商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~

柚ノ木 碧/柚木 彗

文字の大きさ
78 / 138

76 カフェオレの豆はキリマンジャロだけど、コロンビアも良いと思う

しおりを挟む
 
 side.不破 晃洋


「わざわざ持って来て貰って有難うな~木村君」

「いえいえ」

「さて、そんな勤勉な木村君には不破オジサンから感謝のチョコレートボンボンを3粒あげよう」

「3粒…」


 うひゃひゃひゃと我ながら悪い顔をして笑って居るなぁと思う。
「他のお客さんにも渡すから勘弁~」と言いながら、紙袋に包んでやると木村君が苦笑する。俺の記憶が確かならば、この木村君甘いのが苦手だった筈。でもチョコレートボンボンは甘いには甘いが酒が入っているから其処まで気にはならないだろう。多分だけど。

 因みにうちの奥さん、末明ちゃんはこのチョコレートボンボン大好きです。
 メーカーも末明ちゃんの好みを寄越して来るとは、クラウディオ中々ヤリおる、侮れん。もしかしてこのチョコレートボンボンは、うちの末明ちゃんの好感度を上げる為か?その為の貢物?
 仕方ねぇな、末明ちゃんを喜ばせた礼にクラウディオが帰って来たらうちの喫茶店の名物マグロ丼を1つ奢ってやろう。
 我ながらセコい。


「それじゃ、ちーと悪いけどライモンドから報告来ている?」

「その筈ですよ。えーと、申し訳無いのですがちょっと今眠すぎて…頭がくらくらするので休憩してからで良いですか?時間外ですので」

「そっか、悪かったな」

「いえ」


 そう言えばクラウディオの会社、超ブラックでした。そうして俺がその片棒を担いでいる気がしないでもない。
 いや、多分俺のせい。
 すまぬ。


「今度珈琲でも奢るよ」

「それじゃ、悪いですけど今イイですか?コーヒーを1つ持ち帰りで」

「お、んじゃラージサイズで入れちゃる。アイス?ホット?」


「ホットで!やった!」と喜んでいる木村君を横目に、ちょっとばかりサービスで昨日の残りの自家製クッキーを包んでやったら滅茶苦茶喜ばれた。ついでにボソッと「ああ、朝から憧れの美人末明さんと可愛い小林さんに会えて、更に不破さんの珈琲。ヤバイ幸せ」と呟いて居たのを聞きながら、木村君の幸せってと思いながらも末明は俺のですから。
 等と大人気なくも思ってしまったと同時に、小林さんは嵯峨の…かな?うーんまだ関係はっきりしていないのだっけ?いい加減くっつけば良いのに。

 等と思っていたら、どうやら口に出して居たらしい。


「俺もそう思います」


 と、木村君が目の前で大きく頷いていた。
 同意、サンキュー。



 ※




「さて、と」


 喫茶ロインの朝の掃除を一頻り終え、コーヒー豆を挽く道具等の掃除も済ませて置く。そうしてから朝の珈琲を一杯入れる。
 今は隣室に居る末明ちゃんや息子達、それに子供達の面倒を見てくれている店長ちゃん達に向かって、


「カフェオレか珈琲居る?」


 と聞けば、見事に二人共「カフェオレ」とご注文。
 それと同時に元気な泣き声が聞こえて来るあたり、子供達は腹が減って居るのだろう。
「授乳の時間だね~」と呑気に言う末明ちゃんの声がする。

 そう言えばそろそろお手伝いさんやベビーシッター達が来る時間だったな。

 カフェオレと俺の珈琲、本日はキリマンジャロ。
 お二人共カフェオレだったからこのコーヒー豆にしたが、酸味も苦味も中々強い。そう言えば昔、一戸奈津子さんがこの酸味が好きなのよと言っていたな。
 最近会っていないが元気だろうか。
 今度挨拶に向かおうかな…銘花病院の受付、今も勤めているのだろうか。


「豆だけじゃなく、お菓子も持っていこうかな」


 末明の出産も銘花病院で面倒を見て貰ったし、今度の検診の時にでも挨拶に行こう。俺はαだから待合室までしか入れないけど、其処で挨拶すればいいし。

 よし、お中元セットみたいなの持って行こうっと。
 何にしようかな~後で末明に相談もした方が良いな、うんうん。

 その前に昨日の事と晩の事柄の確認をしないと。
 勿論情報屋の仕事もしないと。情報が欲しいとクラウディオからの最速もあるし。

 時間を見れば開店時間はまだまだ先。それではと、珈琲を手にしながら末明ちゃんに一言断り、地下室へと足を向けるのであった。


 ※


 ・今回のツッコミどころ

 一戸奈津子 「ある日突然~」の主役である倉敷優樹の父親、一戸陽平のお母さんで、優樹にとってはお婆ちゃん。Ω専用病院である、銘花病院の受付をしている。

 カフェオレの豆はキリマンジャロ 酸味と苦味が強い豆で、カフェオレに向いている。どうでもいいが、作者はコロンビアも良いと思う。更にどうでもいいが、ニカラグア・マラウイ・バリアラビカもカフェオレに向いているらしいが飲んだことが無い。無念。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

自己肯定感低めの不幸な義弟が完璧な義兄と大揉めに揉める話

あと
BL
「こんな僕をお兄ちゃんは嫌ってるだろうな」 トップ俳優な完璧超人の義理の兄×不幸な自己肯定感低めのネガティブ義理の弟です。 お金ない受けが追い詰められて変なアルバイトしようとしたら、攻めと再会して……?みたいな話です。 攻めがヤンデレ気味で、受けがマジで卑屈なので苦手な人はブラウザバックで。 兄弟は親が離婚してるため、苗字が違います。 攻め:水瀬真広 受け:神崎彼方 ⚠️作者は芸能界にもお葬式ににもエアプなので、気にしないでください。 途中でモブおじが出てきます。 義理とはいえ兄弟なので、地雷の人はブラウザバックで。 初投稿です。 初投稿がちょっと人を選ぶ作品なので不安です。 ひよったら消します。 誤字脱字はサイレント修正します。 内容も時々サイレント修正するかもです。 定期的にタグ整理します。 批判・中傷コメントはお控えください。 見つけ次第削除いたします。

国民的アイドルの元ライバルが、俺の底辺配信をなぜか認知している

逢 舞夏
BL
「高校に行っても、お前には負けないからな!」 「……もう、俺を追いかけるな」  中三の卒業式。幼馴染であり、唯一無二のライバルだった蓮田深月(はすだ みつき)にそう突き放されたあの日から、俺の時間は止まったままだ。  あれから15年。深月は国民的アイドルグループのセンターとして芸能界の頂点に立ち、俺、梅本陸(うめもと りく)は、アパートでコンビニのサラミを齧る、しがない30歳の社畜になった。  誰にも祝われない30歳の誕生日。孤独と酒に酔った勢いで、俺は『おでん』という名の猫耳アバターを被り、VTuberとして配信を始めた。  どうせ誰も来ない。チラ裏の愚痴配信だ。  そう思っていた俺の画面を、見たことのない金額の赤スパ(投げ銭)が埋め尽くした。 『K:¥50,000 誕生日おめでとう。いい声だ、もっと話して』  『K』と名乗る謎の太客。  【執着強めの国民的アイドル】×【酒飲みツンデレおじさんV】

この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!

ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。 ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。 これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。 ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!? ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19) 公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年BLです。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新! Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

【完結】抱っこからはじまる恋

  *  ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。 ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら! 完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

処理中です...