レディース異世界満喫禄

閑話 予想外の光景

「あの・・・・・・」



「・・・・・・・・・・・」



「陛下何ですかこの扱いは！これはギルドへの敵対行動と見なしますぞ！」



俺の目の前で床に押し付けられてる男共・・・・今回の元凶が其々に違った反応を見せていた。

訳が分からず何かを言おうとしてる者、真っ青になって無言な者、そしてその体勢のまま睨みながらわめいている者。



「何故貴様等がそんな扱いで此処に居るかを理解しているか？」



今にも殴りたい気持ちを抑えて見下ろしながら口を開くと返事はなく無言の時間が過ぎていく。



「今日【メイシェル王国】【ウォルム王国】【バウダック王国】【レインプトス王国】から抗議文が届いた、内容は『我等が恩人が貴国で冤罪を受け捕らえられた』という内容で捕らわれた者は【カグヤ商会】という商会のオーナーだそうだ」



「「「は？」」」



俺の言った事が理解の外にあったのか、信じられないよう顔で固まる男共。



「なあ？我が国は貴様等のくだらない欲望の為に危機的状況にあるのだがどう思う？」



「「「ひっ！！」」」



やっと状況を理解したようで震えだした罪人を見下ろしながらガナムに声を掛ける。



「ガナム、捕まっている討伐者を解放せよ」



「直ちに」



「・・・・あの・・・陛下・・・・」



何かゴッマが言い出そうとしたが睨み騙せる。



「貴様等は明日まで牢に入れておく、そして明日当事者に貴様等の今後の扱い決めてもらう、連れて行け」



「はっ！」



押さえつけていた兵士が犯罪者を連れて行き暫くしたらガナムが帰って来た。



「陛下・・・・・」



ガナムが帰ってきて戸惑い気味に声を掛けてきたのでガナムを見たが牢から連れて来るように言った討伐者が居ない。



「ガナムか、どうした？被害者の討伐者はどうしたのだ？」



「それが・・・・・・」



何だその言い方は？もしかしてその討伐者に拷問でもして手遅れだったのか？そんな事が頭をよぎった。











翌日にまた謁見の間にてプレシァーナ嬢とその供と面会をし昨日の調べた結果を話す。



「・・・・・・という事が判った、今回の一件は我が国が全面的に非がある、申し訳ない」



「陛下・・・・【エルセア王国】の誠実な対応に感謝いたします、ですが謝罪は被害者である本人にお願いいたします」



プレシァーナ嬢が言う事はもっともなのだが・・・・・



「それで陛下、レンはどうしたのでしょうか？無罪と判っているのですから牢から出ているのでございましょう？」



プレシァーナ嬢の言葉に何を言って良いか迷ってしまう。



「・・・・・・・・何かあったのですか？」



俺の表情を見てプレシァーナ嬢のが青ざめた顔になる。



「そうではない！ただ何と言って良いかが解らんのだ」



誰でもあの光景を見た後ではどう言えばいいのかが分からなくなる。



「良く無い事ではないのですね？レンに会わせてください」



「もちろんだ」



ぜひ会って『説得』してくれ。

俺達は地下牢へプレシァーナ嬢とそのお供と一緒に向かい牢を守っている兵に一言声を掛けてから進み、そして今回の被害者の入れられている牢の前に来た途端・・・・プレシァーナ嬢とそのお供の者が言っては何だが・・・・・間抜けな声を上げた。



「「はぁ？」」



そう・・・・・・討伐者が入れられている牢は周りの牢とは違い無骨な壁一面を青い布で覆い、石でできた寝場所には柔らかそうな布団が置いてあり、布団の前に仕切り代わりのカーテンが吊るしてある。

そして極めつけは・・・・場違いな豪華なテーブルと椅子で優雅に食事を食べている姿だった。



「陛下・・・・これは？」



「昨日解放しようとしたらこれでな・・・しかも結界が張ってあるらしくこちらからの声が伝わらんのだ」



説得を諦めて帰ろうとしたら布団に潜り込んでカーテンを閉める所だったしな。

ん？何でプレシァーナ嬢と供の者が揃って溜息をつくんだ？