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華のママだって?嘘だ……と思いたい
でもそう言われてみれば
確かに微笑んだ顔は似ているとも思えた
藍も驚きで動きを止めた
と言うより固まっている
「ふふっそれじゃ、はじめましょ」
ハナさんがそう言うと、奥の部屋から2人の男女が出で来た
「!」
「ななな…何する気っ?」
2人は顔に火傷の跡があり、
何も喋らないまま敦の手元から藍を連れ、隣の部屋へ引きずって行こうとしている
「止めてっ!離せよっ!」
藍が全力で抵抗している
どういう事なんだ?訳が分からない
「ちょっと待って!…どういう事だよっ?なんで…」
誰が悪いのか分からないが、藍を連れ去ろうとする行為を悪と思ったのか、敦が2人組を止めようと動いた時
「敦くん…華ね、バスケ部やめたんだよ」
ボソリと言うハナさんの言葉に動きを止められた
「え………………なんで………?」
ハナさんを見て、藍を見た
何で藍は敦に言わなかったのか
もしかして………
「違う!敦!勝手にやめたんだよ!藍は関係…」
隣の部屋へ消えて行った
「藍ちゃんに聞いてみようか?
あの2人はね、ここに住んでる昔からの知り合いなの」
そう笑ったハナさんはやっぱり美しかったのに
瞳には何も映ってはいないようだった
「止めてっ!離せよっ!」
薄暗い寝室
ダブルベットの柵に後ろ手を縛られて、藍が暴れている
住人と言っていた2人は、無言で壁側に立っていた
改めて見ると、この部屋の雰囲気にピッタリだった
藍をこうしたのは、この2人なのだろう
「藍ちゃん、華は何でバスケ部を辞めたのか、教えてくれる?」
「知らねーよ!勝手にみんなに嫌われて辞めたんだろっ!」
「藍……」
「敦!違うから!こんなババアに騙されないでっ!」
きっとそうだ…華がバスケ部を辞めたのは…
「じゃあ質問を変えるね。何で華を嫌いなの?」
「は?嫌ってないから!勝手に華がそう思い込んでるだけ!むしろ華の方が藍の事嫌ってたんじゃないっ?」
「藍…おまえ…」
「敦!本当に違うから!」
「じゃあ何でオレに華が辞めた事…言わなかった…?」
「言う必要ある?華が辞めたってだけなのに、わざわざ敦に知らせないといけない訳?」
「華ね。体育館に行くともどしちゃってたんだって。
でもみんなに分からないようにトイレで吐きながらバスケ部続けてたの…」
「藍関係ないじゃん!勝手に気持ち悪くなって吐いてるんだから!」
「周りのみんなも、華の事分かってくれてはいたみたいだけど、怖いから逆らえないって、誰も味方にはなってくれなかった………本当に言ったんだって…怖いから逆らえないって…」
「そんなの華がみんなから嫌われてたってだけでしょ!」
「黙れよ!」
「華がバスケ部をやめる時、学校にも言ったの
でもみんな藍ちゃんが怖くて本当の事を言ってくれる人がいなかったのね
だからただ華がやめるってそれだけ…」
「酷い…」
「敦違うの!みんなに聞いてよ!」
「華は…大丈夫なんですか…?」
「ありがとう敦くん。おかげさまで、バスケ部を辞めて、そこから離れたら、体調は戻ったの。
心の傷はまだ…あるだろうけど……
ふふっ…華の体調を気遣ってもらったの…初めて」
だって敦は知っている。藍から追い詰められる恐怖と圧力
みんなも自分を守るのに必死だったんだろう
敦は怒りを覚えた
「藍…おまえ…」
「違う!藍はそんな事…」
「してるだろっ!オレにだって!」
華はあの圧力を受け続けたんだ
いや、おそらく敦が受けた以上のそれだ
逃げ場も救いもない状態で
きっと華が悪く無くても、揚げ足を取って、そして周りにまで風聴したに違いない
「華はバスケがやりたかったから、我慢し続けちゃったみたい…誰の事も責めずに身体を壊しちゃった…
誰の事も傷つけたくないんだって……親バカかもしれないけど……心まで綺麗過ぎるでしょ……ふふっ」
「…………」
華はどんなに辛かったんだろう
そしてハナさんだって…
「藍ちゃんが、なんで華を嫌いなのか、私は知ってるの。でもきっと認めない。そう言う人達を私はいっぱい見て来たから」
おそらくハナさんも嫉妬や妬みを受けて来たのだろう
藍と会話した時の落ち着きは、普通の人とは違った
「だから違うって言ってんだろ!娘がバスケ部辞めたのを人のせいにしてんじゃねーよっ!」
「藍いい加減にしろって!おまえは気に入らなかったんだろ!可愛くて人気者の華を!自分が1番じゃなきゃ許せ無かったんだよっ!
自分の思い通りじゃないと許せないんだよっ!そんな容姿でも実力もない癖に!」
「敦!酷い…」
今までの敦の鬱憤も全てぶつけてやる
彼氏だけならまだしも、可愛いってだけで華を追い詰めるなんて、そんな酷い女だったなんて
「藍ちゃん…残念だけど、華はね、貴方の気持ちが分からないの。でもそう言う人達をいっぱい見て来た私が貴方に教えてあげるね」
「は?いらないしっ!」
「うん。否定し続ければ良い。その度に醜くなっていくから」
「藍が醜い訳ないじゃんっ!」
そう叫んでいる藍はとても醜くかった
でもそう言われてみれば
確かに微笑んだ顔は似ているとも思えた
藍も驚きで動きを止めた
と言うより固まっている
「ふふっそれじゃ、はじめましょ」
ハナさんがそう言うと、奥の部屋から2人の男女が出で来た
「!」
「ななな…何する気っ?」
2人は顔に火傷の跡があり、
何も喋らないまま敦の手元から藍を連れ、隣の部屋へ引きずって行こうとしている
「止めてっ!離せよっ!」
藍が全力で抵抗している
どういう事なんだ?訳が分からない
「ちょっと待って!…どういう事だよっ?なんで…」
誰が悪いのか分からないが、藍を連れ去ろうとする行為を悪と思ったのか、敦が2人組を止めようと動いた時
「敦くん…華ね、バスケ部やめたんだよ」
ボソリと言うハナさんの言葉に動きを止められた
「え………………なんで………?」
ハナさんを見て、藍を見た
何で藍は敦に言わなかったのか
もしかして………
「違う!敦!勝手にやめたんだよ!藍は関係…」
隣の部屋へ消えて行った
「藍ちゃんに聞いてみようか?
あの2人はね、ここに住んでる昔からの知り合いなの」
そう笑ったハナさんはやっぱり美しかったのに
瞳には何も映ってはいないようだった
「止めてっ!離せよっ!」
薄暗い寝室
ダブルベットの柵に後ろ手を縛られて、藍が暴れている
住人と言っていた2人は、無言で壁側に立っていた
改めて見ると、この部屋の雰囲気にピッタリだった
藍をこうしたのは、この2人なのだろう
「藍ちゃん、華は何でバスケ部を辞めたのか、教えてくれる?」
「知らねーよ!勝手にみんなに嫌われて辞めたんだろっ!」
「藍……」
「敦!違うから!こんなババアに騙されないでっ!」
きっとそうだ…華がバスケ部を辞めたのは…
「じゃあ質問を変えるね。何で華を嫌いなの?」
「は?嫌ってないから!勝手に華がそう思い込んでるだけ!むしろ華の方が藍の事嫌ってたんじゃないっ?」
「藍…おまえ…」
「敦!本当に違うから!」
「じゃあ何でオレに華が辞めた事…言わなかった…?」
「言う必要ある?華が辞めたってだけなのに、わざわざ敦に知らせないといけない訳?」
「華ね。体育館に行くともどしちゃってたんだって。
でもみんなに分からないようにトイレで吐きながらバスケ部続けてたの…」
「藍関係ないじゃん!勝手に気持ち悪くなって吐いてるんだから!」
「周りのみんなも、華の事分かってくれてはいたみたいだけど、怖いから逆らえないって、誰も味方にはなってくれなかった………本当に言ったんだって…怖いから逆らえないって…」
「そんなの華がみんなから嫌われてたってだけでしょ!」
「黙れよ!」
「華がバスケ部をやめる時、学校にも言ったの
でもみんな藍ちゃんが怖くて本当の事を言ってくれる人がいなかったのね
だからただ華がやめるってそれだけ…」
「酷い…」
「敦違うの!みんなに聞いてよ!」
「華は…大丈夫なんですか…?」
「ありがとう敦くん。おかげさまで、バスケ部を辞めて、そこから離れたら、体調は戻ったの。
心の傷はまだ…あるだろうけど……
ふふっ…華の体調を気遣ってもらったの…初めて」
だって敦は知っている。藍から追い詰められる恐怖と圧力
みんなも自分を守るのに必死だったんだろう
敦は怒りを覚えた
「藍…おまえ…」
「違う!藍はそんな事…」
「してるだろっ!オレにだって!」
華はあの圧力を受け続けたんだ
いや、おそらく敦が受けた以上のそれだ
逃げ場も救いもない状態で
きっと華が悪く無くても、揚げ足を取って、そして周りにまで風聴したに違いない
「華はバスケがやりたかったから、我慢し続けちゃったみたい…誰の事も責めずに身体を壊しちゃった…
誰の事も傷つけたくないんだって……親バカかもしれないけど……心まで綺麗過ぎるでしょ……ふふっ」
「…………」
華はどんなに辛かったんだろう
そしてハナさんだって…
「藍ちゃんが、なんで華を嫌いなのか、私は知ってるの。でもきっと認めない。そう言う人達を私はいっぱい見て来たから」
おそらくハナさんも嫉妬や妬みを受けて来たのだろう
藍と会話した時の落ち着きは、普通の人とは違った
「だから違うって言ってんだろ!娘がバスケ部辞めたのを人のせいにしてんじゃねーよっ!」
「藍いい加減にしろって!おまえは気に入らなかったんだろ!可愛くて人気者の華を!自分が1番じゃなきゃ許せ無かったんだよっ!
自分の思い通りじゃないと許せないんだよっ!そんな容姿でも実力もない癖に!」
「敦!酷い…」
今までの敦の鬱憤も全てぶつけてやる
彼氏だけならまだしも、可愛いってだけで華を追い詰めるなんて、そんな酷い女だったなんて
「藍ちゃん…残念だけど、華はね、貴方の気持ちが分からないの。でもそう言う人達をいっぱい見て来た私が貴方に教えてあげるね」
「は?いらないしっ!」
「うん。否定し続ければ良い。その度に醜くなっていくから」
「藍が醜い訳ないじゃんっ!」
そう叫んでいる藍はとても醜くかった
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