシュさんの後ろに立ってから前を覗いてみると……本当に『何これ!?』と言いたい光景が目の前にあった。


「素敵ですの~!!」


 壁が土壁ではなく、白の石みたい。

 その壁に、規則正しく色々な色のスイッチが設置されていた。

 これはたしかに、ひとりで攻略するのは無理だろう。


 承認アプローバル。操作する対象を受け入れました】


 僕とマシュさんがぽけーっとしていると、どこからか声が聞こえてきた??

 この感じは、フランツを抜くかどうかのあの時に似ていた……。


「まあ? アナウンスですの」

「アナウンス??」

魔導具アーティファクトがより多く使われているダンジョンでは、導き手がいますの。製造者が、ダンジョンのコアを操作したり……神の御意向だとも言われていますの」

「へー?」

【ほーん?】


 フランツも知らなかったみたい。

 けど、ここで僕とマシュさんはどう攻略すればいいんだろう?

 赤のスイッチをちょっと見てみると……いきなりチカチカと光った!!?
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