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141話 義父side
しおりを挟む呆然と俺を見つめる領民たちの視線に少し心地よさを感じながら、俺は再び
「さぁ、話しとは一体なんだ?何もないなら戻らせてもらうが.........」
と辺りを見渡しながらそう言った。
すると、1人の女が焦ったように
「私から、全てお話させてください」
と一歩前に出てきたではないか。
こんなに大人数の中から、しっかりと手を上げて発言をする、ということは、この中でも結構上位の発言力を持っているんだろう。
となれば、最初からこの女と話をしておくのが良いか。
そう判断した俺は、手を上げた女を壇の下に呼んで、今回なぜこのような行動を起こしたのか、詳しく説明するよう指示を出した。
すると女が話をしてくれた内容は、俺が想像していた通り......いや、それ以上に衝撃的な内容で思わず
「そんなわけが.......っ!」
と動揺してしまったではないか。
だって、仕方がないだろう?
話しをしてくれた内容と言うのが、ユーミアが男の領民を片っ端から漁っている、という内容だったんだから。
元々、ユーミアが家にいない時点で浮気をしているというのは察していた。
だって、ここの領地に戻って来てから前以上に露出の高い服を着ていくようになったし、メイクも前以上に気合を入れて外出しているからな。
それに、家に帰ってこないことも多々ある。
だが、まさか領民を漁っていたとは.......。
驚愕のあまり、言葉を失っている俺に、今度は自分だ、と言わんばかりに違う女が
「領主様が信じられないのも無理はないかもしれません。ですが、ここにいる全員が旦那を取られ、困っているんです」
そう言って、周りの女たちに視線を送った。
すると、女たちは今の話が本当だ、と言わんばかりに何度も頷いて話に同意しているが
「ま、待て.......だが男たちは仕事をしているんだろう?そんなことをする暇はないと思うんだが........」
俺は、まだ自分の妻がそのようなことをしていると信じたくなくて、一番前にいる女にそう言うと
「今ここにいる全員、旦那が帰ってこないので代わりに仕事に出ています」
しっかりと俺の目を見て、そんな返事が返ってきた。
ここまでハッキリと言われると嘘だ、なんて思えないし、全て本当だからこそ、今回ここまで押しかけて来たんだもんな。
なんて思っていると、最初に俺に話をしてくれた女が
「こう言うのはあれですが、夫人は領主様が何も言わないことを良いことに、私たち平民から色んなものを搾取しています。最初はアクセサリーや小物、次は食料、最後は旦那って.........流石にこれ以上は耐えられません!」
そう言ってきたが、いやいやいや...........は?
「ま、まて、その奪い取ったものはどうしているんだ?こう言うのは失礼かもしれないが平民から奪わなくても貴族である俺たちは欲しいものが簡単に手に入る。わざわざ奪う必要なんてないと思うんだが..........」
訳が分からん。
なぜ貴族が平民のアクセサリーや小物なんて奪う必要があるんだ。
だったらいつも通り家の金を使って買った方が明らかに良いものが手に入るだろう?
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