106 / 128
第106話 生徒が優秀過ぎて
しおりを挟む
私が担任をしている生徒が、一気に賢くなった。
そうとしか思えない出来事が起きたのだ。ひとりじゃなく、二人の女の子。
夏休みの宿題にある自由研究で、テーマを自分で考えてレポートとかを作ったりする課題だけど。
下手すると、高校生以上の仕上がりじゃ? って出来で驚いたのなんの!!
「自家製酵母の作成や観察……さらに手作りパン??」
水城桜乃ちゃん。
伊澤夏樹ちゃん。
その二人が共同作業でレポートを仕上げたらしいけど、水城ちゃんはどっちかと言うと学力は伊澤ちゃんに比べると弱い。だけど、二人で作ったからかなかなかの出来栄え。伊澤ちゃんはクラスでもトップにランクインするくらい学力が高いから。
代わりに、水城ちゃんはお家が『ルーブル』ってこの辺じゃ有名パン屋だから料理は得意な方。それでもレポート内容を見るとだいぶレベルが上がっているわ。この夏休みで何があったんだって、はてなマークがめちゃくちゃ浮かんでしまう!
「あ、中村先生ー」
考え込んでいると、同じ二年生のクラスの担任をしている古森先生が声をかけてきた。手には、多分生徒の自由研究のレポート?
「はい、どうかしました?」
「ちょっと聞いてくださいよ。うちのクラスで飛び抜けてすごいレポート書いた男子生徒が」
「飛び抜けて?」
まさか、と見させてもらうと……卯月駿くんのレポートは、さっきまで私が見ていた水城ちゃんたちと同じ内容だった。端の方に連名がきちんと書かれていた。
古森先生も今気づいて、私の見ていたレポートもそうだと知ると……。
「いや、仲良いのはいいですけど……高度過ぎません?」
「今回は水城ちゃんの家がパン屋さんですし、テーマとしてはわかりますけど。専門学生レベルですよねぇ?」
「けど、そちらのクラスは分かりますけど。卯月くんって水城ちゃんと接点ありました?」
「んー? たしか、卯月くんちの『丸富』ってルーブルの近くじゃなかったです? だったら、幼馴染みじゃ?」
「あー……」
とはいえ、このレポートは出来過ぎだ。大人の力を借りたにしても、きちんとテーマを理解した内容になっている。古森先生とももう一度話し合い、まずは教頭先生に見てもらおうとそれぞれのレポートを手にデスクへ向かった。
そうとしか思えない出来事が起きたのだ。ひとりじゃなく、二人の女の子。
夏休みの宿題にある自由研究で、テーマを自分で考えてレポートとかを作ったりする課題だけど。
下手すると、高校生以上の仕上がりじゃ? って出来で驚いたのなんの!!
「自家製酵母の作成や観察……さらに手作りパン??」
水城桜乃ちゃん。
伊澤夏樹ちゃん。
その二人が共同作業でレポートを仕上げたらしいけど、水城ちゃんはどっちかと言うと学力は伊澤ちゃんに比べると弱い。だけど、二人で作ったからかなかなかの出来栄え。伊澤ちゃんはクラスでもトップにランクインするくらい学力が高いから。
代わりに、水城ちゃんはお家が『ルーブル』ってこの辺じゃ有名パン屋だから料理は得意な方。それでもレポート内容を見るとだいぶレベルが上がっているわ。この夏休みで何があったんだって、はてなマークがめちゃくちゃ浮かんでしまう!
「あ、中村先生ー」
考え込んでいると、同じ二年生のクラスの担任をしている古森先生が声をかけてきた。手には、多分生徒の自由研究のレポート?
「はい、どうかしました?」
「ちょっと聞いてくださいよ。うちのクラスで飛び抜けてすごいレポート書いた男子生徒が」
「飛び抜けて?」
まさか、と見させてもらうと……卯月駿くんのレポートは、さっきまで私が見ていた水城ちゃんたちと同じ内容だった。端の方に連名がきちんと書かれていた。
古森先生も今気づいて、私の見ていたレポートもそうだと知ると……。
「いや、仲良いのはいいですけど……高度過ぎません?」
「今回は水城ちゃんの家がパン屋さんですし、テーマとしてはわかりますけど。専門学生レベルですよねぇ?」
「けど、そちらのクラスは分かりますけど。卯月くんって水城ちゃんと接点ありました?」
「んー? たしか、卯月くんちの『丸富』ってルーブルの近くじゃなかったです? だったら、幼馴染みじゃ?」
「あー……」
とはいえ、このレポートは出来過ぎだ。大人の力を借りたにしても、きちんとテーマを理解した内容になっている。古森先生とももう一度話し合い、まずは教頭先生に見てもらおうとそれぞれのレポートを手にデスクへ向かった。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
21
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる