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三話 晩秋
しおりを挟む腹が減って仕方無え
冬毛が痒い
水場に行きゃあ何か喰えるかもしれねえ
ここいらは木こりの男が一人いるばかりだ
あれでも幾らか腹の足しにはなるだろうが
おお、女がいる。若くて柔そうだ
喰らおうと近づいたそのとき、あの木こりが荷ぐるまか何かをぶつけてきやがった。
おれは腹が減って腹が立って、木こり男を引き裂いてやろうとしたが、荷ごと何べんも何べんも、しつっこくぶつけて来るやら、鉈を向けてくるやら。
胸ぐらを削いで喰おうとしたが、爪で引っ掻いただけになっちまった。はらへってちからがはいらねえ
腹が減っては戦はできぬというだろ
おれは無性に面倒くさくなってきた
わかったわかった、しつけえしつけえ
あちこち痛え、退散、退散
ちょっとやすむか
はらが減ってしかたねえ
毛がかゆい
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