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29話 淡い夏休み⑥ ※中R18

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二人で外出した次の日は、一緒にポプリを作ったり、ノアディアに貰った花を一輪選んで押し花にしたり、思い返せば若い女の子が好む様なことをしてしまった。・・・最近の俺はどうかしている。

このままではいけないと、その日以降俺は魔法の習得や課題に熱心に打ち込むようにした。
ノアディアは俺が困っている時、お願いしてもいないのに手助けをしてくるが、それ以外はずっと何かの小説を読んでいる。


一体どんな本を読んでいるのだろうか。全然予想がつかず、気になってしまう。


「なあ、いつも何読んでるんだ?」


本を取り上げて内容を確かめようとする。冒険系か?ミステリー系か?熱中する程面白いのか?疑問が尽きない。

「ラ、ライ。ダメですよ。返して下さい。」

しかし、いつものノアディアらしくなく狼狽うろたえて返却を求めてくる。

本をちょっと見られるってだけなのに焦り過ぎじゃないか。何書いてあるんだ?



────喘ぎ声が止まらない。大きな陰茎が何度も何度も俺を貫く。蕾の中の気持ちの良い場所を探されてはそこを刺激され────



「!!??」

官能小説!?しかもこれ、男同士のだよな!?どこで買ったんだよ!!??

「返す!!」

本をノアディアに押し付ける。

「俺の部屋で読むなよ!何考えてんだ!」

しかも俺が一生懸命勉強している時にこんな物読みやがって。嫌がらせなのか!?

「ライはこういった事に関心はないのですか?」

「なっ・・・、な・・・。」

あまりにもデリカシーの無い質問に声が震える。

「何て事聞いてくるんだよ!非常識だぞ!」

人並みに興味はあるし、最近抜いたりはしているが・・・聞いてくるなよそんな事。答えられる訳無いじゃないか。

お前の事で抜い・・・いや、違う。絶対、それは違う。

「私はこういった事に今まで興味なかったのですが、最近とても気になってしまって、読み始めてみたのですよ。・・・初めてする時、負担を掛けたくはありませんからね。」

だからといってチョイスがおかしいだろ。男同士のしか売ってなかったのかよ。ここ乙女ゲームの内容に似ている世界じゃないのかよ。男女の恋愛本や官能小説はどこいったんだ。

まあ、それは置いといて・・・

「意外だなー、童貞だったなんて。」

挑発するように耳元でささやく。

いい事知れたな。これはいじれるぞ。ノアディアの完璧じゃない部分を見つけられて一人ほくそ笑む。

にしても童貞か。ほう、ならばこの俺が指南してやろうか?前世の知識舐めるなよ!まあ経験など無いけどな!
頭を下げて頼むのならば、俺の知識を伝授してやらないこともない、なんてな。





「俺が教えてやろうか?」

冗談めかしてそう言った途端、ノアディアは俺の顎を持ち上げ、抵抗する間もなく口を塞いできた。

「っんむ!?」

顔を逸らしてノアディアの唇から逃げる。

「んあっ。」

だが、頬と腕を抑えられてしまい、今度は深いキスをされる。

クチュ。

んなっ、やめろ、舌を入れるな・・・。

舌を絡めて優しく口の中を蹂躙じゅうりんされる。未知の感覚に戸惑い、上手く息が吸えない。

クチュ、チュ。パッ・・・。

ノアディアの唾液と俺の唾液が混じり合い、いやらしい音を立てる。俺の舌をノアディアがむさぼる音で、鼓膜が震える。

息が・・・出来ない。

快楽で涙目になってしまう。

それを見たら嬉しそうに、欲望の眼差しを向けてより深く口付けをしようとする。

苦しさと気持ち良さで涙を零してしまったら、ノアディアはやっと唇を離してくれた。だが、小声でタイムアウトと言ったのを俺は聞き逃さなかった。





────時間停止魔法、使って何してたんだ・・・。

「ん、はぁっ、はぁ・・・。う、ぁっ・・・。」

「・・・。」

クタッ。っとノアディアにもたれ掛かる。
すると今度は優しくキスをされた。慈しむ様なキスを。

「んぁ・・・。なんで・・・。」

「教えて下さると言ったので・・・お言葉に甘えました。ですが・・・。」

俺を抱き寄せて頬にキスを落とす。

「激しすぎましたね、申し訳ございません。」

「ふざ、けるな、あれは実践で教えるって意味じゃない・・・俺のセカンドキス返せよ・・・。ついでにファーストキスも。」

「安心して下さい、今まで接吻せっぷんをした事のある相手はライしかいませんから。」

何の安心だよ・・・。

「それに私の精神的には今のがファーストキスです。」

「ああ、そういえばあの時意識無かったっけ、ノアディア・・・。」

「はい。とても・・・とても悔しい事に・・・。」

「何で悔しがるんだ・・・んっ。」

またキスをされた。

「いい加減やめろ!」

あまりにも激しくキスをしてきやがったので、いつの間にか勃ってしまっていた。バレてないよな。下を見るなよ。

「そうですね・・・。これ以上してしまうと、一週間は私の部屋に監禁して・・・・し続けてしまう可能性があります。流石に快楽で壊れてしまいますね・・・せめて三日ならばライも耐えられるかもしれませんが・・・。」

何言ってんだよ。
勃ってしまった所を手で隠す。

「ライ、もしかして────。」





そう言ったノアディアにベッドへ押し倒されてしまった。まさか・・・いや、絶対に勃起してしまったのがバレた。

「ふーっ、フー・・・。」

ノアディアの息が荒々しい。動揺してその場で見詰めていると、急に頬を撫でられた。

「んああ゛っ!?」

頬を触られただけなのに、物凄く気持ちいいっ・・・。嫌だ、何だよこれぇっ。

「ライ、早く・・・この場から離れて下さい・・・。これ以上、耐えるのは・・・。苦しいです。フー・・・。」

「あっ、でも・・・ぉ、おれ、動けな、いっ。」

呂律が回らない。何だこれ、何だこれ。

「私の番・・・。ああ、私のせいで発情してしまったのですね・・・。ハァー、フー・・・。」

目に生気がない。このままノアディアのそばにいてはまずいと第六感が警告している。

「し、しっぱいしても・・・どうにかなるか、な・・・タイムアウト・・・。」

ここから逃げるには、もう時間を止めるしか方法は無かった。
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