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第202話 マブダチもこちらに

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 何してんだ、このバカ王!?

 阿呆か!!?

 と、言いたいとこだったが……エディの本性を知っているのは、こん中だと俺だけなので言うのを我慢した。


「ははは! 面白そうなことしてんな?」


 俺が我慢してんのに、こいつは言いたい放題だなあ!?


「……何してんだ、テメェ!?」

「いやいや? マブダチにも会う前に、お前んとこにも来ようかと」

「ノックも無しに入ってくんな!?」

「悪りぃ悪りぃ。けど、ケントのことだろ?」

「……ケントのことだが」


 こいつ……どこまで知ってんだ?

 いつから居たのか……気配を消していたら、マジで俺でも読めないほどの器量持ちだ。下手すると、最初からかもしんねぇ。


「……レイザー、そいつ去年の」


 もっと掘り下げて聞こうとしたら、ジェフがこっちに来た。まあ、普通ならこう言う反応だろうな?

 んでもって、去年に会ったきりだが……エディのことは覚えていたようだ。


「おう、久しぶり! エディって言うんだ! ケントのマブダチだ!!」

「……マブダチ?」

「あの後、すぐに仲良くなったんだ!」


 たしかに……それは間違ってはいないが。

 こいつが、この国の若き王だとは誰も思わねぇだろうな!?


「ほーん? 俺はジェフだ。一応パーティーのリーダー」

「お? 『閃光のジェフ』か? 本物か?」

「知ってんのか?」

「一応冒険者だしな?」


 いつのまに、ギルドカードまで持ってたんだお前はあ!?

 堂々と見せていたが、ファミリーネームには『ヒーディア』ではなく『キシュタリア』ってもんになってた。ギルマスは流石に事情を知っているだろうが……よくそんな偽名使わせてんな。


「ほーん? それで腕っ節いいのか? んで? なんでここに来た? レイザーとは知り合いのようだが」

「おう! 今回はレイザーに会いに来た!! 一応女将には入っていいって言われたぜ?」

「……だからって、いきなり入るな。びびっただろ?」

「すまん!」


 基本的に誰とも打ち解けやすい性格だからって……マジで、基礎能力高いからなあ? お忍びとは言え……よくこの街に来たもんだ。


「あのー……エディ、さんですよね?」


 トラディスも気になったのか、こっちにやってきた。魔剣のフランツは背の鞘ん中に戻していたが。


「おう。ん? お前……ちょいとレイザーに似てんな?」

「あ、はい。一応……弟です」

「! 行方不明だった弟か!! そっかそっか!!」


 俺とトラディスが王族って言うのは。

 まだシェリーには言ってねぇから、言おうとするのを腕をつねってやめさせた。痛がっていねぇのが悔しいが!!


「あの……ケントさんとマブダチって」

「おう! 魔法蝶ではしょっちゅうやり取りしてるぜ? あいつの恋愛相談もされてた!」

「早く言え!」

「いで!?」


 どうやら、すでにこいつもエリーとの事は知っていたと言うわけか。

 なら……下手に隠し事をするのをやめることにした。ケントとエリーの『恋愛相談』について……はだが。

 シェリーの方も、俺らのやり取りを見て……いくらかほっとしたのか、話の輪に加わってくれたぜ。
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