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079 ラノベで主人公がすぐにケンカ売られるやつ
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バーベキューから数時間後。
デカラビアから連絡が来た。
どうやら終わらなかったらしい。
デカラビアは侯爵なので、次回の召喚は24時間後となる。
なので、領主さんの所に泊まる事となった。
翌日。
悪魔が一体も居ない状況での朝食後。
領主さんから話があるらしいので、姫様とアイザックさんとで政務室に集合。
王太子?
また手紙を書いてるよ。
悪魔が聖王国で何かをやらかしたってのを書いてるらしい。
「話ってなんでしょう?」
「聖人様の使われる悪魔の力は判りました。
しかし聖人様の能力は判りません。他にも何か出来るのでしょうか?」
「えっ? どういう事ですか?」
あれか? ラノベで主人公がすぐにケンカ売られるやつ。
「聖人様に何かあった場合、あの悪魔が出てくるのでしょう?
その地がもし私の領地であった場合、領地共に更地にされては困るのです。
なので、自衛がどの程度出来るのかを知りたいのです」
違った。
悪魔の力の余波を受けたくないからだった。
確かに、一部のバカがやった事で滅びたくないよね。
本当ならバカの方を駆逐するのが正解なんだけど、台所とかに現れるGのように、駆逐したと思っても出てくるのがバカの特性だからなぁ。
えっと、前回披露したのは冒険者ギルドだったね。
って事は使えるようになっている。ってか、随分前になってる。
一応、咄嗟に使えるように、罠カードは全カードの上部に置いている。
左手で取り出す練習もした。
練習の成果を実践するにも良い機会かも。
「判りました。お見せしましょうか」
「ありがとうございます。相手は護衛の兵がします。
あっ! あの~、万が一ですけど、兵の攻撃が当たったからと悪魔が報復するなんて事は……?」
「ありませんよ! 大丈夫です!」
「では僭越ながら、私が審判をしましょう。危険だと判断したら乱入して止めます」
「お願いします」
アイザックさんが審判を名乗り出た。
アイザックさんなら当たる前に止めてくれるだろう。
領主さんの館の裏手に回る。
そこには練兵場のような場所があった。
そこに兵が並んで待っていた。
なるほど、準備万端なんですね?
「2回ほど対戦してもらってもよろしいでしょうか?」
「2回ですか?」
「はい。1回目は1対1で。2回目は1対多数で。問題ありませんか?」
手持ちの罠カードを確認する。
うん。2回くらいは出来そうだね。
「大丈夫です」
この返事が兵にも聞こえたのか、兵の一部から舌打ちとか聞こえてきた。
いや、バカにしてるんじゃないんだよ。
だってこのカード、悪魔でも倒せるような能力だよ?
人間に抵抗出来る訳が無いじゃないか。
銀玉鉄砲で戦うって言ってるのに実弾のマシンガン出すようなものだ。
だったら自重して使えって?
いやいや、俺の為の訓練でもある。
ここで手加減して、いざそうなった時に上手く使えなきゃ意味無い。
「では始めましょう。
まずは1対1で。希望者は居るか!」
「では私が!」
「うむ。兵隊長か。良いだろう」
おっと。この中でも強そうな人が名乗り出た。
兵隊長と言われるくらいなんだから位も上の方だろうな。
俺と兵隊長は練兵場の中央に進む。
相手との距離はおよそ10mくらい。
鍛えてる人からすれば、一瞬で詰められる距離なんだろうか。
間にアイザックさんが入る。
手には剣。って、それ真剣じゃない?
よく見れば兵隊長も真剣じゃないの?!
「おい、武器は?」
「え、え~と、これです」
イラっとした口調で俺に言ってきたので、カードを見せる。
あっ、一層イラっとさせたようだ。
「……多少の怪我は覚悟してもらうぞ」
「…………え~と…………いえ、何でもないです」
何を言ってもイラだたせるだけだろうから、言うのは止めた。
大丈夫と言えばバカにしているように聞こえるだろうし、使った事も無い剣を持っても素人丸わかりになるし。
怖いから止めますって言っても侮られるだけだろうし。
「では、はじめっ!」
アイザックさんの号令で、対戦がスタートした。
デカラビアから連絡が来た。
どうやら終わらなかったらしい。
デカラビアは侯爵なので、次回の召喚は24時間後となる。
なので、領主さんの所に泊まる事となった。
翌日。
悪魔が一体も居ない状況での朝食後。
領主さんから話があるらしいので、姫様とアイザックさんとで政務室に集合。
王太子?
また手紙を書いてるよ。
悪魔が聖王国で何かをやらかしたってのを書いてるらしい。
「話ってなんでしょう?」
「聖人様の使われる悪魔の力は判りました。
しかし聖人様の能力は判りません。他にも何か出来るのでしょうか?」
「えっ? どういう事ですか?」
あれか? ラノベで主人公がすぐにケンカ売られるやつ。
「聖人様に何かあった場合、あの悪魔が出てくるのでしょう?
その地がもし私の領地であった場合、領地共に更地にされては困るのです。
なので、自衛がどの程度出来るのかを知りたいのです」
違った。
悪魔の力の余波を受けたくないからだった。
確かに、一部のバカがやった事で滅びたくないよね。
本当ならバカの方を駆逐するのが正解なんだけど、台所とかに現れるGのように、駆逐したと思っても出てくるのがバカの特性だからなぁ。
えっと、前回披露したのは冒険者ギルドだったね。
って事は使えるようになっている。ってか、随分前になってる。
一応、咄嗟に使えるように、罠カードは全カードの上部に置いている。
左手で取り出す練習もした。
練習の成果を実践するにも良い機会かも。
「判りました。お見せしましょうか」
「ありがとうございます。相手は護衛の兵がします。
あっ! あの~、万が一ですけど、兵の攻撃が当たったからと悪魔が報復するなんて事は……?」
「ありませんよ! 大丈夫です!」
「では僭越ながら、私が審判をしましょう。危険だと判断したら乱入して止めます」
「お願いします」
アイザックさんが審判を名乗り出た。
アイザックさんなら当たる前に止めてくれるだろう。
領主さんの館の裏手に回る。
そこには練兵場のような場所があった。
そこに兵が並んで待っていた。
なるほど、準備万端なんですね?
「2回ほど対戦してもらってもよろしいでしょうか?」
「2回ですか?」
「はい。1回目は1対1で。2回目は1対多数で。問題ありませんか?」
手持ちの罠カードを確認する。
うん。2回くらいは出来そうだね。
「大丈夫です」
この返事が兵にも聞こえたのか、兵の一部から舌打ちとか聞こえてきた。
いや、バカにしてるんじゃないんだよ。
だってこのカード、悪魔でも倒せるような能力だよ?
人間に抵抗出来る訳が無いじゃないか。
銀玉鉄砲で戦うって言ってるのに実弾のマシンガン出すようなものだ。
だったら自重して使えって?
いやいや、俺の為の訓練でもある。
ここで手加減して、いざそうなった時に上手く使えなきゃ意味無い。
「では始めましょう。
まずは1対1で。希望者は居るか!」
「では私が!」
「うむ。兵隊長か。良いだろう」
おっと。この中でも強そうな人が名乗り出た。
兵隊長と言われるくらいなんだから位も上の方だろうな。
俺と兵隊長は練兵場の中央に進む。
相手との距離はおよそ10mくらい。
鍛えてる人からすれば、一瞬で詰められる距離なんだろうか。
間にアイザックさんが入る。
手には剣。って、それ真剣じゃない?
よく見れば兵隊長も真剣じゃないの?!
「おい、武器は?」
「え、え~と、これです」
イラっとした口調で俺に言ってきたので、カードを見せる。
あっ、一層イラっとさせたようだ。
「……多少の怪我は覚悟してもらうぞ」
「…………え~と…………いえ、何でもないです」
何を言ってもイラだたせるだけだろうから、言うのは止めた。
大丈夫と言えばバカにしているように聞こえるだろうし、使った事も無い剣を持っても素人丸わかりになるし。
怖いから止めますって言っても侮られるだけだろうし。
「では、はじめっ!」
アイザックさんの号令で、対戦がスタートした。
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