嫌われ者の僕はひっそりと暮らしたい

りまり

文字の大きさ
上 下
44 / 53

43 ギルド長3

しおりを挟む
 身体の傷は癒えているはずなのにリリーは目を覚まさなかった。

 時折うなされているようで寝言で「許してください、許してくださいもういたしません」と涙を流しながら訴えていると報告があった。

 それなので辺境伯に報告していいのかどうか迷っているのだ。

 それでも身内なのだから言ったほうがいいのは分かっているが、なぜか報告はもう少し先延ばししたほうがいいと言っているようで怖いのだ。

 暴行事件から三か月たつが未だに辺境伯たちはリリーを血眼になって探している。

 散々放置していたのにいざいなくなれば大慌てで探すなどおかしな話だが、あのリアムと言うリリーの弟が来てからおかしくなったと思う。

 この状況は昔あった気がするが俺たちは詳しくは聞いてないのでいまいちわからないが、魅了と言った魔法が使われているはずだ。対処法はまだできていないので見つかり次第塔に幽閉される。

 あそこには公爵家の三男がいるはずだけど……まさか……血縁者だったら魅了の魔法が使えてもおかしくない。

 どうやってそれを証明すればいいのかだ。

 どうすればいいんだ。

 あれはまだ辺境伯の所にいるはずだが……あれが王都に帰ってくれなければリリーのことを言うことが出来ないのにどうしてあれはまだここにいるんだ。

 悶々とした日々を過ごしていたのだがようやくあれが王都に行くことになった。

 王都では特別な部屋を用意したとかでこれでじしつあれは出てこれない。

 俺はあれが辺境伯邸を出ていったと報告が来たので早速リリーのことを報告するために手紙を書いた。

 二・三日はかかると思っていたので気が緩んでいると速攻で来たからびっくりだよ。

 ついついこいつら暇人かよとツッコミを入れたくなった俺はけして悪くないと思う。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】何一つ僕のお願いを聞いてくれない彼に、別れてほしいとお願いした結果。

N2O
BL
好きすぎて一部倫理観に反することをしたα × 好きすぎて馬鹿なことしちゃったΩ ※オメガバース設定をお借りしています。 ※素人作品です。温かな目でご覧ください。

聖女ではないので、王太子との婚約はお断りします

カシナシ
BL
『聖女様が降臨なされた!』 滝行を終えた水無月綾人が足を一歩踏み出した瞬間、別世界へと変わっていた。 しかし背後の女性が聖女だと連れて行かれ、男である綾人は放置。 甲斐甲斐しく世話をしてくれる全身鎧の男一人だけ。 男同士の恋愛も珍しくない上、子供も授かれると聞いた綾人は早々に王城から離れてイケメンをナンパしに行きたいのだが、聖女が綾人に会いたいらしく……。 ※ 全10話完結 (Hotランキング最高15位獲得しました。たくさんの閲覧ありがとうございます。)

婚約破棄と国外追放をされた僕、護衛騎士を思い出しました

カシナシ
BL
「お前はなんてことをしてくれたんだ!もう我慢ならない!アリス・シュヴァルツ公爵令息!お前との婚約を破棄する!」 「は……?」 婚約者だった王太子に追い立てられるように捨てられたアリス。 急いで逃げようとした時に現れたのは、逞しい美丈夫だった。 見覚えはないのだが、どこか知っているような気がしてーー。 単品ざまぁは番外編で。 護衛騎士筋肉攻め × 魔道具好き美人受け

【完結】乙女ゲーの悪役モブに転生しました〜処刑は嫌なので真面目に生きてたら何故か公爵令息様に溺愛されてます〜

百日紅
BL
目が覚めたら、そこは乙女ゲームの世界でしたーー。 最後は処刑される運命の悪役モブ“サミール”に転生した主人公。 死亡ルートを回避するため学園の隅で日陰者ライフを送っていたのに、何故か攻略キャラの一人“ギルバート”に好意を寄せられる。 ※毎日18:30投稿予定

僕は人畜無害の男爵子息なので、放っておいてもらっていいですか

カシナシ
BL
 僕はロローツィア・マカロン。日本人である前世の記憶を持っているけれど、全然知らない世界に転生したみたい。だってこのピンク色の髪とか、小柄な体格で、オメガとかいう謎の性別……ということから、多分、主人公ではなさそうだ。  それでも愛する家族のため、『聖者』としてお仕事を、貴族として人脈作りを頑張るんだ。婚約者も仲の良い幼馴染で、……て、君、何してるの……? 女性向けHOTランキング最高位5位、いただきました。たくさんの閲覧、ありがとうございます。 ※総愛され風味(攻めは一人) ※ざまぁ?はぬるめ(当社比) ※ぽわぽわ系受け ※番外編もあります ※オメガバースの設定をお借りしています

政略結婚のはずが恋して拗れて離縁を申し出る話

BL
聞いたことのない侯爵家から釣書が届いた。僕のことを求めてくれるなら政略結婚でもいいかな。そう考えた伯爵家四男のフィリベルトは『お受けします』と父へ答える。 ところがなかなか侯爵閣下とお会いすることができない。婚姻式の準備は着々と進み、数カ月後ようやく対面してみれば金髪碧眼の美丈夫。徐々に二人の距離は近づいて…いたはずなのに。『え、僕ってばやっぱり政略結婚の代用品!?』政略結婚でもいいと思っていたがいつの間にか恋してしまいやっぱり無理だから離縁しよ!とするフィリベルトの話。

アルファな俺が最推しを救う話〜どうして俺が受けなんだ?!〜

車不
BL
5歳の誕生日に階段から落ちて頭を打った主人公は、自身がオメガバースの世界を舞台にしたBLゲームに転生したことに気づく。「よりにもよってレオンハルトに転生なんて…悪役じゃねぇか!!待てよ、もしかしたらゲームで死んだ最推しの異母兄を助けられるかもしれない…」これは第二の性により人々の人生や生活が左右される世界に疑問を持った主人公が、最推しの死を阻止するために奮闘する物語である。

いくら気に入っているとしても、人はモノに恋心を抱かない

もにゃじろう
BL
一度オナホ認定されてしまった俺が、恋人に昇進できる可能性はあるか、その答えはノーだ。

処理中です...