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第1章 誘拐騒動ともふもふとの出会い
6話 暗闇から聞こえてくる声
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目が覚めると、床が揺れていて、ここが馬車の中だとすぐにわかった。でも、目隠しされているので、状況を全く把握できない。
「アキト…」
すぐ近くから、彼女の声が聞こえた。
「リリアナ…いるんだね?」
「あなたの隣にいると思う」
彼女の方が先に目覚めていたようだけど、案の定元気がない。誘拐されたと思ったら、別の悪人たちが僕たちを誘拐して、そいつらに強制的に眠らされ、気づけば移動中となっているのだから、元気がなくて当たり前だ。
「う…お腹減ったね」
2人揃って、お腹の音が鳴った。
「私たちの身体は正直ね。でも、食欲がないわ」
「同感」
手足も縛られ、目隠しもされているから、身体は不安と緊張に支配されている。これから、どうなるんだろう? 僕たちが声を出しても、あの覆面の男たちは誰も言葉を発しないから、多分周囲にはいないと思うんだけど…。
『そこの子供』
え? 今、リリアナとは違う女の子の声が聞こえたような?
「リリアナ、声が聞こえなかった?」
「声? いいえ、何も聞こえなかったわ」
彼女には聞こえていないの?
『私は運がいい。この危機的状況下で、私のパスと繋がる者と出会えたのだから。少年、私は君の心に語りかけている』
心に?
『そう…私は聖獣-白虎族のマグナリア。今は、力を封じられているせいで、声を出すことも不可。精霊の持つ感応波だけで、波長の合う者としか話せない』
聖獣? その言葉には聞き覚えがある。
両親から教わったんだ。
この世界には、魔が蔓延っていて、聖獣様はその魔や災厄から僕たちを守ってくれる尊き存在で、皆から崇拝されているんだよね。
その聖獣様が、この近くにいるの?
とにかく、僕も自己紹介だ。
僕は、人間族のアキト。
『アキト、この空間内の何処かに、布に覆われた牢屋があるはず』
ごめん、両手両足を縛られていて、おまけに目隠しされているからわからないよ。
『承知している。ここは馬車の中で、私たち3人だけしかいない。縛られている状態で動ける?』
なんとか。
『何処かに布があるから、それを引き剥がしてほしい。私が君たちを視認できれば、助けられるかもしれない』
ほんと!? 僕は、急いでさっきの内容をリリアナに小声で伝えると、彼女は不安がっていたけど、それでも声の様子から、少しだけ元気を取り戻したような印象を受けた。
「聖獣? 何故、聖獣様が囚われているの?」
「わかんないけど、奴らの言ってた任務って、拉致した聖獣様を誰かに引き渡すことなんじゃないかな?」
「ありうるわね。それじゃあ、その布を探しましょう」
「うん」
僕とリリアナは、芋虫のように床を這いずりながら、布を探していく。あ、何かそれらしきものに触れた!! 大きそうだし、これかな。それを口で噛んで引っ張ってみる。
「こら~~それは私のスカートよ!! 脱げちゃうから、早く離しなさい!!」
「あ、ごめん」
小声で、リリアナに怒られてしまった。そうだった、自分たちの着ている服も布のような素材だから気をつけないとね。あれから2人で這いずりながら捜索すると、ようやく大きな何かを見つけ出せた。
「アキト…」
すぐ近くから、彼女の声が聞こえた。
「リリアナ…いるんだね?」
「あなたの隣にいると思う」
彼女の方が先に目覚めていたようだけど、案の定元気がない。誘拐されたと思ったら、別の悪人たちが僕たちを誘拐して、そいつらに強制的に眠らされ、気づけば移動中となっているのだから、元気がなくて当たり前だ。
「う…お腹減ったね」
2人揃って、お腹の音が鳴った。
「私たちの身体は正直ね。でも、食欲がないわ」
「同感」
手足も縛られ、目隠しもされているから、身体は不安と緊張に支配されている。これから、どうなるんだろう? 僕たちが声を出しても、あの覆面の男たちは誰も言葉を発しないから、多分周囲にはいないと思うんだけど…。
『そこの子供』
え? 今、リリアナとは違う女の子の声が聞こえたような?
「リリアナ、声が聞こえなかった?」
「声? いいえ、何も聞こえなかったわ」
彼女には聞こえていないの?
『私は運がいい。この危機的状況下で、私のパスと繋がる者と出会えたのだから。少年、私は君の心に語りかけている』
心に?
『そう…私は聖獣-白虎族のマグナリア。今は、力を封じられているせいで、声を出すことも不可。精霊の持つ感応波だけで、波長の合う者としか話せない』
聖獣? その言葉には聞き覚えがある。
両親から教わったんだ。
この世界には、魔が蔓延っていて、聖獣様はその魔や災厄から僕たちを守ってくれる尊き存在で、皆から崇拝されているんだよね。
その聖獣様が、この近くにいるの?
とにかく、僕も自己紹介だ。
僕は、人間族のアキト。
『アキト、この空間内の何処かに、布に覆われた牢屋があるはず』
ごめん、両手両足を縛られていて、おまけに目隠しされているからわからないよ。
『承知している。ここは馬車の中で、私たち3人だけしかいない。縛られている状態で動ける?』
なんとか。
『何処かに布があるから、それを引き剥がしてほしい。私が君たちを視認できれば、助けられるかもしれない』
ほんと!? 僕は、急いでさっきの内容をリリアナに小声で伝えると、彼女は不安がっていたけど、それでも声の様子から、少しだけ元気を取り戻したような印象を受けた。
「聖獣? 何故、聖獣様が囚われているの?」
「わかんないけど、奴らの言ってた任務って、拉致した聖獣様を誰かに引き渡すことなんじゃないかな?」
「ありうるわね。それじゃあ、その布を探しましょう」
「うん」
僕とリリアナは、芋虫のように床を這いずりながら、布を探していく。あ、何かそれらしきものに触れた!! 大きそうだし、これかな。それを口で噛んで引っ張ってみる。
「こら~~それは私のスカートよ!! 脱げちゃうから、早く離しなさい!!」
「あ、ごめん」
小声で、リリアナに怒られてしまった。そうだった、自分たちの着ている服も布のような素材だから気をつけないとね。あれから2人で這いずりながら捜索すると、ようやく大きな何かを見つけ出せた。
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