3 / 186
003 イポス
しおりを挟む
外はまだ明るい。
午前中なんだろうか? それとも午後?
時計が欲しいな。
しかし天気は良さそう。気温もそんなに高くないし、なにより湿度が少ない。
住みやすそうだな~。
「呼び出しておいて、現実逃避はどうかと思うゾ」
「あっ、喋るんだ……」
「悪魔だから、喋るだろウ」
現実逃避したくもなるよ。デカすぎだろ。
獅子の姿って書いてあるからある程度のサイズは想像してたけど、部屋一杯に出るとは思わなかった。
俺なんか現在絶賛窓際中だからね! 押し付けられてるんだから!
「なぁ、邪魔なんだけど……」
「ふむ、確かニ。サイズを変えるカ」
そう言って柴犬サイズになったイポス。
「最初からそうしてくれよ!」
「すまなイ。初召喚だから、調子にのってしまっタ」
「サイズが変えられるのか。じゃあもう少し小さくなれるか?」
「あぁ、可能ダ」
そう言うと子犬サイズに変化。
「これで良いカ?」
「うん。じゃあこっちに来てくれ」
「うム。……って何をやってル?!」
「えっ? モフってるんだけど?」
小さいライオンですよ?! 足はガチョウだけど。
モフるに決まってるじゃないか! しっぽはウサギだけど。
モフらない訳が無いだろ!
「……用があって召喚したのではないのカ?」
「用はあるが、とりあえずモフってからね」
10分後。
堪能したぜ! 本音はまだまだイケるが、現状把握が先だ。
じゃあモフるなよって意見は聞かないぜ!
「さて、イポスよ。現状が知りたい」
「……キリっとした顔を今更しても無駄だと思うゾ」
「うるさいな。とにかく、現状を教えてくれ。知識の補完が出来るんだろ?」
「知識の補完とは、知っている情報を補完するのダ。まず、知っている情報を提示して欲しイ」
「了解。最初にイポスはモフると気持ちが良い」
「当然だが、そういう情報を求めて無いのだガ」
「冗談だよ。えっと、神にこの世界に送られてきた。この場所はどこかの街の売家の中。これでどうだ?」
情報と言えるか判らないレベルだ。
でもこれくらいしか判ってないんだよね。
言った俺が言うのもなんだけど、こんな情報で補完なんか出来るんだろうか?
「うム。ここはアルメゲン王国内のシトニーという街ダ。王都から東に100km程の位置にあル。
この家はホラ一家三人が住んで居たが、子供が病気になり治療のために王都に引っ越しタ。
売値は40万ゴールドだったが、販売は60万ゴールドになっていル。
ここは二階の子ども部屋、隣に夫婦の部屋、一階にリビングとキッチン、トイレと風呂があル。
それから……」
「ストップ!! 家の事は判った!!」
これで補完?! ほとんどの情報を網羅してるじゃないか!
裏道とかに居そうな怪しい情報屋もビックリだぞ?
イポスがいれば、情報屋として生きていけそうだな。
悪魔、恐るべし!
「家の事は判ったから、神の情報とか俺の事とかを教えてくれよ」
「うム。それならインベントリ内にある『神からの手紙』を読む方が早いだろウ」
「あ~、そういえばそんなの入ってたな」
「それに詳しく書いてあるゾ」
「そうなのか?」
「うム。それを読んで、まだ判らない事を聞いてくれた方が良いだろウ」
「了~解」
本当はイヤな感じしかしなかったので読みたくなかったんだが。
イポスがそう言うんだ、読んでみようじゃないか。
午前中なんだろうか? それとも午後?
時計が欲しいな。
しかし天気は良さそう。気温もそんなに高くないし、なにより湿度が少ない。
住みやすそうだな~。
「呼び出しておいて、現実逃避はどうかと思うゾ」
「あっ、喋るんだ……」
「悪魔だから、喋るだろウ」
現実逃避したくもなるよ。デカすぎだろ。
獅子の姿って書いてあるからある程度のサイズは想像してたけど、部屋一杯に出るとは思わなかった。
俺なんか現在絶賛窓際中だからね! 押し付けられてるんだから!
「なぁ、邪魔なんだけど……」
「ふむ、確かニ。サイズを変えるカ」
そう言って柴犬サイズになったイポス。
「最初からそうしてくれよ!」
「すまなイ。初召喚だから、調子にのってしまっタ」
「サイズが変えられるのか。じゃあもう少し小さくなれるか?」
「あぁ、可能ダ」
そう言うと子犬サイズに変化。
「これで良いカ?」
「うん。じゃあこっちに来てくれ」
「うム。……って何をやってル?!」
「えっ? モフってるんだけど?」
小さいライオンですよ?! 足はガチョウだけど。
モフるに決まってるじゃないか! しっぽはウサギだけど。
モフらない訳が無いだろ!
「……用があって召喚したのではないのカ?」
「用はあるが、とりあえずモフってからね」
10分後。
堪能したぜ! 本音はまだまだイケるが、現状把握が先だ。
じゃあモフるなよって意見は聞かないぜ!
「さて、イポスよ。現状が知りたい」
「……キリっとした顔を今更しても無駄だと思うゾ」
「うるさいな。とにかく、現状を教えてくれ。知識の補完が出来るんだろ?」
「知識の補完とは、知っている情報を補完するのダ。まず、知っている情報を提示して欲しイ」
「了解。最初にイポスはモフると気持ちが良い」
「当然だが、そういう情報を求めて無いのだガ」
「冗談だよ。えっと、神にこの世界に送られてきた。この場所はどこかの街の売家の中。これでどうだ?」
情報と言えるか判らないレベルだ。
でもこれくらいしか判ってないんだよね。
言った俺が言うのもなんだけど、こんな情報で補完なんか出来るんだろうか?
「うム。ここはアルメゲン王国内のシトニーという街ダ。王都から東に100km程の位置にあル。
この家はホラ一家三人が住んで居たが、子供が病気になり治療のために王都に引っ越しタ。
売値は40万ゴールドだったが、販売は60万ゴールドになっていル。
ここは二階の子ども部屋、隣に夫婦の部屋、一階にリビングとキッチン、トイレと風呂があル。
それから……」
「ストップ!! 家の事は判った!!」
これで補完?! ほとんどの情報を網羅してるじゃないか!
裏道とかに居そうな怪しい情報屋もビックリだぞ?
イポスがいれば、情報屋として生きていけそうだな。
悪魔、恐るべし!
「家の事は判ったから、神の情報とか俺の事とかを教えてくれよ」
「うム。それならインベントリ内にある『神からの手紙』を読む方が早いだろウ」
「あ~、そういえばそんなの入ってたな」
「それに詳しく書いてあるゾ」
「そうなのか?」
「うム。それを読んで、まだ判らない事を聞いてくれた方が良いだろウ」
「了~解」
本当はイヤな感じしかしなかったので読みたくなかったんだが。
イポスがそう言うんだ、読んでみようじゃないか。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
42
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる