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149話
しおりを挟む馬車に乗り込んで3時間が経過しましたわ。
つまり、そろそろ王宮に到着する時間、ということなんですが.......考えれば考えるほど緊張しかしないので、伯母様と他愛のない話をしながら過ごしていましたが、あっという間でしたわね。
ここにお茶とお茶菓子があったらまだまだ話足りないくらい、伯母様の話は本当に勉強になりますし、興味深いものばかりでしたわ。
改めて、話しの引き出しの多さにも感心しながら、ふぅ....と一息をついていると
「つい盛り上がっちゃったわね」
伯母様もひと段落が付いたことを察してくれたみたいで、そう話しかけてくれましたわ。
そんな伯母様に
「凄く楽しかったですわ。時間の制限なしに話したいくらいですわよ」
と言って微笑むと
「あら?帰りも私と話すのにそんなことを言っても良いのかしら?まだまだ沢山話すことがあるわよ」
そう言った伯母様は冗談半分、本気半分という感じで、私とまだまだ話をしたい、と言ってくれているみたいで、なんだか嬉しく感じますわね。
私の方も同じことを思っていたので嬉しいですわね。
帰りは何の話をしましょう.....。
私の方から話題を出さなくても伯母様から話題を沢山出してくれるので、たまには私の方から話題を出したいですわよね。
なんて思っていると
「あら、到着したわよ」
という伯母様の声で、反射的に窓の外を眺めましたわ。
すると、そこには見覚えのある王宮とはまた雰囲気の違うんですが、王様が住んでいる、という雰囲気が外観から伝わってくるような、立派な建物が見えましたわね。
何と言えばいいんでしょう.....この国の王宮が王様が住んでいます、という典型的な外観だとすると、我が家がある国の王宮が古くから大事にされている建物です、という....。
うーん.....表現が難しいですわね。
そう思いながら、ユーリに渡されていた手鏡で自分の髪の毛の確認をしていると、
「私たちだけだからエスコートとかはないけど大丈夫?」
と伯母様に聞かれましたわね。
これには反射的に
「もちろんですわ」
と答えましたが、エスコートがないのは当たり前のことですし......。
え?いや、もしかしてあるのが普通のことなんでしょうか?
今まで私に婚約者が居なかった、ということもあって、普段の生活の中でエスコート役がいないのは当然のことでしたし、どうしても必要な時は従者にお願いしていましたわ。
え.......もしかして非常識........。
なんて動揺している私には気付いていないみたいで、窓の外を見ながら続けて
「セリスティアはあちらの国の王宮には行ったことがあるの?」
と伯母様に聞かれたので、さっきまで頭の中にあった動揺を、素早く端の方に追いやって
「あー.....だいぶ昔ですが、一応ありますわ。ただ、本当に幼い頃でしたしあまり記憶にはありませんが.......」
そう言って苦笑しましたわ。
王宮にパーティー以外で行くのは本当に久しぶりですが、他の家にお邪魔するときとほぼ変わらないですわよね?
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