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114話

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えーっと.....とりあえずレオンハルト様の言っていることが合っているのであれば、

「やっぱり噂はでたらめで、身に覚えがない、ということですわよね」

一応確認のためにそう尋ねると、レオンハルト様は

「まぁ、そうだね」

と苦笑しながら頷きましたわ。

まぁ、私としてはブレイドからも否定されていましたし、伯母様から紹介してもらったレオンハルト様がそのような非道なことをするとは最初から思っていません。

ただ、本人の口から否定して欲しかっただけ、といいますか......。

とにかく、しっかりと噂のことを知ることも出来ましたし、すっきりしましたわ。

ですが

「なぜ、わざわざ変な噂を教えてきたんでしょう?そんなことをしても無意味ですわよね」

そう言って首を傾げると、レオンハルト様も

「それを言ったら、セリスティア様の噂に関しても僕の婚約者だから、と変な噂が流れるのはおかしい話だとは思いませんか?」

と不思議そうな顔をしていますわ。

確かに、言われてみるといくら人気者のレオンハルト様が婚約したからとはいえ、こんなにも早く私の噂が流れているのはおかしい話ですし、私の噂も、レオンハルト様の件も、どこか悪意を感じますわよね。

何と言えばいいんでしょう......意図的に仲違いさせようとしている、といいますか、この婚約を邪魔しようとしているような.......。

うーん......なんだか嫌な気分になる出来事ですわね。

そう思いながら、用意してもらったお茶に口を付けましたわ。

出来ることなら、今すぐにでもこの噂に関して否定して歩きたいですが、無理ですからね。

ここは落ち着いて何かしらの策を考えた方が得策ですわ。

なんて思っていると

「あら、レオン。来ていたのね」

という声が温室の中に聞こえてきましたわ。

その声に、私とレオンハルト様は同時に振り返りましたが、当然、振り返った先に立っているのは伯母様ですわよ。

レオンハルト様のことをレオンと呼ぶのは公爵たちか、伯母様以外いませんもの。

振り向かずともわかりますわよ。

なんて思っていると、私とレオンハルト様の間に流れていた異様な空気と言いますか、重たい空気をすぐに察した伯母様は

「そんなに難しい話をして何の話をしているのかしら?婚約者同士で話をしているとは思えないわよ」

苦笑しながらそう言ってきましたわね。

言われてみると確かに婚約したばかりだというのに、話の内容は最悪ですわ。

これでは、仲良くなるどころではなく、会うたびに憂鬱な気分になってしまいます。

そう思った私は、伯母様の言葉に

「あ、あはは.....」

と乾いた笑みをこぼすのがやっとでしたわ。

まぁ、かといって、レオンハルト様とイチャイチャしてー...とか、そのような考えは全くありませんし、今回の話がなかったら何を話そうか悩んでいたでしょう。

そう考えると、この厄介な噂にも感謝して良いのかもしれませんわよね。

なんて呑気に考えることが出来る、ということは私もそれなりに余裕があるのかもしれませんわね。

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