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113話

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この質問に固まってしまう、ということは何かやましい事でもあるからなんでしょうか?

そう思いながらなにもないことを願ってレオンハルト様の言葉を待っていると

「え、えーっと.......?」

という戸惑いの声が聞こえてきましたわ。

まぁ、そうですわよね。

そりゃあ、急にどのような感じでパーティーでの誘いを断っているのか、なんて聞かれたら戸惑いもしますわ。

しかも、強く断ってしまって....も部分だけを聞いているんですもの。

なんて思っていると、少しの間の後にレオンハルト様が

「もしかして、だけど、僕の噂で何か聞いていることがあるの?」

と聞いてきましたわ。

なので、

「ま、まぁ.......信じているわけではありませんが多少お話は........」

と言った後に、カティ様に言われたことをそのまま伝えましたわ。

ただ、私自身この話は嘘だと思っていますし、信じていませんわよ?ということもしっかりと添えて。

するとレオンハルト様は

「僕が令嬢を誑かすって......」

あまりにも衝撃的な噂だったので言葉を失ってしまっていますわね。

まぁ.....気持ちはわかりますわ。

私も結構前の話ですが、婚約破棄の原因が私が色んな男性と夜を共にしているからだ、と噂をされていた時は凄く動揺しましたもの。

あ、もちろん、事実無根の話ですわよ?

あの噂に関しては、信じている人の方が少なかったんじゃないでしょうかね?

ま、まぁ、話が逸れてしまいましたが、そんなこともあったので、レオンハルト様の動揺は物凄くわかりますわよ。

なので

「もちろん信じていませんわよ?」

目をしっかりと見て、そう言うと

「そりゃあ、こんな話を信じているなら僕も驚いてしまうよ」

と言ったレオンハルト様は、噂を聞いた時よりもなんだか穏やかな表情をしていて、少しホッとしましたわ。

ハッキリと聞いた話をそのまま伝えた私も悪いんですが......。

レオンハルト様に

「純粋に、断り方が酷いとのことだったので気になっただけですわ。その場を見ていたわけではないので反論するにも何も出来ないので......」

先ほどと同様に、しっかりと目を見てそう言うと、レオンハルト様も

「なるほどね」

と納得してくれましたわ。

やっぱり全く違うところを見て適当に、自分は信じているよ、と言われるより、目をしっかりと見て言われる方が信用できますわよね。

私も以前に、仲が良い令嬢からそう言ってもらえて嬉しかった記憶がありますわ。

....その令嬢はどこに、ですか?

1年ほど前に他国に留学へ行ってしまいましたのよ。

なので、今は絶賛1人ですわ。

まぁ、もう少しで戻ってくるので全く寂しくはありませんけどね。

なんて思っていると、レオンハルト様が

「えっと.....基本的には申し訳ないけど、という感じの一般的な断り方が多いかな?あまりしつこく来られたら、何回も言っているけど無理なものは無理!とハッキリ言うくらいで.......」

その時のことを思い出すように、たどたどしくはありましたがそう教えてくれましたわ。
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