私のことを追い出したいらしいので、お望み通り出て行って差し上げますわ

榎夜

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148話

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なんとか記憶の奥底に眠っているであろう当時のことを思い出そうとしますが、そう簡単に思い出せるわけもなく、伯母様の話を聞いてもただただ首を傾げることしか出来ませんでしたわ。

だって、いつ会ったのかもわかりませんし、きっと陛下とお話したのは私が物心の付く前ですわよね?

絶対に思い出せませんわよ。

なんて思っていると、コンコンという控えめなノックの音が聞こえてきましたわね。

返事をしようと息を吸ったのは良いですが、私が返事をする前に

「入っても良いわよー」

と伯母様が返事をしてしまいましたわ。

まぁ、別に誰が返事をしても良いんですけど.......。

ただ、今は一応私の部屋ですし、ちょっと.....とは思いますわよね。

なんて思いながら苦笑している間に、扉をノックした人が部屋の中に入ってきましたわね。

誰が入ってきたのか、と思って振り返ると、そこには伯母様の専属メイドが立っていて

「馬車の準備が出来ましたよ」

という声が聞こえてきましたわね。

その声に、扉の近くにいたユーリが急にハッとした顔をして、私の姿を上から下まで遠目ではありますがしっかりと確認をしていましたわ。

こんな状況でも、最後の確認を忘れることなくするのは流石としか言いようがありませんわね。

この様子だと、王宮から戻った時には普段通りに戻っているでしょう。

なんて呑気に思っているうちにも、伯母様はメイドに

「すぐに行くから玄関の前に付けておいてちょうだい」

と指示を出していますわ。

....ということは、すぐに出発するということですわね。

うーん.....気を張らなくても良いとは言っていましたが、やっぱり隣国の陛下と話す機会なんて今後はありませんから、どうしても緊張してしまいますわ。

どうにかして緊張を和らげようと深呼吸をしてみますが、全く変化はありません。

とはいえ、緊張を和らげる方法なんてわかりませんし、これはもう仕方のないことだ、と諦めるしかないのでは?

なんて思いながら、部屋を後にしましたわ。


伯母様の話曰く、公爵家から王宮までは約3時間ほどという短時間で向かうことが出来るみたいですわね。

流石、王族と関りが強いだけありますわ。

まぁ、その分苦労もするでしょうけど......国の大きなパーティーの時は楽そうですわよね。

えーっと.....隣国に行く、とカイン様に話をした時に、この国は王太子が決まっていないとのことで、今も誰が王になるのか争っている、と言っていましたわね。

なので、あまりそのような会話はしない方がいい、と頭に入れておきましょう。

それから.....私のことについて聞かれたときは全て話しても良いものなんでしょうか?

隣国の侯爵の話なんて興味ないですわよね?

なんて思いながら馬車に乗り込むと、私の様子がおかしいことに気付いたんでしょう。

伯母様が不思議そうな顔をして

「そんなに深刻そうな顔をしてどうしたの?」

と聞いてきましたわ。

ですが、流石に今考えているのを全て話すわけにはいかない、と判断した私は

「いえ、なんでもないですわ」

と答えましたが........このまま王宮に向かっても大丈夫なんでしょうか?

やっぱり緊張してしまいますわ。

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