僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜

犬社護

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第1章 誘拐騒動ともふもふとの出会い

2話 職場見学

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僕は朝早くに起きて、朝食を食べ、歯磨きをして準備を終えてからお父さんと共に馬車に乗って、職場へ向かう。街中で道幅も広いけど、時折急な飛び出しもあるから、馭者のおじさんが馬をゆっくりと走らせてる。窓が馬車に設置されてないせいで、横から外の景色が見えない事をお父さんに言ったら、『平民用の街内馬車の性能だと、ガラスが振動で割れてしまうんだ。それに、馭者のいる前方と客の出入り口となる後方から、景色も見えるから必要ないのさ』とお父さんから言われちゃった。

基本、馬車の中では他の乗客もいるから、あまりお喋りしちゃいけないよとも言われたから、周囲を観察すると、僕以外の子供もいるけど、皆も同じことを親から言われているのか、誰も話そうとしない。でも、僕と同じでソワソワしているのがわかる。もしかしたら、乗客全員が僕と同じ目的地なのかもしれない。

あまりジロジロ見ると、お友達になってくれないかもだから、我慢して前方の景色ばかりを見ていよう。

しばらくの間、建物ばかりの景色を見ていると、馬車が急に止まった。
前方を見る限り、まだ建物があちこちにあるけど、もう到着したのかな?

「アキト、遺跡に到着だ」
「え、もう?」
「今回の遺跡は、古くなった貴族様のお屋敷を解体した時に、偶然発見されたんだ。馬車から降りて、遺跡を見てごらん」

僕は馬車を降り、お父さんの指差す方向を見ると、そこにはひろ~い土地が広がっていて、それを守るかのように、おっきな壁がその周囲を守っている。

「すっごい広いね!! 貴族様って、こんな広い場所に住んでいるの?」

これって、何坪あるんだろう? 
夢の中で見た建物のある土地より、ずっと広いや。

「そうだよ。大きな屋敷がこの土地の中にあったけど、老朽化が原因で解体することに決まった。解体後、新しい屋敷を建築するため、土台造りで穴を掘っていたら、1000年くらい前の壺や魔導具の欠片が見つかったのさ。魔道具の中でも、千年以上古い物はオーパーツに分類されていて、それが欠片であっても、大変貴重な財産となる。辺境伯様はこの発見を機に、本格的な発掘調査を発掘士ギルドへ依頼したことで、お父さんたち発掘士がこの街へ召集されたんだ」

へえ~、遺跡を調査することで、昔の物が発見されていくのか。そういえば、さっきから周囲も少し騒がしいと思っていたら、お父さんと同じように発掘士の人たちが子供に力強く熱心に説明していたのか、僕と同じくらいの2人の男の子たちは遺跡の方を見て、『お宝探ししたい』という雰囲気を出して、目を輝かせてる。それに反して、2人の女の子たちは、何処かしらけた目でお父さんたちを見ている。

なんだか、男の子と女の子で差があるのは何でだろう?
僕は、断然面白いと思うんだけどな。

「お父さん、僕も発掘調査に参加できるの?」

他の男の子たちが僕を一瞬見たけど、すぐに自分たちのお父さんに同じことを尋ねてる。

「ああ、今回職場見学ということで、1時間だけ発掘許可が下りた。ただし、お父さんの言われた通りの方法で発掘すること」

「うん、わかった!!」

僕たちは発掘中の場所へ行くと、周囲よりもかなり低い位置にあったから、梯子を使い、ゆっくりと下に降りていく。そこは地面が剥き出しになっていて、その表面にはかなり広い範囲で、何か大きな建物があったかのような痕跡がある。それも、幾つもの区画に分けられて広いから、他の子供達とは別々にお宝探しをやるのかもしれない。

「アキト、今からあの中に入り、お父さんと1時間だけお宝探しといこうか」
「うん!!」

今回の目的は、お父さんの職場を知ることだもんね。

よ~し、どうやって発掘するのか知らないけど、大人公認でお宝探しができるんだから、絶対何かを見つけてやる!!
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