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312話
しおりを挟む我が家から学園まで約1時間。
その間、私は昨日王宮から帰った後に起こった出来事を愚痴を言うかのようにカイン様とエリザベート様にお話をしましたわ。
昨日、お屋敷に帰ると叔父様が勝手に子爵家から荷物を運んでいたこと。
そしてその荷物をお父様とお母様が使っていた寝室や私が使っている書斎に運んでいたこと。
それから、それらの荷物は子爵家から家具や調度品を盗んで持ってきているので、中には家紋が入ったものも存在するということ。
話の最後には、叔父様を荷物と共に追い出して、今はどこにいるかわからない、ということもしっかりと話しましたわ。
すると、カイン様は険しい顔をしながら
「まさか、そんなことになっていたとは.....」
と小さく呟きましたわね。
エリザベート様の方も綺麗な顔だというのに、眉間に皺を寄せて
「陛下やカイン様達の前では自分は心を入れ替えた。これからはセリスティア様の手助けをする、とハッキリ言って陛下から離婚の許可を貰っていましたのよ?」
と私に教えてくれましたわ。
なるほど......確かに私には保護者と呼べる存在がいませんし、私の手助けをする、と言われると陛下も離婚に許可をするかもしれませんわね。
きっと、あの2人の行動を見て、ではなく私のことを考えて陛下は判断したんでしょう。
はぁ.....まさかその結果が昨日の出来事に繋がるなんて誰も想像していませんし。
そう思いながら、エリザベート様の言葉に
「手助けどころか、侯爵家を乗っ取ろうとしていましたわよ」
と苦笑しながら言うと、カイン様もエリザベート様も私の苦笑につられてか、なんとも言えないような表情で苦笑をしましたわ。
すると、今まで私とエリザベート様の話を聞いていたカイン様が
「なぜ父上に子爵のことを言わなかったんだ?言った方が簡単に事が済むと思うが.......」
首を傾げながらそう聞いてきましたわね。
まぁ、そう思うのも当然ですわ。
だって、面倒なことにならないように、と行動するのが当然のことですし、頼った方が私自身被害が少ないのはわかりきっていることですもの。
正直、私もあの叔父様の相手をした時、陛下に頼るべきだった、と後悔したくらいですしね。
なんて思いながら首を傾げているカイン様に
「確かに陛下に言った方が面倒ごとにもならずに叔父様を追い出すことが出来たでしょうね。ですが、一応あのような人でもお父様の弟ですし.......出来ることなら自分で解決したいと思いましたの」
と言うと、カイン様は
「なるほどな」
とだけ言って、納得してくれたみたいですわ。
ただ、エリザベート様の方はまだ何か言いたそうな顔をしていたので
「まぁ、あのような行動に出るなんて思ってもいませんでしたが.....」
と付け加える様に言うと、カイン様もエリザベート様も私の言葉に頷きながら、ただただ苦笑していましたわ。
ただ、やっぱりカイン様たちとユーリ達とでは話す内容が違いますからね。
ユーリ達には完全に愚痴を言うような感じになるだけですが、カイン様達は解決策を相談することが出来る、と考えたらこうやって話す時間をもらえたのは感謝しかありませんわ。
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