2 / 38
第1章 誘拐騒動ともふもふとの出会い
2話 職場見学
しおりを挟む
僕は朝早くに起きて、朝食を食べ、歯磨きをして準備を終えてからお父さんと共に馬車に乗って、職場へ向かう。街中で道幅も広いけど、時折急な飛び出しもあるから、馭者のおじさんが馬をゆっくりと走らせてる。窓が馬車に設置されてないせいで、横から外の景色が見えない事をお父さんに言ったら、『平民用の街内馬車の性能だと、ガラスが振動で割れてしまうんだ。それに、馭者のいる前方と客の出入り口となる後方から、景色も見えるから必要ないのさ』とお父さんから言われちゃった。
基本、馬車の中では他の乗客もいるから、あまりお喋りしちゃいけないよとも言われたから、周囲を観察すると、僕以外の子供もいるけど、皆も同じことを親から言われているのか、誰も話そうとしない。でも、僕と同じでソワソワしているのがわかる。もしかしたら、乗客全員が僕と同じ目的地なのかもしれない。
あまりジロジロ見ると、お友達になってくれないかもだから、我慢して前方の景色ばかりを見ていよう。
しばらくの間、建物ばかりの景色を見ていると、馬車が急に止まった。
前方を見る限り、まだ建物があちこちにあるけど、もう到着したのかな?
「アキト、遺跡に到着だ」
「え、もう?」
「今回の遺跡は、古くなった貴族様のお屋敷を解体した時に、偶然発見されたんだ。馬車から降りて、遺跡を見てごらん」
僕は馬車を降り、お父さんの指差す方向を見ると、そこにはひろ~い土地が広がっていて、それを守るかのように、おっきな壁がその周囲を守っている。
「すっごい広いね!! 貴族様って、こんな広い場所に住んでいるの?」
これって、何坪あるんだろう?
夢の中で見た建物のある土地より、ずっと広いや。
「そうだよ。大きな屋敷がこの土地の中にあったけど、老朽化が原因で解体することに決まった。解体後、新しい屋敷を建築するため、土台造りで穴を掘っていたら、1000年くらい前の壺や魔導具の欠片が見つかったのさ。魔道具の中でも、千年以上古い物はオーパーツに分類されていて、それが欠片であっても、大変貴重な財産となる。辺境伯様はこの発見を機に、本格的な発掘調査を発掘士ギルドへ依頼したことで、お父さんたち発掘士がこの街へ召集されたんだ」
へえ~、遺跡を調査することで、昔の物が発見されていくのか。そういえば、さっきから周囲も少し騒がしいと思っていたら、お父さんと同じように発掘士の人たちが子供に力強く熱心に説明していたのか、僕と同じくらいの2人の男の子たちは遺跡の方を見て、『お宝探ししたい』という雰囲気を出して、目を輝かせてる。それに反して、2人の女の子たちは、何処かしらけた目でお父さんたちを見ている。
なんだか、男の子と女の子で差があるのは何でだろう?
僕は、断然面白いと思うんだけどな。
「お父さん、僕も発掘調査に参加できるの?」
他の男の子たちが僕を一瞬見たけど、すぐに自分たちのお父さんに同じことを尋ねてる。
「ああ、今回職場見学ということで、1時間だけ発掘許可が下りた。ただし、お父さんの言われた通りの方法で発掘すること」
「うん、わかった!!」
僕たちは発掘中の場所へ行くと、周囲よりもかなり低い位置にあったから、梯子を使い、ゆっくりと下に降りていく。そこは地面が剥き出しになっていて、その表面にはかなり広い範囲で、何か大きな建物があったかのような痕跡がある。それも、幾つもの区画に分けられて広いから、他の子供達とは別々にお宝探しをやるのかもしれない。
「アキト、今からあの中に入り、お父さんと1時間だけお宝探しといこうか」
「うん!!」
今回の目的は、お父さんの職場を知ることだもんね。
よ~し、どうやって発掘するのか知らないけど、大人公認でお宝探しができるんだから、絶対何かを見つけてやる!!
基本、馬車の中では他の乗客もいるから、あまりお喋りしちゃいけないよとも言われたから、周囲を観察すると、僕以外の子供もいるけど、皆も同じことを親から言われているのか、誰も話そうとしない。でも、僕と同じでソワソワしているのがわかる。もしかしたら、乗客全員が僕と同じ目的地なのかもしれない。
あまりジロジロ見ると、お友達になってくれないかもだから、我慢して前方の景色ばかりを見ていよう。
しばらくの間、建物ばかりの景色を見ていると、馬車が急に止まった。
前方を見る限り、まだ建物があちこちにあるけど、もう到着したのかな?
「アキト、遺跡に到着だ」
「え、もう?」
「今回の遺跡は、古くなった貴族様のお屋敷を解体した時に、偶然発見されたんだ。馬車から降りて、遺跡を見てごらん」
僕は馬車を降り、お父さんの指差す方向を見ると、そこにはひろ~い土地が広がっていて、それを守るかのように、おっきな壁がその周囲を守っている。
「すっごい広いね!! 貴族様って、こんな広い場所に住んでいるの?」
これって、何坪あるんだろう?
夢の中で見た建物のある土地より、ずっと広いや。
「そうだよ。大きな屋敷がこの土地の中にあったけど、老朽化が原因で解体することに決まった。解体後、新しい屋敷を建築するため、土台造りで穴を掘っていたら、1000年くらい前の壺や魔導具の欠片が見つかったのさ。魔道具の中でも、千年以上古い物はオーパーツに分類されていて、それが欠片であっても、大変貴重な財産となる。辺境伯様はこの発見を機に、本格的な発掘調査を発掘士ギルドへ依頼したことで、お父さんたち発掘士がこの街へ召集されたんだ」
へえ~、遺跡を調査することで、昔の物が発見されていくのか。そういえば、さっきから周囲も少し騒がしいと思っていたら、お父さんと同じように発掘士の人たちが子供に力強く熱心に説明していたのか、僕と同じくらいの2人の男の子たちは遺跡の方を見て、『お宝探ししたい』という雰囲気を出して、目を輝かせてる。それに反して、2人の女の子たちは、何処かしらけた目でお父さんたちを見ている。
なんだか、男の子と女の子で差があるのは何でだろう?
僕は、断然面白いと思うんだけどな。
「お父さん、僕も発掘調査に参加できるの?」
他の男の子たちが僕を一瞬見たけど、すぐに自分たちのお父さんに同じことを尋ねてる。
「ああ、今回職場見学ということで、1時間だけ発掘許可が下りた。ただし、お父さんの言われた通りの方法で発掘すること」
「うん、わかった!!」
僕たちは発掘中の場所へ行くと、周囲よりもかなり低い位置にあったから、梯子を使い、ゆっくりと下に降りていく。そこは地面が剥き出しになっていて、その表面にはかなり広い範囲で、何か大きな建物があったかのような痕跡がある。それも、幾つもの区画に分けられて広いから、他の子供達とは別々にお宝探しをやるのかもしれない。
「アキト、今からあの中に入り、お父さんと1時間だけお宝探しといこうか」
「うん!!」
今回の目的は、お父さんの職場を知ることだもんね。
よ~し、どうやって発掘するのか知らないけど、大人公認でお宝探しができるんだから、絶対何かを見つけてやる!!
196
お気に入りに追加
406
あなたにおすすめの小説

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ
犬社護
ファンタジー
交通事故で不慮の死を遂げてしまった僕-リョウトは、死後の世界で女神と出会い、異世界へ転生されることになった。事前に転生先の世界観について詳しく教えられ、その場でスキルやギフトを練習しても構わないと言われたので、僕は自分に与えられるギフトだけを極めるまで練習を重ねた。女神の目的は不明だけど、僕は全てを納得した上で、フランベル王国王都ベルンシュナイルに住む貴族の名門ヒライデン伯爵家の次男として転生すると、とある理由で魔法を一つも習得できないせいで、15年間軟禁生活を強いられ、15歳の誕生日に両親から追放処分を受けてしまう。ようやく自由を手に入れたけど、初日から幽霊に憑かれた幼女ルティナ、2日目には幽霊になってしまった幼女リノアと出会い、2人を仲間にしたことで、僕は様々な選択を迫られることになる。そしてその結果、子供たちが意図せず、どんどんチート化してしまう。
僕の夢は、自由気ままに世界中を冒険すること…なんだけど、いつの間にかチートな子供たちが主体となって、冒険が進んでいく。
僕の夢……どこいった?
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト)
前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した
生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ
魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する
ということで努力していくことにしました

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜
一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。
しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた!
今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。
そうしていると……?
※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる