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4-1.呪う虎(???視点)

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 *・*・*(???視点)









【憎い。

 憎い、憎い、憎い。

 ああ、憎い。あの血族どもが。

 何故だ、何故だ、何故だ。

 何故、あのつるぎがそこにある。

 憎い、憎い、憎い。

 我らを皆殺しにしたあの血族どもに、復讐を。

 怨讐を。

 その末代まで呪う。

 ああ、何故だったか。いつだったかは思い出せないが。

 あれが、あの剣が。いついつあの血族と関わり合うようになったのか。

 術師達は殺してきた。そして、その血にその魂に呪いを籠めてきた。

 なのに、なのに、何故。

 あの御方・・・・までそこにいるのだ。彼奴の側にいるのだ。

 相応しくない、相応しくない。

 あれの血族を助けるとなれば、己は赦さず。赦さない】







 呪怨と呼ばれた、大虎の化身は靄を生み出し分身を生み出して。

 万乗ばんじょうの血族の末裔である、あの剣を持つ少女の元へと飛んだ。

 途端、少女ではない方の女の姿をした神の依代に。

 何か、黒い粉をかけられたのだった。
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