スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ

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第201話 作戦会議

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 エリーからの、ケントさんへの告白計画は……見事に失敗に終わってしまった。

 まさか……エリーがあんなにも奥手だとは思わなかったわ。私もエリーのことは言えないけどね?

 でも……酒でめちゃくちゃ酔っ払ったエリーは可愛いかったわ。エリーのハグもだけど、ふにゃふにゃ笑顔には……ケントさん、困っていたけど嬉しそうだった。

 つまり、だ!


「ケントさんも、エリーを少なからず想っているはずだわ!!」


 打ち上げとは別の日に、私は拠点先である宿屋の部屋で……一緒にいるメンバーの前でそう断言したのだ!


「……うん。あれはわかりやすかったね?」

「「だなあ?」」


『シリウスの風』のメンバー全員が頷くくらいだもの。

 あの二人……めちゃくちゃ焦ったいわ!!


「けど。どうするの? 僕らでサポートしようにも……エリーさん、結構落ち込んでじゃってるし」

「……そうなのよね」


 あれから二日くらい経つけど……エリーとは会えていない。

 冒険者ギルドに行っても、顔を合わす機会もないのだ。多分だけど……エリーは自宅に引きこもっているんだと思うわ。

 女の子は繊細な生き物だもの。

 いくら、Bランク冒険者だからって……エリーだって、恋する女の子なんだから!!


「んー? 攻め方を変えてみんのはどうだ?」


 私とトラディスさんが悩んでいると、ジェフが提案してくれたのだ。


「「攻め方??」」

「別に、エリーから言わせなくてもいいだろ?」

「つーと、ジェフ。あれか? ケントの方からか?」

「そーそー。ケントも、自信無さげだしよ? けしかける方になったら、それも変わるんじゃないか?」

「うーん。たしかに……ケントさんは控えめな性格ですし」

「……そうね」


 だいぶ……ううん、かなり綺麗な顔立ちをしているのに。

 ラティストさんの方がうんと綺麗だから……普通だと思っている感じではあるわ。お客さんからのアピールも、実はスルーしてたって気づいているのかしら? って感じに。

 私もそれを見たのが一度や二度じゃないもの。


「恩人の恋路とくりゃ……手伝わないわけにはいかんな?」

「僕もだよ、お兄さん」

「俺も……まあ、シェリーの恩人だしなあ?」

「うんうん」


 エリーとも友達だもの。

 私やジェフのも引き合わせてくれた、恩人の二人。

 これは……絶対うまくいって欲しいと思ってしまう!!

 私達で出来ることがあるのなら、全力で応援したい!!


「とりあえず……まずは、デートさせてみたり?」


 トラディスさんの提案には、私達三人も強く頷いた。


「リオーネの街でか?」

「外もいいかと」

「ケントの実力は知らねぇが、エリーがいるし……なんとかなんだろ?」

「面白そうじゃねぇか?」


 と、ここで……別の声が。

 全員で振り返ると……ちょっとだらけた雰囲気だけど、そこそこカッコいい男の人が立ってた。

 一瞬、戦闘体勢になりかけたが……見覚えのある顔と、レイザーさんがすぐに距離を詰めてゲンコツをお見舞いしたので……思わず、びっくりしてしまった。


「何してんだ、テメェ!?」

「いって!? マジで殴るか!?」

「ったりめーだ!!」


 レイザーさんのお知り合い?

 ジェフ達を見ても……苦笑いだったので、私も杖を下ろした。

 あの人……よーく見ると、たしかに見覚えがあったわ。

 ケントさんのお店が襲撃されかけた時に……ひとりで解決した、『エディさん』? だったかしら??
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