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228話 アーリアside
しおりを挟む今、話をしておかないとお父様と話が出来なくなってしまう、となぜか判断した私は、みっともなく床に伏しているお母様を横目に、お父様が向かったであろう執務室へと急いだわ。
だって、さっきのお父様......離婚、とか言っていたわよね?
しかも、お母様が原因での離婚だって.........。
何よりも驚いたのは、お母様が平民達を囲って好き勝手にしていたのは知っているけど家のお金を横領?
それに、平民たちの生活を脅かした?
そ、そんなこと、いくら貴族でも許されることじゃないわよね?
そう思いながら、執務室へと向かうと、思った通りお父様が執務室の中に居たんだけど、何やら普段とは雰囲気が全く違って思い詰めているような、そんな顔をしていたわ。
そんなお父様に声をかけるのは気が引けたけど......仕方がないわ。
意を決した私は、恐る恐るだけど、なんとか
「お父様......」
と声をかけることが出来たわ。
すると、お父様は
「アーリアか」
と私を見てただただ一言だけ、呟いたんだけど、その表情は明らかに曇っていて、なぜか大きなため息までついていた。
な、何よ......。
なんだか私の姿を見てため息をつかれた、みたいな気がして、少し気分が悪いわ。
まぁ、今のお父様にそんなことを言ってしまうと、どう言われてしまうかわからないし、お母様のように捨てられてしまう可能性があるから何も言わないけどね。
執務室に入ってお父様に声をかけたものの、何を話すか決めていなかったからここからどうしようかしら.......。
この状況で無言なのはきつい、と判断した私は、なんとか会話の最初の部分を捻りだそうと考えたけど、なかなかいい答えが出て来なくて、黙り込んでいると
「その顔......話を聞いていたんだろう?」
私が無言でいたから気を遣ったんでしょうね。
お父様がそう言って、ジッと私の顔を見て来たわ。
ただ、そのお父様の表情はどこか生気のないというか........何を考えているのか全くわからない、無の表情をしていて、自分の父親に対してなのに、少し怖く感じるわね。
一体なにを考えているのかしら?
い、いや.....でも今はお父様の考えていることよりも、離婚の話について聞くのが最優先よ!
そう思った私は、心の奥底に恐怖心をグッと押し殺して
「り、離婚なんてしないわよね?だって、貴族の離婚というのは陛下の許可が必要だし、お父様は平民になってしまうんだもの!」
縋るような勢いでお父様にそう話しかけたわ。
言ってから気付いたけど、そうよ......そうよね。
貴族の離婚というのは色々と面倒だって聞いたことがあるわ。
しかも、お父様の場合はお母様と離婚してしまうと平民になってしまうわよね?
だったらそう簡単に離婚できないんじゃないの?
なんて思いながら、お父様を見つめると、私のあまりの勢いに最初は驚いた顔をしていたけど、すぐにさっきと同じように何を考えているのかわからない無表情になると、淡々とした口調でこう言ったわ。
「いや、離婚する」
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