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「貴方が華に持っていた怒りはね、嫉妬って言うの」
「藍が華に嫉妬なんてする訳ないじゃんw!」
ゆっくり話すハナさんと、唾を飛ばしながら叫ぶ藍
美しい方を判断するには簡単過ぎる
「醜い者ってどうして美しい者を嫌うんだろうね。藍ちゃん」
「は?知る訳ねーしっ!きっと美人は性格悪いからでしょw」
「ふふっ美しい人を非難する人って、そう言うよね…その人の方が性格悪いからそう言ってるのに気付いてないの」
「は?意味分かんねー事言ってんじゃねーよ!早く離せ!」
ハナさんが言っているのは正論だ
それを藍は認めない
認めたら自分が勝てないから
美人でもなくて性格も悪いなんて救いようがない
それを藍は分かっているから認められないんだ
正直、そんな奴ばっかだ
だから藍に異論を言えないんだ
藍の気持ちが分かるから
「美しいから、多少悪口を言われるくらい我慢しろって思ってるの?
美しくても、そうじゃなくても悪口は悪口なのに…」
「うるさいうるさいうるさい!早く解放してよ!藍は何も悪い事してないんだからっ!」
「みんな勘違いしてるみたいだけど、嫉妬をしてる人は負けではないの」
「え?」
嫉妬は明らかに負けの感情だと思っていた敦も驚いた
「その気持ちを自分に向けて努力したら、もっと納得のいく自分になれるチャンスなのに
多くの人は人のせいにして相手に負の感情をぶつけるんだよね。
それで勝った気になってるの。自分は何も変わってないのに…ううん。以前より醜い表情になっている事にも気づいてない」
最もだ。他人を蹴落として順位が変わる事もあるかもしれないが、自分自身は何も成長していないのだから
「1度でも嫉妬の感情を人に向けてしまうとね、醜くなっていくだけなのに、変えられないみたい
楽だから…」
ハナさんは遠くを見るようにそう言った
「何なの?おばさん。娘がバスケ部辞めて狂っちゃってんじゃん!付き合ってらんない!早く解放してよっ!」
「藍!」
「ふふっ。そうかもね。いっぱい話し過ぎちゃった」
ハナさんはどうしたいんだろう
藍が華にした事を認めて謝罪させたいのかと思っていた
でもそうしない事を知っているようだ
それでも腹を立てる訳でもなくて
「じゃ…ここから本題ね」
「は?藍が悪くないんだから離せよっ!」
「藍が喋るから進まないんだろ」
「敦!なんなの?助けてよ!藍悪くないって分かったでしょ!」
「おまえは悪いよ。華を追い詰めたのは、おまえだって、オレでも分かるし
オレが華にフラれたのだって気に入らなかったんだろ…それがあったから、自分が彼女になれたのに、勘違いしてんだよ…多分」
「はぁ?敦が華にフラれ無かったら藍と付き合ってないって事っ?あり得なくない?」
「どう考えてもそうだろ。って言うか、それが分かってたから、華を気に入らなかったんじゃないのか?」
「申し訳ないけど…本題に入らせてもらって良いかな?」
「あ!すみません。つい…」
「敦!後で見てろよっ!今の言葉絶対後悔させてやるから!」
「ふふっ後があると良いけど…」
「え?」
「は?」
ハナさんはしゃがんで藍と目線を合わせた
「華はね、一生貴方の気持ちが分からないの。
だって、貴方の気持ちって嫉妬でしかないから
嫉妬って、持ってる者は持てない感情なの。
持てない者しか知らない感情。」
「は?何言ってんの?ww」
「華はおまえの欲しい物を沢山持ってるんだろ。だから嫉妬なんて気持ち分からないんだよ
おまえは欲しくて欲しくて欲しくて華を追い詰めたんだよ。嫉妬以外の何物でもない」
「藍の方がいっぱい持ってるに決まってんじゃん!彼氏も友達もいるんだから!嫉妬してるのは華の方じゃね?」
「力ずくで作った偽物ばっかだろ。華はそんなモン欲しくねーんだよ。だから助けを求めて断られても、相手を責めるような事しなかったんだ…」
言って敦は泣いていた。どんなに辛かったんだろう
そして華の心の強さが、あまりにも眩しく思えた
「敦くん、ありがとう。
それで、華はね、藍ちゃんに辛い思いさせたいとも思っていないの」
「!」
嘘だろ?自分を追い込んだ奴を恨んでもいないのか?
「藍ちゃんには全く分からないでしょ?だって人を傷つけないと生きていけないんだもの。心が醜い貴方には、美し過ぎる華の心は一生分からない」
藍は華に敵うはずないんだ
見た目だけじゃなく、心だけでも圧倒的に敵わない
「じゃ…なんで……」
「だから貴方にはね、私の気持ちなら分かってもらえるかもしれないと思って………」
真っ直ぐ藍を見て微笑んだハナさんは美しかった
怖いはずなのに、そこには母親の愛情が見えたからかもしれない
でもきっとこの先は恐ろしい事が待ってる気がして、敦は固唾を飲んでゆっくり一歩後退った
「藍が華に嫉妬なんてする訳ないじゃんw!」
ゆっくり話すハナさんと、唾を飛ばしながら叫ぶ藍
美しい方を判断するには簡単過ぎる
「醜い者ってどうして美しい者を嫌うんだろうね。藍ちゃん」
「は?知る訳ねーしっ!きっと美人は性格悪いからでしょw」
「ふふっ美しい人を非難する人って、そう言うよね…その人の方が性格悪いからそう言ってるのに気付いてないの」
「は?意味分かんねー事言ってんじゃねーよ!早く離せ!」
ハナさんが言っているのは正論だ
それを藍は認めない
認めたら自分が勝てないから
美人でもなくて性格も悪いなんて救いようがない
それを藍は分かっているから認められないんだ
正直、そんな奴ばっかだ
だから藍に異論を言えないんだ
藍の気持ちが分かるから
「美しいから、多少悪口を言われるくらい我慢しろって思ってるの?
美しくても、そうじゃなくても悪口は悪口なのに…」
「うるさいうるさいうるさい!早く解放してよ!藍は何も悪い事してないんだからっ!」
「みんな勘違いしてるみたいだけど、嫉妬をしてる人は負けではないの」
「え?」
嫉妬は明らかに負けの感情だと思っていた敦も驚いた
「その気持ちを自分に向けて努力したら、もっと納得のいく自分になれるチャンスなのに
多くの人は人のせいにして相手に負の感情をぶつけるんだよね。
それで勝った気になってるの。自分は何も変わってないのに…ううん。以前より醜い表情になっている事にも気づいてない」
最もだ。他人を蹴落として順位が変わる事もあるかもしれないが、自分自身は何も成長していないのだから
「1度でも嫉妬の感情を人に向けてしまうとね、醜くなっていくだけなのに、変えられないみたい
楽だから…」
ハナさんは遠くを見るようにそう言った
「何なの?おばさん。娘がバスケ部辞めて狂っちゃってんじゃん!付き合ってらんない!早く解放してよっ!」
「藍!」
「ふふっ。そうかもね。いっぱい話し過ぎちゃった」
ハナさんはどうしたいんだろう
藍が華にした事を認めて謝罪させたいのかと思っていた
でもそうしない事を知っているようだ
それでも腹を立てる訳でもなくて
「じゃ…ここから本題ね」
「は?藍が悪くないんだから離せよっ!」
「藍が喋るから進まないんだろ」
「敦!なんなの?助けてよ!藍悪くないって分かったでしょ!」
「おまえは悪いよ。華を追い詰めたのは、おまえだって、オレでも分かるし
オレが華にフラれたのだって気に入らなかったんだろ…それがあったから、自分が彼女になれたのに、勘違いしてんだよ…多分」
「はぁ?敦が華にフラれ無かったら藍と付き合ってないって事っ?あり得なくない?」
「どう考えてもそうだろ。って言うか、それが分かってたから、華を気に入らなかったんじゃないのか?」
「申し訳ないけど…本題に入らせてもらって良いかな?」
「あ!すみません。つい…」
「敦!後で見てろよっ!今の言葉絶対後悔させてやるから!」
「ふふっ後があると良いけど…」
「え?」
「は?」
ハナさんはしゃがんで藍と目線を合わせた
「華はね、一生貴方の気持ちが分からないの。
だって、貴方の気持ちって嫉妬でしかないから
嫉妬って、持ってる者は持てない感情なの。
持てない者しか知らない感情。」
「は?何言ってんの?ww」
「華はおまえの欲しい物を沢山持ってるんだろ。だから嫉妬なんて気持ち分からないんだよ
おまえは欲しくて欲しくて欲しくて華を追い詰めたんだよ。嫉妬以外の何物でもない」
「藍の方がいっぱい持ってるに決まってんじゃん!彼氏も友達もいるんだから!嫉妬してるのは華の方じゃね?」
「力ずくで作った偽物ばっかだろ。華はそんなモン欲しくねーんだよ。だから助けを求めて断られても、相手を責めるような事しなかったんだ…」
言って敦は泣いていた。どんなに辛かったんだろう
そして華の心の強さが、あまりにも眩しく思えた
「敦くん、ありがとう。
それで、華はね、藍ちゃんに辛い思いさせたいとも思っていないの」
「!」
嘘だろ?自分を追い込んだ奴を恨んでもいないのか?
「藍ちゃんには全く分からないでしょ?だって人を傷つけないと生きていけないんだもの。心が醜い貴方には、美し過ぎる華の心は一生分からない」
藍は華に敵うはずないんだ
見た目だけじゃなく、心だけでも圧倒的に敵わない
「じゃ…なんで……」
「だから貴方にはね、私の気持ちなら分かってもらえるかもしれないと思って………」
真っ直ぐ藍を見て微笑んだハナさんは美しかった
怖いはずなのに、そこには母親の愛情が見えたからかもしれない
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