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閑話 この国の王様も薬を欲す
しおりを挟む「明日この時間にまた会う事にしよう、それまでに我が国の情報部の全力をもって調べさせる」
そう言ってその場はお開きとした。
そして執務室に戻りプレシァーナ嬢から預かった『情報屋からの情報』とやらに目を通す。
「陛下」
宰相であるガムラが声をかけてきたのでその資料を渡しながら話を始める。
「情報部に徹底的に調べさせろ、虚偽の報告はいらぬ、事によっては我が国は窮地に立たされる、今我々がするべきことはきちんと調べ、誠実にすべてを明らかにすることだ」
俺の言葉にガムラが頷く。
「下手をすれば【バウダック王国】との争いの火種になるかも知れん、そうすれば我が国は負ける」
「陛下、それはわかりませぬ」
俺の言葉に首を振るガムラ。
「いいや必ず負ける、【バウダック王国】は今回抗議文を持ってきた三国と同盟を結んでいる、戦争になれば三国も参戦するだろうよ」
「ですがかなり国と国の距離がございます、短期決戦に持ち込めば勝機はあるかと」
ガムラは【エルセア王国】の宰相、大体の事は理解している、だが【バウダック王国】の事だけではないのだ。
「今回の件おかしいとは思わんか?」
「と申されますと?」
首を傾げるガムラに視線を向けたまま話を続ける。
「レンという討伐者を捕らえたのが一昨日だ、そして四カ国が抗議文を持ってきたのは今日、なんでこんな短期間で四カ国の抗議文が我が国に届く?」
「あ」
そう四カ国との『距離』はそんなに近くはない、となれば前に聞いた情報が本当だという事だ。
「【メイシェル王国】と【ウォルム王国】に関して前に情報があったはずだ、確か『討伐者が強力な魔道具を二国に譲渡した、その魔道具は【転移の腕輪】という魔道具だ』と」
我が国は商業国家と言われている、だから様々な物を扱っている、武具 、魔道具、工芸品、美術品、食料・・・・そして情報、わが国は他国の情報は休むことなく仕入れている。
「確かにそんな情報もありましたな」
「だろう?もしそれを戦争で使ってきたら、大量の兵をこの王都に送り込む事も出来るかもしれん、だから確実に負けるのだ、だからこそここでの対応が今後に影響を及ぼす」
俺の考えを聞きガムラは部屋を出ていった。
「・・・・・・・・・・主犯の三人を俺の所に連れてこい、それと下の者達は監視しておけ、決して逃がすな」
報告書を読み溜息をつきながらガムラに言い放つとガムラは黙って部屋を出ていった。
夜遅くに情報部が調べ終わった報告書を持ってきたので目を通してみたら頭痛がしだした。
今回捕らわれた討伐者は冤罪によって牢に入れられたと、しかもその理由がこの国を拠点に活動している大商会【ボルケーノ】のドムド・アッタックが【カグヤ商会】という商会を傘下に入れようとし断られた為潰しにかかったそうだ。
そしてその為の共犯が王都防衛隊所属第三部隊長ゴッマ・スルー。
この男は王都を守る立場のはずが【ボルケーノ】から多額のお金を貰い罪をでっち上げ罪も無き者を捕らえてきた・・・・・そう『何度も』だ!!つまりは初犯ではなく何度も同じことをしていたのだ。
それともう一人・・・・ある意味こいつが一番怒りを覚えた・・・・その男の名はヤバ・カッタゾ。
そしてヤバの就いている仕事・・・・職場はギルド・・・・・・グランドマスターだ。
ゴッマが捕えその商会の権利書を奪いヤバに渡し、ヤバが権利書の名を【ボルケーノ】のドムドの名に書き換えて【ボルケーノ】に渡し【ボルケーノ】は店と商品全て奪い、その時に多額のお金を・・・・それを繰り返し【ボルケーノ】は大きくなったらしい。
「グランドマスターが犯罪に組するなんぞ世も末だな」
ガナムが帰ってきたら頭痛薬をもらうか・・・いや今外に立っている騎士に頼もう。
「はぁぁぁぁ」
もう嫌だ!!
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