私のことを追い出したいらしいので、お望み通り出て行って差し上げますわ

榎夜

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314話

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そんなことを話しているうちに、学園に到着しましたわ。

ちなみに、王族の家紋が入った馬車というのはそれだけで注目されますし、カイン様とエリザベート様が登校する時は皆が足を止めてカイン様達が通り過ぎるまで通路の端の方に寄る、という暗黙の決まりがあります。

私も普段は通路の端に寄ってカイン様達が通り過ぎるまで待っている、という普通の令嬢側だったわけですが、今日はそんなわけにもいきませんわよね。

ここまで一緒に馬車に乗っていたのに、今更になって別々だなんて.......いや、そもそも馬車から私が降りて来る、という時点で皆も違和感に気付くでしょうけど。

そう思いながらカイン様、エリザベート様の順で馬車を降りる様子を眺めていましたわ。

はぁ......皆の注目がなくなってから私だけ降りる、というのは出来ないんでしょうか?

そうじゃなくても久しぶりの登校ということで何かと目立ってしまうでしょうし.....。

なんて思っていると、エリザベート様が制服を整えたのを確認したカイン様が

「セリスティア嬢」

そう言ってスッと私の前に手を出してきましたわね。

これは......まぁ、当然ながら断れるわけがありませんわよね。

覚悟を決めた私は、心の中で大きくため息をつきながら

「お手をお借りしますわ」

と言って馬車から降りると、案の定通路の端に寄っていた子息令嬢たちの視線は一気に私に向きましたわ。

そして、一緒に来たのが私だ、とわかったんでしょう。

ザワザワと一気に騒がしくなりましたわね。

一応私の耳に届いた声は色々ありましたが、大きく分けると

「なぜ殿下達と一緒にセリスティア様が?」

という声と

「隣国にいたはずでは?」

という声。

そして

「どうやって殿下達に取り入ったのか」

という3つの声に分けられますわね。

まぁ、なぜ私のようなただの侯爵代理が殿下達と一緒にいるのか、と不思議に思っている声がほとんどとはいえ、殿下達に取り入ったのか、と騒がれるのはなんだか腹が立ちますわ。

とはいえ、そんなことを話す人は公爵子息令嬢がほとんどですけど。

自分よりも爵位の低い私がカイン様達と一緒にいるのが気に食わない、という感じなんでしょうね。

なんて思いながらチラッとカイン様達に視線を向けると、当然ですが私の耳に入ってくる声はカイン様もエリザベート様も聞こえていて、不愉快そうに眉間に皺を寄せていますわ。

そして、皆から注目を集めている中、カイン様は

「別に俺たちが誰と仲良くしていようが関係ないのに騒がしい奴ばかりだな」

わざとらしく大きくため息をつくと同意を求める様にエリザベート様に視線を向けましたわ。

ただ、流石にそれは言い過ぎなのでは?と思った私は、エリザベート様だったらカイン様を諫めてくれるだろう、と期待を込めて視線を向けると

「本当ですわ!私たちに取り入った、だなんて馬鹿げた考えを持つから自分は相手にされない、とわかっているんでしょうかね」

なんと、エリザベート様までカイン様と同様に嫌味たっぷりで私を睨んでいる公爵子息令嬢たちに視線を向けたではありませんか。
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