カードガチャでリスタート‼︎〜パーティーを追放されたカード戦士は導き手となって最善ルートを突き進む〜

5話 カード戦士、カードの効果を見て絶句する

ガチャの挑戦権は六回あるから、とりあえず一回ずつやってみよう。

武器防具系カードのガチャは【スロット】タイプ、右下にスタートボタンが一つあり、正面にはストップボタンが五つある。

現在は、《防具》《籠手》《軽》《銅》《極寒》で止まっている。
これって、《タイプ》《種類1》《種類2》《材質》《属性》を表しているのか？

「今止まっている物の防具なんて、絶対いらない。寒くて凍傷になってしまうし、銅製なんて脆弱すぎる」

今の俺の武器は鉄製の短剣二つ、防具がファイヤーガウの革製ベストと普段着。かなり使い込んでいるから、そろそろ新調したいと思っていた頃合いだ。

「どうにでもなれ、スタート！」

これって目押しである程度絞れると聞いたことがあるけど、回転速度が速すぎて全くわからん。

「知らん、適当に押していく！」

一回目
《防具》《鎧》《大型》《鉛》《灼熱》

なんか……嫌な予感がする。
下のカード取り出し口から、一枚のカードが出てきた。


【リードフルアーマ灼熱型】
レア度5：★★★★★☆☆☆
耐久度：100（0になったら消滅する）
材質：鉛
重量：300kg
形態：全身を覆う大型の鎧
属性：灼熱
備考：
火の上位、灼熱属性を宿しているため、内部は300度と高温だが、火と灼熱の攻撃を大幅に軽減させる効果を持つ。

「死ぬわ！　こんなもん、いるか！　誰が着るんだよ！　レア度の意味だって違うだろ!？」

くそ～ハズレだ。
こういったゲームにはよくあることだが、まさかスキルにまで搭載されていたなんて。
もう一回だ！

二回目
《武器》《長剣》《片手剣》《玉鋼》《風》

今度は、当たりっぽいよな？
下のカード取り出し口からカードを引き抜き観察すると、武器の絵と詳細がその下に記載されている。

【イーグルソード】
レア度4：★★★★☆☆☆☆
耐久度：100（0になったら消滅する）
材質：玉鋼
種類：片手剣
属性：風
備考：風の属性を宿しているため、非常に軽量で女性でも装備可能。

「当たりだ！　え～と、《カード化》解除。うお、剣が本当に出現したし軽い！」

鳥のイーグルを模った鍔が、妙にカッコいい。鞘から剣を引き抜くと、細長い長身が現れたのだが、普通の剣と違い風属性の魔力を感じる。

「まさか、こんな良い剣をタダで貰える日がくるとは。よし、次だ！」

補助・移動系カードは【カードデル】か。
横に付いている丸いレバーらしきものを回せばいいんだよな？

「さあ、何が出てくるかな？」

箱からニュッと出てきたカードを手に取ると…

補助系【三三七拍子カード】
レア度3：★★★☆☆☆☆☆
使用回数：一回限り
人数：最大十人
効果：
指定した人や魔物がどんな強敵であろうとも、必ずその場で三三七拍子を実行する。
備考：その時の状況に合わせて、指定された者達は《とある言葉》を紡ぐ。

「これって、凄いのか？　お、ルーレット台が回ったぞ」

針が回るんじゃなくて、台そのものが回るとは思わなかった。
もしかして、一回挑戦するごとに回る仕組みか？
運が良ければ、当たりが何度も出る可能性はあるよな？
回転速度が、どんどん落ちていく。
当たりかハズレ、どっちだ？

「あ……ハズレか、残念。他のガチャも、一回ずつやってみよう」


結局、二回目のイーグルソードで調子に乗ってしまい、回数分を使い切ってしまった。カードデルでアタリが一回、ガラガラで二回と書かれた玉が出てきたから、合計九回ガチャをしたわけだが、俺の獲得したカードは良いのか悪いのか、正直微妙だ。

多分、良いんだよな？

武器系　イーグルソードカード
防具系　リードフルアーマー灼熱型カード
補助系　三三七拍子カード
補助系　痛い上の針カード
料理系　フワフワトロトロオムライスカード
天罰系　うんちカード
魔法系　使役カード
攻撃系　ぶっ飛びカード


「この中で凶悪なのは、《うんちカード》だよな」

うんちカード
レア度8：★★★★★★★★
持続期間：一週間
人数：一人
効果：
指定した対象に使用すると、《ドラゴン最強種エンシェントドラゴンのとぐろうんち》が頭にこびり付く。大きさは、指定した対象の身長に依存する。頭髪を洗っても、決して取れることはない。一週間、全ての生物（カード使用者と従魔以外）から嫌悪され、誰も近寄ってこない。うんちが消えても、その効果は徐々に薄れていくため、元の状態に戻るまで一ヶ月の期間を要する。
《カード使用者》
→うんちを視認可能。
他者の頭に運んで効果を移すことも可能。
途中でカードに戻すことも可能、使用期間は残量値のまま固定される。
《従魔》と《加護持ち》
→うんちを視認可能だが触れないし打ち消せない。　

これって違った意味での《嫌悪》だろ？
そもそも、そんな汚い物を運びたくないわ！
こんなのものを使用する機会なんてあるのか？

「《三三七拍子》と《痛い上の針》カードに関しては、魔物との戦闘で切り札として使用できるけど、一度効果を確認したい。勿体無い気もするけど、今後毎日ガチャを一回できるんだから、使わないと損だよな」

この《カード化》と《カードガチャ》を有効利用していけば、今後も冒険者として活躍できるかもしれないぞ。まずは、この二枚のカードどちらかを試してみよう。