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下層突入編
戦いの経験
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洞穴エルフ達の戦力と作戦を想定して再度侵攻した。
少しずつ掴んで来た情報でおおよその見当は付けていたが、当たっていた事と外れていたことがある。おそらくこれは連中の事情や得意分野に寄る事だろう。
当っていたのは戦力を引き抜いて移動させたことなのだが……。
「マズイことになったネ。連中の他に精霊が二体も居るヨ」
「……二体も? そいつは凶報でもあるが吉報でもあるな」
「どういう事? 敵が増えただけじゃないの?」
「精霊が居るって事だけならそうだな」
斥候に出ていたブーの報告で敵戦力が判った。
倒されても退散するだけで、魔法も戦闘も有能な精霊が二体も存在している。このこと自体は良い事ではない。精霊は大抵の場合、一人一体を細かに使役する。少なくとも召喚師が後二人居るか、先ほどの召喚師が魔法を行使できる状態まで回復したか……精霊召喚にのみ特化し何体も呼べる奴が居るかの三つの可能性があった。
ひとまず何の精霊と詳細に語らない所を見ると、大地の精霊。
おそらくはこの部族が得意とする系統が、地系統魔法なのだろうという事は伺える。火や風の術を使わない時点で、第三の特化型という可能性はまだ拭えないのだが……。
「精霊使いで最も恐ろしいのは、倒されても何度も呼べること」
「そして知覚を共有して様子を見れる事だな。倒そうが消そうが奇襲がバレる」
「こっちが奇襲をかけて消しても呼び戻されるだけだが、放っておいて他の連中を倒したんじゃあこっちが危険なことになる。ただ……二体を同時に出して置く理由は無いな。一体は見えない位置に隠して置いても良いし、二体を盾役にすることを考えれば向こうの方がいい」」
まず最初から二体出している事がおかしい。
隠れようと思えば大地の精霊は洞窟内でなら幾らでも隠れられる。ブーが優秀な斥候とはいえ、二体ともを見つけるのはおかしい。向こう側や隠れた個体など、もっと居る可能性もゼロではないが、魔力を使い過ぎるし余計だろう。この時点で幾つか判ったことがある。例えば俺が解呪の呪文で精霊を消せることを知らないという事だ。
「つまり戦いの素人が、とりあえず戦力を増やすために呼んだんだ。そして連中は俺が解呪できる事を知らない。知って居たらその位置には絶対に置かないだろうな。隠れては無かったんだろ?」
「そういえばそうネ。ホムンクルスと似た立ち位置アル」
護るために戦力を集める必要を理解でき、穴埋めも思いつける。
だがそこまでで、情報共有が出来ていないし、想像することもしていないようだ。地頭は良いのだろうが、戦い慣れしてはいない。だからこそ戦いの素人と呼んだわけである。もし知って居たら迂闊には前に出さないし、出すとしたら徹底的に隠すだろう。
入り口に居た頭は隠していたが、こっちは隠していない。
おそらくは才能だけはある年若い術者たちか、実力だけはトップではあるが長クラスなので戦いなど知らなかった者のどちらかだろう。戦力不足を知って補うために精霊を送りつけたが、それ以上の事を思いつかない物だと思われた。
「隠れて居ないというのも盾役の為でもないな」
「単純に数だけ送って帳尻を合わせたんだろう」
「入り口を守らないといけないから数を送る」
「だけれど引き抜かれたら不安だから、精霊を送るので、そいつらと一緒に頑張れって程度だ。まったく違う可能性もあるが、召喚師の数が沢山いるとしても、少々奇妙過ぎる。この考えが当たってる可能性の方が高いな」
仮に召喚師が五人居るとしても、こんな使い方はしない。
その場合はそれこそ無意味に五体並べるだけで俺たちは逃げ帰るしかないからだ。またダンジョンから魔力を引き出せるとかで幾らでも呼べるから、解呪なり攻撃呪文を連発させたいならば、精霊だけを前に出して俺達を追わせた方が早いのである。警備兵に二体だけ付けて置く理由はないだろう。
それと、こう言っては何だが……。
他の思惑があったとして、こっちの作戦は変更する事は無いだろうな。あと十人、あるいは小隊長を含めた数人を倒せればよいのである。
「ひとまず作戦通りに行くぞ。十の数字を忘れるな」
「責任者ならば四、補佐役は二。他の連中は一」
「合計で十に達してそうならさっさと引き上げる」
「精霊だよりでそこまで戦力がスカスカなら、その先を覗いてから撤収に切り替える予定だ。ブーは戦いには加わらず、罠と数の観測に努めてくれ。一応だが、罠の上に精霊が乗ってるだけの可能性もあるからな」
予定通り裏口から侵攻し、洞穴エルフの数を減らす。
戦闘員を追加で十名ほど戦死させるか、隊長格や補佐役を倒せれば十分だ。少なくとも次回、締めの戦いで戦力を増して行けば、守り切れるような状況ではなくなるだろう。流石にゴブリンが反乱したくらいではなんとも成らないだろうが、立て直せるだけの人口数ではなくなるのだから。その後は殲滅戦をするなり、降伏を呼びかける成りし放題である。
作戦に大きな変更が無く、斥候であり遊撃役のブーが探知役になったくらいなので、俺たちはそのまま裏口へと侵攻した。
「今のところ問題無いアル。ただ、あそこにある岩から向こうに行くと気が付かれるネ。呪文を唱えるならもう少し手前からヨ」
「了解。その手前で俺が解呪を唱え始める。エレオノーラは付与魔法を二人に掛けてから、最初に一発だけ火球を頼む」
「はいはい。これで最後だと思えば幾らでも聞いてあげるわよ」
ここから先の戦いは、カウントダウンに等しかった。
誰もがやるべきことを始めて、敵の数を徐々に減らしていく。口火を切るのは前衛たちだが、実際には俺とエレオノーラの呪文になるだろう。
特に他の意見は無かったので、早い段階でエレオノーラが炎刃の呪文をフーとジャンに掛けた。その呪文が唱え終わった所で、俺が解呪を唱えながら前に出て行く。
「行くぞ。止まるのを忘れるな」
「応! 偽装突撃だな!!」
「「……」」
フーとジャンがホムンクルスと共に走っていく。
だが途中で止まり、敵の目を引き付けつつホムンクルスの合流を待った。そして俺達も遅れてその場所に辿り着き、見えた光景が予想と違わないことに満足する。敵は突如現れた俺達に混乱しつつも、ひとまず体の大きなホムンクルスへと精霊を向けていた。
そして俺が解呪を唱え終わったのがこの時、後から唱え直したエレオノーラが僅か後に火球の呪文を行使したのである。
「解呪成功だ! 構わねえからやっちまえ!」
「エレオノーラは以降待機! 対抗呪文を使ってくれ!」
「リシャールは前の二人を援護。端っこから撃ちこむくらいでいい!」
「精霊が居なくなったから倒し放題だ! 手前の奴を倒したら、頭を探して潰しに行くくらいでいいぞ!」
予定通りに精霊二体が退散する。道を塞いでたのでやり易くなった。
後は全員でこの場に居る敵を倒すか、あるいは隊長格を見つけて狙い撃ちにするくらいで丁度良いだろう。どちらかと言えば、活躍を期待するのではなく……増援が来る前に片付けられるかの方が問題だった。
俺は呪文を唱えるよりも、この場に居る洞穴エルフの数にこそ注目する。そしてその途中で、ブーのニヤリとした顔に気が付いた。
「どうした? 景気が良さそうだな」
「さっき言ってた増援。また精霊になりそうヨ。学習してないアル」
「なんだそりゃ? 解呪を理解してないのか? ……一撃で倒されたと思ってるってか? ならこのまま行けそうだな。後は頼むわ」
どうやら奥から精霊のお代わりが来たらしい。
こっちの移動を先制して探知し、先に送り込んだのでなければ、本格的にド素人の様だ。召喚魔法の解除に気が付かずに、倒されたと思って改めて呼んだのだろう……まあ、最初から三体呼んでいて、手元に一体残していた可能性もあるか。
こうなってくると敵のトップ層の一人が精霊召喚に特化した奴である可能性が高まって来た。長は何処の部族でも強いものだが、そいつの手の内が判っただけでもありがたい。戦いのド素人であり、見付け難い野外で出逢ったのではなく、いつか見つけ出せる地下で出逢ったのは幸運であるとも言えるだろう。ブーの奴が笑う訳である。
「……おそらく抗争だが病気で先代達が死んだな。さっさと片付けて撤収するぞ!」
こうして俺たちは裏口での戦いを優位に進めていた。
洞穴エルフ達の戦力と作戦を想定して再度侵攻した。
少しずつ掴んで来た情報でおおよその見当は付けていたが、当たっていた事と外れていたことがある。おそらくこれは連中の事情や得意分野に寄る事だろう。
当っていたのは戦力を引き抜いて移動させたことなのだが……。
「マズイことになったネ。連中の他に精霊が二体も居るヨ」
「……二体も? そいつは凶報でもあるが吉報でもあるな」
「どういう事? 敵が増えただけじゃないの?」
「精霊が居るって事だけならそうだな」
斥候に出ていたブーの報告で敵戦力が判った。
倒されても退散するだけで、魔法も戦闘も有能な精霊が二体も存在している。このこと自体は良い事ではない。精霊は大抵の場合、一人一体を細かに使役する。少なくとも召喚師が後二人居るか、先ほどの召喚師が魔法を行使できる状態まで回復したか……精霊召喚にのみ特化し何体も呼べる奴が居るかの三つの可能性があった。
ひとまず何の精霊と詳細に語らない所を見ると、大地の精霊。
おそらくはこの部族が得意とする系統が、地系統魔法なのだろうという事は伺える。火や風の術を使わない時点で、第三の特化型という可能性はまだ拭えないのだが……。
「精霊使いで最も恐ろしいのは、倒されても何度も呼べること」
「そして知覚を共有して様子を見れる事だな。倒そうが消そうが奇襲がバレる」
「こっちが奇襲をかけて消しても呼び戻されるだけだが、放っておいて他の連中を倒したんじゃあこっちが危険なことになる。ただ……二体を同時に出して置く理由は無いな。一体は見えない位置に隠して置いても良いし、二体を盾役にすることを考えれば向こうの方がいい」」
まず最初から二体出している事がおかしい。
隠れようと思えば大地の精霊は洞窟内でなら幾らでも隠れられる。ブーが優秀な斥候とはいえ、二体ともを見つけるのはおかしい。向こう側や隠れた個体など、もっと居る可能性もゼロではないが、魔力を使い過ぎるし余計だろう。この時点で幾つか判ったことがある。例えば俺が解呪の呪文で精霊を消せることを知らないという事だ。
「つまり戦いの素人が、とりあえず戦力を増やすために呼んだんだ。そして連中は俺が解呪できる事を知らない。知って居たらその位置には絶対に置かないだろうな。隠れては無かったんだろ?」
「そういえばそうネ。ホムンクルスと似た立ち位置アル」
護るために戦力を集める必要を理解でき、穴埋めも思いつける。
だがそこまでで、情報共有が出来ていないし、想像することもしていないようだ。地頭は良いのだろうが、戦い慣れしてはいない。だからこそ戦いの素人と呼んだわけである。もし知って居たら迂闊には前に出さないし、出すとしたら徹底的に隠すだろう。
入り口に居た頭は隠していたが、こっちは隠していない。
おそらくは才能だけはある年若い術者たちか、実力だけはトップではあるが長クラスなので戦いなど知らなかった者のどちらかだろう。戦力不足を知って補うために精霊を送りつけたが、それ以上の事を思いつかない物だと思われた。
「隠れて居ないというのも盾役の為でもないな」
「単純に数だけ送って帳尻を合わせたんだろう」
「入り口を守らないといけないから数を送る」
「だけれど引き抜かれたら不安だから、精霊を送るので、そいつらと一緒に頑張れって程度だ。まったく違う可能性もあるが、召喚師の数が沢山いるとしても、少々奇妙過ぎる。この考えが当たってる可能性の方が高いな」
仮に召喚師が五人居るとしても、こんな使い方はしない。
その場合はそれこそ無意味に五体並べるだけで俺たちは逃げ帰るしかないからだ。またダンジョンから魔力を引き出せるとかで幾らでも呼べるから、解呪なり攻撃呪文を連発させたいならば、精霊だけを前に出して俺達を追わせた方が早いのである。警備兵に二体だけ付けて置く理由はないだろう。
それと、こう言っては何だが……。
他の思惑があったとして、こっちの作戦は変更する事は無いだろうな。あと十人、あるいは小隊長を含めた数人を倒せればよいのである。
「ひとまず作戦通りに行くぞ。十の数字を忘れるな」
「責任者ならば四、補佐役は二。他の連中は一」
「合計で十に達してそうならさっさと引き上げる」
「精霊だよりでそこまで戦力がスカスカなら、その先を覗いてから撤収に切り替える予定だ。ブーは戦いには加わらず、罠と数の観測に努めてくれ。一応だが、罠の上に精霊が乗ってるだけの可能性もあるからな」
予定通り裏口から侵攻し、洞穴エルフの数を減らす。
戦闘員を追加で十名ほど戦死させるか、隊長格や補佐役を倒せれば十分だ。少なくとも次回、締めの戦いで戦力を増して行けば、守り切れるような状況ではなくなるだろう。流石にゴブリンが反乱したくらいではなんとも成らないだろうが、立て直せるだけの人口数ではなくなるのだから。その後は殲滅戦をするなり、降伏を呼びかける成りし放題である。
作戦に大きな変更が無く、斥候であり遊撃役のブーが探知役になったくらいなので、俺たちはそのまま裏口へと侵攻した。
「今のところ問題無いアル。ただ、あそこにある岩から向こうに行くと気が付かれるネ。呪文を唱えるならもう少し手前からヨ」
「了解。その手前で俺が解呪を唱え始める。エレオノーラは付与魔法を二人に掛けてから、最初に一発だけ火球を頼む」
「はいはい。これで最後だと思えば幾らでも聞いてあげるわよ」
ここから先の戦いは、カウントダウンに等しかった。
誰もがやるべきことを始めて、敵の数を徐々に減らしていく。口火を切るのは前衛たちだが、実際には俺とエレオノーラの呪文になるだろう。
特に他の意見は無かったので、早い段階でエレオノーラが炎刃の呪文をフーとジャンに掛けた。その呪文が唱え終わった所で、俺が解呪を唱えながら前に出て行く。
「行くぞ。止まるのを忘れるな」
「応! 偽装突撃だな!!」
「「……」」
フーとジャンがホムンクルスと共に走っていく。
だが途中で止まり、敵の目を引き付けつつホムンクルスの合流を待った。そして俺達も遅れてその場所に辿り着き、見えた光景が予想と違わないことに満足する。敵は突如現れた俺達に混乱しつつも、ひとまず体の大きなホムンクルスへと精霊を向けていた。
そして俺が解呪を唱え終わったのがこの時、後から唱え直したエレオノーラが僅か後に火球の呪文を行使したのである。
「解呪成功だ! 構わねえからやっちまえ!」
「エレオノーラは以降待機! 対抗呪文を使ってくれ!」
「リシャールは前の二人を援護。端っこから撃ちこむくらいでいい!」
「精霊が居なくなったから倒し放題だ! 手前の奴を倒したら、頭を探して潰しに行くくらいでいいぞ!」
予定通りに精霊二体が退散する。道を塞いでたのでやり易くなった。
後は全員でこの場に居る敵を倒すか、あるいは隊長格を見つけて狙い撃ちにするくらいで丁度良いだろう。どちらかと言えば、活躍を期待するのではなく……増援が来る前に片付けられるかの方が問題だった。
俺は呪文を唱えるよりも、この場に居る洞穴エルフの数にこそ注目する。そしてその途中で、ブーのニヤリとした顔に気が付いた。
「どうした? 景気が良さそうだな」
「さっき言ってた増援。また精霊になりそうヨ。学習してないアル」
「なんだそりゃ? 解呪を理解してないのか? ……一撃で倒されたと思ってるってか? ならこのまま行けそうだな。後は頼むわ」
どうやら奥から精霊のお代わりが来たらしい。
こっちの移動を先制して探知し、先に送り込んだのでなければ、本格的にド素人の様だ。召喚魔法の解除に気が付かずに、倒されたと思って改めて呼んだのだろう……まあ、最初から三体呼んでいて、手元に一体残していた可能性もあるか。
こうなってくると敵のトップ層の一人が精霊召喚に特化した奴である可能性が高まって来た。長は何処の部族でも強いものだが、そいつの手の内が判っただけでもありがたい。戦いのド素人であり、見付け難い野外で出逢ったのではなく、いつか見つけ出せる地下で出逢ったのは幸運であるとも言えるだろう。ブーの奴が笑う訳である。
「……おそらく抗争だが病気で先代達が死んだな。さっさと片付けて撤収するぞ!」
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