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プロローグ
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「他国の王太子殿下との婚約を無断で破棄し、それに加え国への損害を与えるとは言語道断。期待をしておった娘ではあったが、まさかここまで使えぬ奴だとは……よってリーゼ・ラルフハルトは王位継承権の剥奪、および即刻王家からの追放を命ずる」
そんな国王の命に誰しもが驚き声を出せずにいた。謁見の間は静寂に包まれ、何一つ物音がすることはなかった。王位継承権の剥奪に加えて、実質王家からの追放、いやこの国自体からの追放を意味する。こんな事例は過去に遡ったとしても前代未聞。
「で、ですが父上! 私は縁談の話も国への損害も与えたつもりは!」
「痴れ者が!! お主はもう王家の人間ではない。減らず口を叩くようなら、即刻処刑とする」
「父上聞いてください。ですから――」
「口を閉じよと言っている!!」
「父上!!」
「くどい、くどいくどいくどい!! 衛兵、すぐさまその者を捕らえ、地下牢に投獄せよ!!」
「はっ!」
父上を守護していた近衛兵達が一斉に動き出した。
まさか……こんなことになるなんて。
この日、私ことリーゼ・ラルフハルトは国中から【悪逆姫】と呼ばれる事となったのだ。
そんな国王の命に誰しもが驚き声を出せずにいた。謁見の間は静寂に包まれ、何一つ物音がすることはなかった。王位継承権の剥奪に加えて、実質王家からの追放、いやこの国自体からの追放を意味する。こんな事例は過去に遡ったとしても前代未聞。
「で、ですが父上! 私は縁談の話も国への損害も与えたつもりは!」
「痴れ者が!! お主はもう王家の人間ではない。減らず口を叩くようなら、即刻処刑とする」
「父上聞いてください。ですから――」
「口を閉じよと言っている!!」
「父上!!」
「くどい、くどいくどいくどい!! 衛兵、すぐさまその者を捕らえ、地下牢に投獄せよ!!」
「はっ!」
父上を守護していた近衛兵達が一斉に動き出した。
まさか……こんなことになるなんて。
この日、私ことリーゼ・ラルフハルトは国中から【悪逆姫】と呼ばれる事となったのだ。
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