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第一世界 3章 学園編

36,身体能力測定と決闘1戦目

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 あの後そもそも召喚を解除すればいいじゃんってことに気づいてすぐ克墨と剋久夜の召喚を解除して大急ぎで部屋からとび出て階段と階段の間から飛び降りてきた。

 地面までの距離が残り1階分くらいになったところで『霧化』を発動。上から飛び降りてきたのを見た人が驚くといけないからってことで『霧化』を使ったけど1階全く人がいない。これなら重力軽減で着地した時の音と衝撃を無くすだけでよかったかもね。




 部屋がある階から1階まで直で飛び降りて来た後はそのまま食堂に行った。悠灯とネロに今日は遅くない?って言われたけどまぁそれは仕方ないね。

 それより今日は学園生活2日目にして最初のイベント、身体能力測定がある。しかも1時間じゃなくて2時間。何種目あるのかが問題かな。少なければ少ないほどいい。
 測定場所の体育館的な建物に来てるけど置いてある測定器具は小中学校の身体測定、体力測定で使う測定器具と似た感じ。個人的に握力計の機構がよく考えられてるなって思った。

 その機構はまず棒を握ると握った強さに応じた魔力が発生する。そしてその魔力が人工魔石に流れる。人工魔石は流れた魔力量に応じて色が変わるからそれで握力計としての役目をこなすことが出来るっていう感じ。

 握る強さに応じて変わる色は下から紫、藍、青、緑、黄、橙、赤の計7色。虹と同じだからわかりやすい。

 身体能力測定の測定項目は握力、跳躍力、投擲の飛距離と正確性、瞬発力、短距離と長距離を走る速さの7つ。それを各種目1人最大2回まで行う。

「これから身体能力測定を始める。実戦での能力を測るからスキルの効果込みで計測する」

 ふむ、スキル使用ありか。なら短距離走と長距離走の時に転移、跳躍の時に浮遊使うのはあり?

「よし、まずはアゴルからだ。自己紹介と同じ順で測っていくぞ」

 測定は短距離走、握力、跳躍力、投擲の飛距離と正確性、瞬発力、長距離走の順で行われる。短距離走と長距離走が最初と最後なのはまぁ順当。

「短距離は3人1組で走ってもらうから準備しろ。計測にはこの魔導具を使う」

 計測に使う魔導具の見た目はバッジ。試しに袖部分に着けて霧化してみたけど霧化状態でもバッヂはちゃんと着いていた。そして男女混合での組作りで出来た3人組はそれぞれ、

 アゴル、イワン、エリンの1組目。
 オウカ、オーツ、キールヴァンの2組目。
 キーン、僕、ケーニッヒ3組目。
 ジーク、スィヴァル、セブルスの4組目。
 ニーア、ネロ、ヒルデの5組目。
 ヘレン、ユウヒ、リオの6組目。
 レーナ、ローザの7組目。

 7組目だけは人数の関係で2人組。


 1組目と2組目が走り終わった。それぞれの1位はアゴルとオウカ、エリンさんもかなり早かったけどね。スキル無しなら多分あの中で1番早いと思う。

「次!キーン、クジョウ、ケーニッヒ!」

「「「はいっ!!」」」


 キーンさんは手足を竜化させて背中から竜の翼を生やし、ケーニッヒは体に風を纏わせ手のひらに風を収束させてる。開始したらそれで加速するつもりだろうな。

「『風神雷神』」

 右半身に風を、左半身に雷を纏う。さらに両手のひらを合わせることで左右の風と雷が混ざり合わせる。他の身体強化系は要らない。
 僕が風と雷を同時に纏ってるのをオウカが1番ジッと見てる。得意属性が雷だし色々気になるんだろうね。勝手な推測だけど。

「始めッ!!」

 おっと考え事は後回し。まず真っ先に先頭に出たのは予想通りキーンさん。飛行って言うアドバンテージは普通に考えてかなり大きい。ケーニッヒは後ろに風を放出することで加速してるけどキーンさんには追いつけない。
 それじゃあ僕も行きますか。

 タンッと地面を一蹴りして前に進むと踏み込んだ地面が砕けた。そして風が加わったことで雷単体より速度が上がり、一筋の閃光に見えるまで加速し走り始めたケーニッヒと飛行しケーニッヒとかなり距離を広げているキーンさんの横を通り抜けて一気にゴール。
 ゴールした瞬間に急停止したことで地面が焼けてるけど気にしない気にしない。 

 その後僕がゴールして少ししたらキーンさんが翼を畳んで滑空しながらゴールに降りた。そして最後にケーニッヒがゴールを過ぎても止まらず少し遠くまで走っていってようやく止まった。

 この後はまずジークが、その次にネロとヒルデさん、さらにその後に悠灯が走る。さてネロとヒルデさんはどっちが速いんだろうね。

「『流銀走破』」

 ジークはいきなり水銀を生み出し、それを使って大型のバイクを作り出すとそれに跨った。バイクの見た目は多分ハーレーってやつが近いと思う。まぁ僕自身そこまでバイク知識ないんだけど。
 仮称ハーレーを全体的に鎧みたいな外付けパーツを付けて正面が尖ってる。大型生物に向かって突撃したら風穴が空きそう。

 結局バイクを作ったジークがそのままほか2人に大きく差をつけてゴール。帝国ってバイクとか作れる技術はあるんだね。

 さて次はようやくネロの番。

「『風闇翼』『凍路』」

 風と闇の2属性で翼を作ったネロは自分のコースを凍らせた。そして翼を後ろで固定しブースターのように扱うことで凍らせた道を滑走する。上手くバランスも取れてて初動は最速。

「展開『飛翔機翼』起動『推進砲門』『加速機構』」

 ニーアさんは背中からブースターと翼を出し、少し浮かび上がるとそこから一気に加速した。初動がほぼ完璧だったネロに追いつき、少し拮抗した後に追い越した。

 ネロとニーアさんがそれぞれゴールに向かっている中ヒルデさんはスタート地点から動かない。先生もさすがに一言注意しようと思ったのかヒルデさんの方へ近づいている。

 声をかけるその直前。ヒルデさんの声が響いた。

「━━━━━━━━術式構築完了。実証開始」

 ヒルデさんの足元に複雑な魔法陣が構築され始める。そしてそれを見た先生は直ぐにその場から離れて戻ってきた。

「術式起動『短距離転移』」

 魔法陣が完全に構築されるとそう小さく呟いたヒルデさんは一瞬にしてその場から姿を消し、次の瞬間にはゴールを過ぎた位置に立っていた。
 その後はニーアさんとネロの順でゴールしてネロの番は終わり。

 次はとうとう悠灯の番。な訳だけど確実に悠灯が最速だと思うんだ。


 そして悠灯達の番が始まると他2人が少し進んでから悠灯が腕をサッと横に振るった。すると足元から勢いよく炎が吹き出し、悠灯を繭のように包み込んだ。完全に包み込まれると今度は炎の繭が内側から破裂した。しかしそこには悠灯の姿は無く、あるのは地面が焦げた跡だけ。

 その直後ゴール直前で火柱が上がった。それは空に向かって吹き上がり上空で周囲に散らされる。吹き出し始めて少しすると火柱が周りに解けるように消えた。そして消えたあとから悠灯がゴールに向かって足を動かしそのままゴールした。

 竜を模した氷の鎧を生み出し鎧から生えた翼によって飛翔したリオと純粋な身体強化系統に魔法による自己強化をして走ったヘレンさんに大きく差をつけてのゴールだった。

 その後のレーナさんとローザさんの2人はそれぞれ輪っか上の水を浮き輪みたいにつけた状態で足を尾ヒレに変化させ空中を泳いだり自分を霧化させてゴールまで一気に移動したりと種族としての能力を上手く使ってゴールしていた。

 それ以降は握力でオウカが、跳躍力では翼持ちが同率1位。その後の投擲系統2種はどちらもニーアさんが頭一つ抜けて1位。

 最初に投げて的のド真ん中に刺さったものと二投目に投げたものを寸分違わず全く同じ場所に当てて一投目に投げたものを的に深く押し込むのは人間じゃ無理。
 いや何回か投げればもしかしたらそのうち1回くらいは成功するかもしれないけどそのパフォーマンスを100回中100回成功させてるからね。さすが機人族。他の人類種に出来ないことを平然とやってのける。

 瞬発力は僕が1位でオウカが2位。2位以上の記録3位以下の記録は結構差があった。やっぱり雷系統こそ瞬発力において最強。光は色んな意味で別格なので例外。
 長距離走は短距離走と同じ距離を10周したタイムを測る。スタート地点を超える事に測定してそれが6回済めば終わり。1位は安定の悠灯、6回転移して終わり。2位は僕で3位がニーアさん、ヒルデさんは詠唱後に転移するタイプだから詠唱してる間に他の人に差をつけられていた。
 オウカは途中までトップ集団に入ってたけど途中で雷化が解けてそこからは普通に走っていた。

 最終的な結果は、1位悠灯、2位が僕、3位がニーアさんとジーク、5位がヒルデさんだった。5位までは名前呼ばれたからわかるけどそれ以降は名簿見に行かないといけないから別にいいかな。


 身体測定が終わったあとは普通の授業。『共通科目』の言語学、数学、地歴政治、魔法理論、身体制御技能、戦術学、指揮技能のうち今日あるのは言語学と戦術学。

 言語学はまぁ余裕。戦術学はちょっと難しいところもあったけどまぁ理解出来た。最初だしどっちもそんなに難しくなかった。

 今日も4時間目までで終わった。明日までは今日と同じ4時間授業。それ以降は6時間授業らしい。


 授業が終わってからはお昼を食堂で食べたり悠灯達と校外に食べに行ってそのまま街で遊んだりした。それ以降も基本は同じように毎日を過ごして時々クラスメイトと雑談したりちょっと真面目な魔法関連のアドバイスしたりして交流してたら決闘の日程とルールが決まった。なんか賭け事もあるらしく胴元は報道委員会と文化委員会が共同で担当するみたい。



 日付が決定して3日後、ルールなんかを決めた日からちょうど1週間。とうとう今日は決闘の日だ。決闘はジークとケーニッヒ、僕とキールヴァンの順で行われる。ちなみに賭けは自分とジークに賭けてきた。
 さて、それじゃあまずはジークとケーニッヒの戦いを見よう。まぁ戦いになるのか疑問だけど。
 決闘はそれぞれフル装備で行われる。ジークは腰のホルスターに水銀入りの試験管を左右3本ずつの計6本と制服の上から羽織っている白銀の生地に金の刺繍が入ったマント。ケーニッヒは所々に装飾がある部分鎧と鍔と刀身に宝石で装飾が施された直剣。ジークの装備と比べてかなり派手な見た目をしている。

 お互いに向かい合った状態で離れた場所に立っている2人。先に動きだしたのはケーニッヒ、剣に魔力を流すと鍔から炎と風が吹き出し刀身に纏われた。そしてそれを横に振るうと炎と風は混ざり合い1つの槍になってジークを襲う。


「効かねぇよッ!」

 炎と風の槍を飛ばしてくるのに合わせて腰の試験管を1本引き抜いて栓を抜いたら中身を前にばらまく。そしてそれを操って即席の盾にした。

「『水銀ノ散弾』」

 そして防いだ水銀は盾の状態から細かい粒状に分けて散弾の如く放つ。

「くッ『抗風壁』」

 それは元から狙いをつけて撃って無かったのもあるが十字に振った剣から放たれた風によって軌道が変わったことでそのほとんどが躱され、少しの直撃ルートだったものもそこから外れた。

「ほぅ、全て防ぐか。面白い、気が変わった。少し本気を出すとしよう」

 そう言って残りの試験管を引き抜き水銀を零す。そして魔力を練り上げ、魔力から水銀を生成する。
 術者の足元を中心に円形に広がる水銀は量が増えるにつれて波打ち始め、背中側にあるものが形を変え建造物のように変化していく。その間斬撃や魔法が飛んでくるがそれらは前方の水銀を操作して全て防ぎ切った。

「創造、『水銀ノ城』」

 水銀によって造られたのは城の一部。しかし一部と言っても術者の後ろの空間を埋めるほどの大きさがある。

「さぁ、狩り尽くせ━━━ッ『灰狼猟団』」

 腕を上に上げそう声を上げると水銀に覆われた地面から全身が灰色に染まった人型が次々湧き出す。それは灰色の軍服に同色のコートを羽織り、顔を黒いペストマスクのような仮面で隠し、頭に灰色の軍帽を被った全く同じ姿をした者達。
 左右の手にはそれぞれ銃身の長い銃と鉈のようなものを持ち、腰にはナイフを備えている。

 仮面で隠された顔からは表情を読み取ることが出来ず、寸分違わず全く同じ見た目の存在が多く存在することによる不気味さがより一層際立つ。

 それらは自らを生み出した者の命令に従いケーニッヒに飛びかかる。

「『多重展開』・・・・・・炎よ風喰らい渦巻きて我が敵を貫けッ!!『火旋槍』」

 それに対してケーニッヒは渦巻く火の槍を多数展開し灰狼猟兵に向けて放つ。それは何体かの胸を穿ち融かすもそれは全体で見れば極一部でしかない。

 詠唱から発動までに追加で生み出された猟兵と貫かれ溶け落ちる間に生み出された猟兵が追加戦力として加わることで魔法で攻撃する前より戦況は悪化している。

 ケーニッヒが攻撃を鎧で防ぎ剣で弾き魔法で牽制している間も猟兵は止まらず湧き続ける。
 しかし兵は尽きる事がなくケーニッヒを着々と削っていく。

「これで終わりだ」

 そうジークが言って腕を上に上げると猟兵の姿が解けて足元の水銀と混ざる。そしてそこから水銀の槍が伸び絡まり合い巨大な1本の槍になる。

「我が兵よその姿を解きて銀と混ざれ━━━━ッ!『銀王ノ裁槍』」

 その槍は空高く伸び上がる中で先端の鋭さが消え柱のようになった。そしてジークが腕を振り下ろすのに合わせて伸びた槍柱はグニャリと曲がりケーニッヒへと迫る。

 回避も防御も不可能なその大質量の一撃はまともに喰らえば全身の骨が粉砕されるは確定でもし槍柱と何かに挟まれでもしたらプレスされたように平たく潰されるのは明らか。


 それが地面に激突し周囲に衝撃と土煙を散らした後、それらが晴れるとケーニッヒが決闘場の端に倒れていた。直撃は免れたようで体に潰れている箇所は無い。

 決闘1戦目、ジークVSケーニッヒはこれにて終了。次の決闘は衝撃でクレーターのようになった地面を修復した後に行われる。

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