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112話
しおりを挟むレオンハルト様は本気で私が参加する方法を考えているみたいですが、なんだか図々しいのでは?とも思えてきたので
「さ、流石に建国パーティーの参加は難しいですわよ」
とやんわり断る方向に持って行こうとしましたわ。
ですが、
「正直、毎回のように断っているのにダンスに誘ってくる令嬢とかもいて、僕としてはセリスティア様が居てくれた方が嬉しいんだよね」
そう言っていたレオンハルト様は心の底から、本気でそう思っているらしく、出会った仲で一番真剣な顔をしていますわ。
いや、これは遠回しに私にお願いをしてきていますわよね。
だって、目があまりにも真剣なんですもの。
なので少し戸惑いながらレオンハルト様の言葉に
「そ、そうなんですの?」
と返事をすると、私の言葉にレオンハルト様は小さく頷いて
「特に明らかに年齢も離れているし、僕より良い相手は沢山いる、と言っているんだけどなかなか諦めてくれない、という子もいて.......。申し訳ないけどしつこすぎて、たまに強く断ってしまう時もあるんだよね」
苦笑しながらそう言いましたわ。
それを聞いた瞬間、カティ様が私に言ってきたことが瞬時に頭に過りましたが、なんだかレオンハルト様なりにも悩んでいるといいますか......本当はそのような対応をしたくないけど、仕方なくそうしている、みたいな雰囲気が伝わってきて
「やっぱり自分の意思とは関係なしにモテるのも大変ですのね」
というのが精一杯でしたわ。
ただ、やっぱり気になるものは気になりますのよね。
レオンハルト様は少し強く断って....くらいに言っていますが、実際にどのような感じで言っているのかは本人と相手の人にしかわかりませんし。
何よりも、そのなに凄い人がいるなら、レオンハルト様と婚約していることで私もレオンハルト様も危険なのでは?
どこの国か、は忘れてしまいましたが、つい最近好きな人が婚約してしまったけど許せなくて殺してしまった.....という話がありましたわよね?
そう思った私は、一度は飲み込んだ質問でしたが、やっぱりレオンハルト様にしっかりと聞いておくことにしましたわ。
だって、今後のことを考えたら大事なことだと思いますもの。
「あはは.....きっと皆、僕の見た目が好きで近付いてきているだけだからね。そこは母上たちに感謝かな?」
そう言って苦笑しているレオンハルト様に、本当に申し訳ない、とは思いますが覚悟を決めて
「あの......少し気になったことがあるんですが........」
と私が言うと、レオンハルト様はキョトンとした顔をして
「どうしたの?」
そう言って首を傾げていますわ。
正直、まだ言うべきか悩んでいますが、聞かずにモヤモヤしているより何倍も良いですわ。
そう自分に言い聞かせて
「強く断ってしまう、と言っていましたが、どのような感じで断っていますの?」
とレオンハルト様に尋ねると、まさかそのような質問をされるとは思ってもいなかったんでしょう。
一瞬でしたが、目を見開いて固まってしまいましたわ。
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