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96話 アーリアside
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全く....せっかく私が家に行ってあげたのに拒否するなんてありえないわ!
きっと、家の人がいるから恥ずかしくて来なかったんだとは思っているけど、流石に消極的すぎよね。
そう思いながら、降りたばかりの馬車に乗り込んで次の子息の家に向かった。
次は....確か伯爵子息なんだけど、セリスティアに婚約を申し込んだことがある、という話だったから、きっと私を見た瞬間すぐに婚約が決まると思うけど......もしかしたらさっきみたいに、家族が近くにいるから、と断ってくる可能性もあるわね。
それだけ頭に入れておきましょう。
なんて思っていたけど
「お前のことなど知らぬ、とのことだ。これ以上居座るのであれば不審者として捕えさせてもらう」
そう言った門番は本気で私のことを睨みつけて、剣を引き抜こうと構えていたわ。
流石に切りかかって来られたら私もどうも出来ないし、ここは引くしかないけど....わかっていたとはいえ、最近の子息達は皆控えめ過ぎない!?
わざわざ令嬢である私の方から出向いているんだから、会って話くらいしなさいよ!
そんなことを思いながら、同じことが続くこと6軒目。
さ、流石にこの私がここまで断られるなんてありえないわ。
もしかして....誰かが裏で手をまわしているとか.......そういうことなのかしら!?
私と婚約しないように、と圧力をかけているとか.....。
そう思いながら7軒目の門番が来るのを待機していると
「応接室にご案内いたします」
やっとのことで、門番ではなく執事がお屋敷の中から出てきたわ。
まぁ、私の姿を見て一瞬顔を引きつらせていたから少しムカついたけど、案内してくれるんだからなかったことにしておきましょう。
とはいえ、婚約が決まった後も同じようなことをしたら、流石に言うかもしれないけど。
そんなことを思いながら執事に案内をされて、応接室で子息が来るのを待っていると
「貴方がアーリア・ドンタリス嬢.......かな?」
と言って1人の子息が部屋に入ってきたわ。
まぁ、今まで婚約者がいなかった、ということもあって見た目はいまいち....だけど、一応侯爵子息だからね。
年下は好みではないけど、侯爵との婚約が決まったら、我が家も安心よね!
なんて思いながら
「えぇ!その通りよ!」
と言って子息のことを見ると、子息は私の姿を上から下まで舐めるように見た後に
「ふっ..........」
とバカにしたように鼻で笑ってきたじゃないの!
これには流石に言ってやろうか、とゆっくりと椅子から立ち上がった私に、子息は追い打ちをかける様に
「その見た目でよく婚約して欲しい、と言ってきたね。いや...誰にも相手にされないから自分から来た、とかそういうことかな?」
と言ってくるし.....これは失礼だとは思わない!?
しかも、その見た目って......豊満なボディに綺麗な顔立ちをしているじゃない!
何が不満なのよ!
そう思った私は、つかみかかるくらいの勢いで、子息を
「な、なんですって.....!?」
と睨みつけると
「鏡を見てから出直した方が良いよ。僕には確かに婚約者が居ないけど、相手を選ぶ権利くらいはあるからね」
子息はそう言って、応接室を後にしたわ。
相手を選ぶ権利、ですって......?
自分だって大した見た目をしていないのに、何を言っているのよ!
きっと、家の人がいるから恥ずかしくて来なかったんだとは思っているけど、流石に消極的すぎよね。
そう思いながら、降りたばかりの馬車に乗り込んで次の子息の家に向かった。
次は....確か伯爵子息なんだけど、セリスティアに婚約を申し込んだことがある、という話だったから、きっと私を見た瞬間すぐに婚約が決まると思うけど......もしかしたらさっきみたいに、家族が近くにいるから、と断ってくる可能性もあるわね。
それだけ頭に入れておきましょう。
なんて思っていたけど
「お前のことなど知らぬ、とのことだ。これ以上居座るのであれば不審者として捕えさせてもらう」
そう言った門番は本気で私のことを睨みつけて、剣を引き抜こうと構えていたわ。
流石に切りかかって来られたら私もどうも出来ないし、ここは引くしかないけど....わかっていたとはいえ、最近の子息達は皆控えめ過ぎない!?
わざわざ令嬢である私の方から出向いているんだから、会って話くらいしなさいよ!
そんなことを思いながら、同じことが続くこと6軒目。
さ、流石にこの私がここまで断られるなんてありえないわ。
もしかして....誰かが裏で手をまわしているとか.......そういうことなのかしら!?
私と婚約しないように、と圧力をかけているとか.....。
そう思いながら7軒目の門番が来るのを待機していると
「応接室にご案内いたします」
やっとのことで、門番ではなく執事がお屋敷の中から出てきたわ。
まぁ、私の姿を見て一瞬顔を引きつらせていたから少しムカついたけど、案内してくれるんだからなかったことにしておきましょう。
とはいえ、婚約が決まった後も同じようなことをしたら、流石に言うかもしれないけど。
そんなことを思いながら執事に案内をされて、応接室で子息が来るのを待っていると
「貴方がアーリア・ドンタリス嬢.......かな?」
と言って1人の子息が部屋に入ってきたわ。
まぁ、今まで婚約者がいなかった、ということもあって見た目はいまいち....だけど、一応侯爵子息だからね。
年下は好みではないけど、侯爵との婚約が決まったら、我が家も安心よね!
なんて思いながら
「えぇ!その通りよ!」
と言って子息のことを見ると、子息は私の姿を上から下まで舐めるように見た後に
「ふっ..........」
とバカにしたように鼻で笑ってきたじゃないの!
これには流石に言ってやろうか、とゆっくりと椅子から立ち上がった私に、子息は追い打ちをかける様に
「その見た目でよく婚約して欲しい、と言ってきたね。いや...誰にも相手にされないから自分から来た、とかそういうことかな?」
と言ってくるし.....これは失礼だとは思わない!?
しかも、その見た目って......豊満なボディに綺麗な顔立ちをしているじゃない!
何が不満なのよ!
そう思った私は、つかみかかるくらいの勢いで、子息を
「な、なんですって.....!?」
と睨みつけると
「鏡を見てから出直した方が良いよ。僕には確かに婚約者が居ないけど、相手を選ぶ権利くらいはあるからね」
子息はそう言って、応接室を後にしたわ。
相手を選ぶ権利、ですって......?
自分だって大した見た目をしていないのに、何を言っているのよ!
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