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第1章 誘拐騒動ともふもふとの出会い
3話 友達と宝探しをやろう
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僕は、お父さんから指示された区画の中に入ると、そこにはさっき見た2人の男の子たちがいた。僕が自己紹介すると、2人も名前を言ってくれた。
7歳で、僕より体の大きいジョセフ。
5歳で、僕より少し背の高いラルク。
僕たち3人は宝探しですっかり意気投合し、がっちり握手を交わすと、誰が一番早くお宝を探すか競争することになった。
お父さんたちからの指示で、『この区画内には、スキルによる事前調査で不明物が、何処かに埋まっているとわかっている。それらを壊してはいけないので、必ずスコップで慎重に掘っていくこと』と言われたので、まずはお父さんたちが別の広い区画で手本を見せてもらう。
その際、お父さんたちの職業『発掘士』の説明がどんなものか簡単に説明され、スコップの扱い方も教えてもらった。僕たちはそれを真剣に聞いてから、指示された区画に入り、その動きに習い、手袋を付けてスコップで宝探しを実行する。他の場所よりも狭いけど、ここでなら好き放題やっていいのだから、僕もジョセフもラルクも、何処から掘り進めていくか悩んだけど、自分たちの勘で場所を決め、慎重に掘り進めていく。
2人と違い、僕は内心である事に気づいていた。
スキルで、地中の何処かに何かが埋もれているとわかっても、それが危険物だったら、取り返しのつかない事態に陥ってしまうから、普通子供に掘らせない。多分、お父さんたちは事前にこの区画を発掘して、危険物を除去してくれてる。僕たちを楽しませるため、そこに割っても問題にならないような物を埋めてくれているんだ。
「あったぞ~~~~~」
ジョセフが大声で、右手で小さな瓶を掲げている。
あれって汚れているけど、新しいものなんじゃないかな?
やっぱり、これって子供用に用意された[宝探しゲーム]なんだ。
ここは、僕もジョセフに合わせよう。
どんどん慎重に掘り進めていくと、何かがそこにあった。
「お父さん、僕も見つけた!!」
「こっちも見つけた~~~~~」
僕は小さな陶器を、ラルクは小さな化石らしきものを見つけた。
僕自身、これがゲームとわかっていても、何かを発見した喜びが優ってしまい、笑顔になってしまう。お父さんたちが僕たちの頭を撫でて褒めてくれたことで、なんだか誇らしい気持ちにもなるよ。
○○○
あの後、僕ら3人以外の子供たちもやって来たので、現在あの区画内は宝探しゲームの子供達で盛況になってる。僕は少し離れたところで、その様子を見ながら楽しんでいると、急に影が入り、日が当たらなくなったので、真上を見ると、そこには日傘があった。その持ち主の方を見ると、僕と同じくらいの女の子がすぐ横にいた。
「あなた、全部わかってて、あれに参加したでしょ?」
綺麗な青い髪色の女の子、この子は絶対貴族だ。
綺麗な服装だし、何より気品を感じる。
「見てたんだ。僕もわかっていたけどさ、それを言ったら、空気を読めない男の子というレッテルを貼られて、せっかく作った友達が逃げちゃうよ」
特に、始めに出会ったジョセフとラルクの2人は、僕の家から比較的近い。今度、遊びに行く約束をしているし、余計な行動を控えないとね。
「その程度で離れる友達なんて、友達じゃないわ」
「あはは、そうかもね。多分、あそこにいる男の子たちと違って、暇そうにしている女の子たちは、このゲームの趣旨をわかっているから参加したくないのかな。大人たちが変に隠してやらせるからだめなんだよ。どうせなら、堂々と[宝探しゲーム]ていう旗を立てて、その区画内に男の子や女の子を楽しませるオモチャをランダムに埋めておけば、みんなが発掘を楽しめるのにね」
僕がそう言うと、女の子は少し驚き、そこから優しく微笑んだ。
「あなた、賢いのね。私はリリアナ・セルザスパ、6歳。あなたの名前は?」
「僕はアキト、5歳だけど……え、セルザスパ? あなたは、辺境伯様の御息女なの!?」
やば、遊びモードが抜けてなかったから、タメ口で話してた。
「敬語なんていらないわ。そのままタメ口で話してね、アキト」
「え…うん…わかった」
怒られると思っていたら、まさかの展開で驚きだよ。すぐ近くにはメイドの女性がいて、こちらを見ているけど、怒っているような感じを見受けないし、むしろ笑顔だ。
この子、6歳なのに、大人のような口調だな。
これが、貴族令嬢なんだ。
「それじゃあ早速だけど、貴方の案を採用させてもらうわ。私と一緒に、お父様と遺跡責任者トマス様のもとへ行きましょう」
「え!?」
「ほら早く早く」
まさか、本当に提案するの?
夢の中で経験したことを気軽に言っただけなのに?
7歳で、僕より体の大きいジョセフ。
5歳で、僕より少し背の高いラルク。
僕たち3人は宝探しですっかり意気投合し、がっちり握手を交わすと、誰が一番早くお宝を探すか競争することになった。
お父さんたちからの指示で、『この区画内には、スキルによる事前調査で不明物が、何処かに埋まっているとわかっている。それらを壊してはいけないので、必ずスコップで慎重に掘っていくこと』と言われたので、まずはお父さんたちが別の広い区画で手本を見せてもらう。
その際、お父さんたちの職業『発掘士』の説明がどんなものか簡単に説明され、スコップの扱い方も教えてもらった。僕たちはそれを真剣に聞いてから、指示された区画に入り、その動きに習い、手袋を付けてスコップで宝探しを実行する。他の場所よりも狭いけど、ここでなら好き放題やっていいのだから、僕もジョセフもラルクも、何処から掘り進めていくか悩んだけど、自分たちの勘で場所を決め、慎重に掘り進めていく。
2人と違い、僕は内心である事に気づいていた。
スキルで、地中の何処かに何かが埋もれているとわかっても、それが危険物だったら、取り返しのつかない事態に陥ってしまうから、普通子供に掘らせない。多分、お父さんたちは事前にこの区画を発掘して、危険物を除去してくれてる。僕たちを楽しませるため、そこに割っても問題にならないような物を埋めてくれているんだ。
「あったぞ~~~~~」
ジョセフが大声で、右手で小さな瓶を掲げている。
あれって汚れているけど、新しいものなんじゃないかな?
やっぱり、これって子供用に用意された[宝探しゲーム]なんだ。
ここは、僕もジョセフに合わせよう。
どんどん慎重に掘り進めていくと、何かがそこにあった。
「お父さん、僕も見つけた!!」
「こっちも見つけた~~~~~」
僕は小さな陶器を、ラルクは小さな化石らしきものを見つけた。
僕自身、これがゲームとわかっていても、何かを発見した喜びが優ってしまい、笑顔になってしまう。お父さんたちが僕たちの頭を撫でて褒めてくれたことで、なんだか誇らしい気持ちにもなるよ。
○○○
あの後、僕ら3人以外の子供たちもやって来たので、現在あの区画内は宝探しゲームの子供達で盛況になってる。僕は少し離れたところで、その様子を見ながら楽しんでいると、急に影が入り、日が当たらなくなったので、真上を見ると、そこには日傘があった。その持ち主の方を見ると、僕と同じくらいの女の子がすぐ横にいた。
「あなた、全部わかってて、あれに参加したでしょ?」
綺麗な青い髪色の女の子、この子は絶対貴族だ。
綺麗な服装だし、何より気品を感じる。
「見てたんだ。僕もわかっていたけどさ、それを言ったら、空気を読めない男の子というレッテルを貼られて、せっかく作った友達が逃げちゃうよ」
特に、始めに出会ったジョセフとラルクの2人は、僕の家から比較的近い。今度、遊びに行く約束をしているし、余計な行動を控えないとね。
「その程度で離れる友達なんて、友達じゃないわ」
「あはは、そうかもね。多分、あそこにいる男の子たちと違って、暇そうにしている女の子たちは、このゲームの趣旨をわかっているから参加したくないのかな。大人たちが変に隠してやらせるからだめなんだよ。どうせなら、堂々と[宝探しゲーム]ていう旗を立てて、その区画内に男の子や女の子を楽しませるオモチャをランダムに埋めておけば、みんなが発掘を楽しめるのにね」
僕がそう言うと、女の子は少し驚き、そこから優しく微笑んだ。
「あなた、賢いのね。私はリリアナ・セルザスパ、6歳。あなたの名前は?」
「僕はアキト、5歳だけど……え、セルザスパ? あなたは、辺境伯様の御息女なの!?」
やば、遊びモードが抜けてなかったから、タメ口で話してた。
「敬語なんていらないわ。そのままタメ口で話してね、アキト」
「え…うん…わかった」
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この子、6歳なのに、大人のような口調だな。
これが、貴族令嬢なんだ。
「それじゃあ早速だけど、貴方の案を採用させてもらうわ。私と一緒に、お父様と遺跡責任者トマス様のもとへ行きましょう」
「え!?」
「ほら早く早く」
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