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142話 義父side
しおりを挟む俺の質問に対して、女たちはどのような答えが来るか想像していたんだろう。
悩むことなく
「そりゃあ、決まっています。お金が欲しいから、ですよ」
という返事が返ってきた。
ただ、金が欲しい、なんて答えを聞いてもやはり納得できるわけがない。
だって、金のことなら別に家の金を大量に使っているじゃないか。
それも俺が知らないうちにな。
なのに、まだ他にも金が必要だというのか?
そう思った俺は、女の言葉に思わず眉を顰めながら
「なんだと......?」
と呟くと
「領主様は知らないと思いますが、夫人は自分で家を持っているんですよ。それもバレないように、とお屋敷からだいぶ離れた領地の端の方に」
そう言った女はホールの窓から家が見えるのか、とある方向に視線を向けた。
視線の先にあるのは、とある平屋でユーミアが絶対に好まない外観をしていた。
これは.....もしこの話が本当だとしても、ユーミアがあの家にいるとは思わないだろうな。
だって、家の周りには何かの植物のツタが巻き付いていて、相当古い作りをしている、というのもあるしぱっと見、物凄く不気味だ。
正直あの家にいることが出来るなら子爵家が狭くて古い、と文句を言うのがあり得ないほど酷い外観をしている。
だからこそ、女の言っていることは本当だ、というのは伝わってくるんだがなかなか理解することが出来なくて、何を言うか言葉に詰まらせていると
「前に様子を見るために家の中を覗きましたが、家具は新しいものばかりでしたし食料も沢山ありました。きっと家のお金を使うと領主様にバレてしまうので私たちから搾取しているんだと思います」
隣で話を聞いていた女が補足するかのようにそう付け足してきたではないか。
えーっと......?つまりは内装と外観では全く違う、ということ.....だよな?
そして、その家具や食料は全て平民から奪い取っていったもの、またはそれを売って新しく購入したものだ、と。
そのようなふざけたことを領主の妻がしていたとは.......。
そう思った俺は、女たちの訴えに
「なんということだ..........」
と言うのが精一杯だった。
いや、それ以外に言うことがでいなかった、というのが正しいな。
本当に知らなかった、というのもあるが、平民の半数ほどが税金を払えない、と聞いて何も調べなかった俺も悪い。
まさか自分の妻が関係していたとは......。
思わず膝から崩れ落ちそうになるがグッと足に力を入れて下を向いている俺に、代表で話をしている女は
「その様子だと本当に何も知らなかったんですね」
意外そうな反応を示したが、当然じゃないか。
知っていたらもう少し奴の暴走を止めていたし、ここまで領地経営が圧迫されなかったんだ。
そう考えると自分のことしか考えていないユーミアの行動に怒りがこみ上げてきて、何かを思いっきり殴りたい衝動にかられた。
だが、今は領民たちがいるんだ。
そんなことをするわけにはいかないな。
とりあえず、
「あぁ........すまない」
とは言ったが、これからどのように対応するべきか......。
くそっ......面倒事ばかり俺に押し付けてきやがって!
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