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第十一章
471 お詫び申し上げます
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どうやら、神官達から『コウルリーヤ様』や『コウヤの正体』について冒険者達が話しているとルディエに連絡が行き、コウヤが呼ばれた。そして、この場所にやって来たと言うわけだ。
「こ、コウヤ……っ」
「えっと……な? その~……」
「ちょっ、なあっ、何て説明すればいいんだ!?」
冒険者達の動揺が酷かった。そして、クスクスと笑うリクトルスに助けを求める。
「リクト様……どうするんです……?」
ユースールの冒険者達が弱った顔をしているのを見て、ただでさえ注目している他の冒険者達は完全に静まり返ってしまっていた。
それを面白く思いながら、リクトルスはコウヤへ提案する。
「コウヤ君。大丈夫ですよ。ユースールの者たちの態度も変わらなかったんです。知られて困ることはコウヤ君にはありません」
「そう……かな。じゃあ」
コウヤは神気を解放する。すると、それが渦巻き、コウヤを包み込む。服装が変わり、髪色が変わって背が伸びていく。
ふわりと夜の色の髪やローブが風を纏って靡き、腕にある腕輪や耳飾りがシャラシャラと音を立てる。
ゆっくりと開いた瞳はオッドアイ。藍色とコウヤの色であるアメジストのような紫だ。
「「「「「っ……」」」」」
トルヴァランの王都の冒険者達も知らないため、他の冒険者達や、エルフ族、獣人族の者たちと共に動揺する。
「……やっぱ、キレイだ……」
「可愛い系の美人だよな……」
「きっとこうゆう大人になるんだよな……」
コウルリーヤは二十歳頃の青年の姿だ。ユースールの者たちは、感心と、大人になった時のコウヤの面影を探していた。彼らは、コウヤがどんな姿でも、何者でも、コウヤを愛する大人達なのだ。
そんな中、エルフ族達や獣人族の者たちは、何かに突き動かされるように揃って立ち上がり、コウルリーヤの前に集まって来た。
そして、地に膝を突き、深く頭を下げる。
「っ、コウルリーヤ様っ……」
涙声で名を呼ぶ者も多く、そして、全員が頭を下げると、エルフ族の代表として、先ずユキが声をかける。
「エルフ族を代表し、コウルリーヤ様にお詫び申し上げます。我らは、立ち上がることをせず、己が種族の優位性を盾にし、神々の期待を裏切りました。如何様な罰もお受けする覚悟でございます」
「え……」
今度はコウルリーヤの方が動揺する番だった。
これに続いて、獣人族の者が声を上げる。
「獣人族を代表し、これまでの無知と怠慢を心からお詫び申し上げます。我々は、里に閉じこもり、勝手な価値観でもって、外に出ようとする者たちを排除してきました……」
「……」
これは懺悔だろう。だから、コウルリーヤは彼らを見ながら静かに聴くことにした。
「可能性を潰し、日々の不満や世界のあり様の責任を全て人族のせいだと……そう、子ども達にも教えてきました……それがどれほど愚かなことだったか……畏れ多くも、女神に嗜められるまで気付きもせずにっ……」
頭を深く下げる獣人達は、自身の体を小さく震わせていた。
それは、コウルリーヤを畏れているわけではない。彼らは、自分達の不甲斐なさに、指摘されるまで気付かなかったことに、恥ずかしさと悔しさを感じているようだ。それがコウルリーヤには分かった。
これを確認し、エルフ達の背からもその無念を感じると、コウルリーヤは嬉しそうに微笑んだ。
「皆さん、頭を上げてください」
「「「「「っ……」」」」」
そうして、ゆっくり顔を上げた一同は、その優しげな慈愛に満ちた微笑みに、思わず見惚れた。
それは、それらを見ている冒険者達も同じだった。それだけ、コウルリーヤの微笑みは美しかったのだ。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
二日空きます。
よろしくお願いします◎
「こ、コウヤ……っ」
「えっと……な? その~……」
「ちょっ、なあっ、何て説明すればいいんだ!?」
冒険者達の動揺が酷かった。そして、クスクスと笑うリクトルスに助けを求める。
「リクト様……どうするんです……?」
ユースールの冒険者達が弱った顔をしているのを見て、ただでさえ注目している他の冒険者達は完全に静まり返ってしまっていた。
それを面白く思いながら、リクトルスはコウヤへ提案する。
「コウヤ君。大丈夫ですよ。ユースールの者たちの態度も変わらなかったんです。知られて困ることはコウヤ君にはありません」
「そう……かな。じゃあ」
コウヤは神気を解放する。すると、それが渦巻き、コウヤを包み込む。服装が変わり、髪色が変わって背が伸びていく。
ふわりと夜の色の髪やローブが風を纏って靡き、腕にある腕輪や耳飾りがシャラシャラと音を立てる。
ゆっくりと開いた瞳はオッドアイ。藍色とコウヤの色であるアメジストのような紫だ。
「「「「「っ……」」」」」
トルヴァランの王都の冒険者達も知らないため、他の冒険者達や、エルフ族、獣人族の者たちと共に動揺する。
「……やっぱ、キレイだ……」
「可愛い系の美人だよな……」
「きっとこうゆう大人になるんだよな……」
コウルリーヤは二十歳頃の青年の姿だ。ユースールの者たちは、感心と、大人になった時のコウヤの面影を探していた。彼らは、コウヤがどんな姿でも、何者でも、コウヤを愛する大人達なのだ。
そんな中、エルフ族達や獣人族の者たちは、何かに突き動かされるように揃って立ち上がり、コウルリーヤの前に集まって来た。
そして、地に膝を突き、深く頭を下げる。
「っ、コウルリーヤ様っ……」
涙声で名を呼ぶ者も多く、そして、全員が頭を下げると、エルフ族の代表として、先ずユキが声をかける。
「エルフ族を代表し、コウルリーヤ様にお詫び申し上げます。我らは、立ち上がることをせず、己が種族の優位性を盾にし、神々の期待を裏切りました。如何様な罰もお受けする覚悟でございます」
「え……」
今度はコウルリーヤの方が動揺する番だった。
これに続いて、獣人族の者が声を上げる。
「獣人族を代表し、これまでの無知と怠慢を心からお詫び申し上げます。我々は、里に閉じこもり、勝手な価値観でもって、外に出ようとする者たちを排除してきました……」
「……」
これは懺悔だろう。だから、コウルリーヤは彼らを見ながら静かに聴くことにした。
「可能性を潰し、日々の不満や世界のあり様の責任を全て人族のせいだと……そう、子ども達にも教えてきました……それがどれほど愚かなことだったか……畏れ多くも、女神に嗜められるまで気付きもせずにっ……」
頭を深く下げる獣人達は、自身の体を小さく震わせていた。
それは、コウルリーヤを畏れているわけではない。彼らは、自分達の不甲斐なさに、指摘されるまで気付かなかったことに、恥ずかしさと悔しさを感じているようだ。それがコウルリーヤには分かった。
これを確認し、エルフ達の背からもその無念を感じると、コウルリーヤは嬉しそうに微笑んだ。
「皆さん、頭を上げてください」
「「「「「っ……」」」」」
そうして、ゆっくり顔を上げた一同は、その優しげな慈愛に満ちた微笑みに、思わず見惚れた。
それは、それらを見ている冒険者達も同じだった。それだけ、コウルリーヤの微笑みは美しかったのだ。
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