嫌われ者の僕はひっそりと暮らしたい

りまり

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44 兄side12

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 見つかったと手紙をもらい駆け付けるとそこには静かに眠るリリシャの姿があった。

 痛々しく包帯を巻き眠っている。


 本当にただ眠っているだけなのだ。

 なんでこんなことになったんだ?

 あそこは安全だ他はずだ。この子に悪意があれば入れないはずなのに……何でこんなことになってんだよ!!!!

 ここの住人らを始末してやろうか?

 リアムから守るつもりが全然守れてなかったなんて……今はここから移すのは無理だと医者は言っていたではないか、なら俺がここに住んでお世話をしようと提案すれば却下されてしまった。

 やることをやってからだと言われた。

 やること……そうだ今はリアムをどうにかしなければまたリリシャを傷つけられてしまう。

 俺の大切なリリシャを守ると誓ったのに……会えなくて寂しかった。

 リリシャを抱きしめたかった。

 ぬくもりを堪能したかった。

 すべてリアムによって台無しになった。

 やっぱりリアムはいらないだろう?

 殺してもいいよね?

 「ダメに決まっているだろ!!!!」

 「伯父上どうしてです?」

 「気持ちはわかるがもう少し待てだ。
 今の段階ではリアムを処刑すれば優しいリリシャなら、自分のせいで弟が処刑されたなんて聞かされてみろ後を追いかねないだろ。そうではなくぐうの音も出ないほどの証拠を見つけて処刑すれば仕方ないと思ってくれる」

 「そうは言っても……今だにのうのうと生きて生活しているのだと考えれば許せないんだ」

 「わからなくもないがここはこらえろ」

 「わかった。
 その代わりあいつをやるのは俺がやる」

 狂ったとか壊れたとか言われても平気だ。リリシャを失えば本当にあいつを八つ裂きにしている。

 何度だって回復薬で傷を治してからまた同じように傷つけてやる。

 あいつが泣いて辞めてと言っても何度でも同じことをしてやるんだ。

 今から楽しみだ。

 
 
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