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第十一章
470 神様の乗り物だって
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野営地で待っていた者たちの歓声に、手を振って凱旋してくる冒険者達。
夕陽に照らされながら、やり切った事を喜び、讃え合った。
そして、待ちに待った打ち上げ宴会だ。
空にある映像に、コウヤが映し出される。
『皆さん、お疲れ様でした! 戦ってくださった方々も、後方支援をして下さった方々も、ご協力ありがとうございました!』
「「「「「ありがとうございました!」」」」」
続けて頭を下げたのは、ギルド職員達だ。
『この後、各野営地にてお食事を用意しております。もちろん、お酒もあります。どうぞ、心ゆくまで楽しんでください! 報酬については、明日より各ギルドで受け取りが出来るようになっております。それぞれ、お好きなタイミングでお願いします。今日まで本当に、お疲れ様でした!』
「「「「「お疲れ様でした!!」」」」」
これに、冒険者達は手を上げて応える。
「「「お疲れ~!」」」
「「「お疲れっした~!!」」」
「「「やったったぞぉぉぉ」」」
「「「イエ~イ!!」」」
まだまだ元気のようだ。
そして宴会が始まると、それは自然と親睦会のような雰囲気になった。
誰もが考えるのは、ユースールやトルヴァランの冒険者達に声をかけることだ。
「なあ、今度俺、ユースールに行ってみようと思うんだけど」
「あっ、俺もっ! 俺も行く!」
「どんな所なんだ? なんか、すっげえ画期的な事もやってるっぽいんだけど。強さの秘訣とか知りたい!」
これに答えるのは、トルヴァラン王都を拠点としている冒険者だった。
「先ずはトルヴァランの王都に来てみろよ。そこで慣れてからの方がいいぞ。教会からユースールへの直行便もあるからな」
「直行便? それは、有り難いなあ。けど、教会から馬車が出るなんて、珍しいよな?」
直行便と聞けば、馬車だと思うのは当然だ。
トルヴァランの冒険者が笑って答える。
「あそこまで馬車だと、王都からでも結構かかるぜ? ゆっくり自分の力試しをしながら行くってえなら止めやしねえけど」
「ここに来るのに乗ったんじゃねえの? あの飛行船だよっ」
「えっ、あれ、普通に使えるのか!? だって……っ、あれは神様の乗り物だって……」
今回の討伐に、神が関わっていることは、冒険者達もよく分かっている。
リクトルスとは一緒に戦ってもいたし、エリスリリアから激励も受けていた。そして、先日には、ゼストラークがドワーフ達に囲まれているのも見ていた。
今も、各野営地に飛び回り、それぞれの冒険者達に声をかけてもいる。
最初、各野営地に乗って来た乗り物。マンタやエイは、神が創り出した特別な乗り物なのだと、ほとんどの冒険者達はそう思っていたのだ。
「ちげえよ。コウヤが作ったんだ。今は、ドラム組でも作るって聞いてる」
「え……コウヤって……あの可愛いギルドの子だよな?」
「いや、でもさあ、ワイバーンとかドラゴン倒すのも簡単そうだったし……」
あのワイバーンやドラゴンの多かったフィールドでの討伐の様子も、きちんと放映されていたのだ。コウヤは後方支援のような立ち位置に居たが、冒険者達はさり気なくワイバーンもドラゴンも倒していたのを知っている。
「まあな。俺らも、あの子があんな強いとは知らんかった」
「ギルドじゃ、一番若いのに、権限上っぽいしな~」
「グラマスも頭下げてたぜ?」
「あの子、ユースールのギルド職員だったんだよな?」
「ああ。でさあ……俺聞いたんだけど、あの子が……コウルリーヤ様の生まれ変わりだって」
「「「「「はあ!?」」」」」
聴こえていた周りの冒険者達が、思わず声を上げる。
突然の大声に、冒険者達はどうしたのかと聞こえなかった者たちへと、その話を広げていく。
「そういえば、邪しっ……あ、これダメなんだよな? えっと、コウルリーヤ様だけどさあ、他の神様達が居るんだ。なんで姿を現さないんだろうって思ってたんだよな……」
「神官様から、コウルリーヤ様は生まれ変わって、俺らを見守ってくれているって聞いたけど……まさかな……」
「けど……リクトルス様とも仲良さそうだった。リクト兄って呼んでた気も……」
「まさか……」
そこここで繰り広げられる推測に、事情を知るユースールの冒険者達が噴き出していた。
「ぷっ、くくくっ」
「コウヤのやつ、どうすんだろうなあ」
「アレ、やっぱナイショなのか?」
「いや~……微妙に隠し切れてないしな……」
「普通にゼストパパとか、エリィ姉とか呼ぶもんなあ……」
「大体、あんなパックンみたいなめちゃくちゃな従魔が、その辺にいるわけないし」
「ダンゴさんとか、テンキ教官とかもさあ……アレで隠してるとか、無理だろ」
それに、リクトルスが気付いた。
「なんです? コウヤ君の正体の話ですか?」
「ちょっ、リクト様っ。いいんですか?」
「グラム君は心配性ですねえ。別に隠してる気もないですよ。それに、コウヤ君は何であってもコウヤ君ですしね。そうですよね? コウヤ君」
そうリクトルスが笑う。そして、騒ぎに気付いて近付いてきたコウヤを振り返った。
***********
読んでくださりありがとうございます◎
また一回休ませていただきます。
次回、30日です。
よろしくお願いします!
夕陽に照らされながら、やり切った事を喜び、讃え合った。
そして、待ちに待った打ち上げ宴会だ。
空にある映像に、コウヤが映し出される。
『皆さん、お疲れ様でした! 戦ってくださった方々も、後方支援をして下さった方々も、ご協力ありがとうございました!』
「「「「「ありがとうございました!」」」」」
続けて頭を下げたのは、ギルド職員達だ。
『この後、各野営地にてお食事を用意しております。もちろん、お酒もあります。どうぞ、心ゆくまで楽しんでください! 報酬については、明日より各ギルドで受け取りが出来るようになっております。それぞれ、お好きなタイミングでお願いします。今日まで本当に、お疲れ様でした!』
「「「「「お疲れ様でした!!」」」」」
これに、冒険者達は手を上げて応える。
「「「お疲れ~!」」」
「「「お疲れっした~!!」」」
「「「やったったぞぉぉぉ」」」
「「「イエ~イ!!」」」
まだまだ元気のようだ。
そして宴会が始まると、それは自然と親睦会のような雰囲気になった。
誰もが考えるのは、ユースールやトルヴァランの冒険者達に声をかけることだ。
「なあ、今度俺、ユースールに行ってみようと思うんだけど」
「あっ、俺もっ! 俺も行く!」
「どんな所なんだ? なんか、すっげえ画期的な事もやってるっぽいんだけど。強さの秘訣とか知りたい!」
これに答えるのは、トルヴァラン王都を拠点としている冒険者だった。
「先ずはトルヴァランの王都に来てみろよ。そこで慣れてからの方がいいぞ。教会からユースールへの直行便もあるからな」
「直行便? それは、有り難いなあ。けど、教会から馬車が出るなんて、珍しいよな?」
直行便と聞けば、馬車だと思うのは当然だ。
トルヴァランの冒険者が笑って答える。
「あそこまで馬車だと、王都からでも結構かかるぜ? ゆっくり自分の力試しをしながら行くってえなら止めやしねえけど」
「ここに来るのに乗ったんじゃねえの? あの飛行船だよっ」
「えっ、あれ、普通に使えるのか!? だって……っ、あれは神様の乗り物だって……」
今回の討伐に、神が関わっていることは、冒険者達もよく分かっている。
リクトルスとは一緒に戦ってもいたし、エリスリリアから激励も受けていた。そして、先日には、ゼストラークがドワーフ達に囲まれているのも見ていた。
今も、各野営地に飛び回り、それぞれの冒険者達に声をかけてもいる。
最初、各野営地に乗って来た乗り物。マンタやエイは、神が創り出した特別な乗り物なのだと、ほとんどの冒険者達はそう思っていたのだ。
「ちげえよ。コウヤが作ったんだ。今は、ドラム組でも作るって聞いてる」
「え……コウヤって……あの可愛いギルドの子だよな?」
「いや、でもさあ、ワイバーンとかドラゴン倒すのも簡単そうだったし……」
あのワイバーンやドラゴンの多かったフィールドでの討伐の様子も、きちんと放映されていたのだ。コウヤは後方支援のような立ち位置に居たが、冒険者達はさり気なくワイバーンもドラゴンも倒していたのを知っている。
「まあな。俺らも、あの子があんな強いとは知らんかった」
「ギルドじゃ、一番若いのに、権限上っぽいしな~」
「グラマスも頭下げてたぜ?」
「あの子、ユースールのギルド職員だったんだよな?」
「ああ。でさあ……俺聞いたんだけど、あの子が……コウルリーヤ様の生まれ変わりだって」
「「「「「はあ!?」」」」」
聴こえていた周りの冒険者達が、思わず声を上げる。
突然の大声に、冒険者達はどうしたのかと聞こえなかった者たちへと、その話を広げていく。
「そういえば、邪しっ……あ、これダメなんだよな? えっと、コウルリーヤ様だけどさあ、他の神様達が居るんだ。なんで姿を現さないんだろうって思ってたんだよな……」
「神官様から、コウルリーヤ様は生まれ変わって、俺らを見守ってくれているって聞いたけど……まさかな……」
「けど……リクトルス様とも仲良さそうだった。リクト兄って呼んでた気も……」
「まさか……」
そこここで繰り広げられる推測に、事情を知るユースールの冒険者達が噴き出していた。
「ぷっ、くくくっ」
「コウヤのやつ、どうすんだろうなあ」
「アレ、やっぱナイショなのか?」
「いや~……微妙に隠し切れてないしな……」
「普通にゼストパパとか、エリィ姉とか呼ぶもんなあ……」
「大体、あんなパックンみたいなめちゃくちゃな従魔が、その辺にいるわけないし」
「ダンゴさんとか、テンキ教官とかもさあ……アレで隠してるとか、無理だろ」
それに、リクトルスが気付いた。
「なんです? コウヤ君の正体の話ですか?」
「ちょっ、リクト様っ。いいんですか?」
「グラム君は心配性ですねえ。別に隠してる気もないですよ。それに、コウヤ君は何であってもコウヤ君ですしね。そうですよね? コウヤ君」
そうリクトルスが笑う。そして、騒ぎに気付いて近付いてきたコウヤを振り返った。
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読んでくださりありがとうございます◎
また一回休ませていただきます。
次回、30日です。
よろしくお願いします!
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