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第四章 騎士と薬師の指導編
3巻連動SS ②続
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街灯代わりの淡い石の光が、周りに溢れる頃の商店街。ふとジルファスはこの時間になっても多く並べられている品物を見て気になった。
「……新鮮だ……」
店の中はとても明るく、野菜の鮮度ま良く分かった。この呟きに、店主のおばちゃんが答える。
「ああ。他所から来たのかい? あれだろ? 普通なら、こんな時間にこの量があるなんて、売れ残ったものだって思ったんだろう?」
豪快に笑い飛ばすおばちゃんに、ジルファスは周りを見回してから確認する。
「え、ええ。失礼ですが、閉まっているお店も多いですし……」
「ははっ。うちともう二軒で持ち回りで夕方から開けてるのさ。他の店で売れ残ったものも集めてね。ほら、ギルドの職員とか、兵の子とか冒険者の子らもだけど、この時間からしか買い物出来ないのもいるだろう?」
「あ……」
コウヤを見る。この時間から買い物をと考えたら、ほとんどの店は閉まっているし、品物だってろくなものが残っていない。
王都や他の町ならば、路地裏の露天商さえも、そろそろ店仕舞いだと、売れ残りを見て肩を落としている頃だ。
「今日はまだ屋台部隊が出てるから、そっちで冒険者達は済ませるだろうけどね。あとは、ほら、ああした客も来る」
そこに、近くの家から出てきた女性が駆け込んできた。
「塩、お塩っ。買うの忘れてたぁぁぁ。お義母さんにまた怒られるぅぅぅ」
「ははっ。ほれ、この一瓶でいいね」
「それ! うん! いつものやつ! これでお願いします!」
「はいよ。お釣りだ。間違えて入れ過ぎんじゃないよ?」
「うぅっ……この前やったからなくなったの……っ」
「落ち着いてからやりな」
「はい……」
気を付けなきゃと、呪文のように呟きながら、女性は家に入って行った。それをジルファスは少し気の毒そうに見送った。義理の母親との関係が悪いというのは、ジルファスも他人事ではない。嫌われたら、挽回するのは至難の業だ。
こちらがいくら歩み寄ろうとしてもダメなのだ。
少し落ち込むジルファスの様子を不思議そうに見るコウヤの目には、気付かなかった。
「おやおや。コウヤちゃんに気付きもしないで行ったね。あの子」
「仕方ないですよ。でも、カーナさんは、まだ家事が苦手みたいですね」
「仕事の時との差があり過ぎると言われてるよ。あれで商業ギルドの受付嬢としては上位に入る子だったとはね……知ってても信じられなくなりそうだ。やっぱあの子は、仕事に生きるべきだったんじゃないかね?」
与えられた仕事は完璧にこなせる。だが、家庭的な生活力が足りなかったらしい。料理も掃除もお裁縫も、彼女はやったことがなかったのだ。出来るのは、普段からやっていた洗濯だけだったらしい。
「家庭に入るって、きっぱり仕事を辞めたみたいだけどねえ。若い子は、家事が出来ない子が多いよ。夜、店に来る子達も、たいていパンとか肉とか、焼けば良いものかそのまま食べられるものしか買って行かないからね」
たまに料理をしようと考えている者たちは、店主に料理の仕方を聞いてくるらしい。
「あの子もねえ……多分、花嫁修行とか、練習する時間があれば大丈夫だと思うんだよ。そうすれば、義理の母親との関係も、もっと穏やかになるさね」
このユースールに異動となって一人暮らしする者は多い。それは冒険者ギルド職員だけの話ではないのだ。当然、独り身の冒険者も多い。
ジルファスは、はじめてこの町の問題というのが出てきて、少し驚いた。ユースールに来てから、見るもの全てが新しく、画期的で、何の問題もない素晴らしい町だと思っていたのだから。
辺境だからこその問題かと思ったのだが、本当にそうだろうかと考え直す。王都でも、他の町でもあり得る話だ。
そうしてジルファスが考えている間にも、店主とコウヤの話は進んでいた。
「そうですねえ。あっ、なら今度、レシピと料理の材料をまとめてセット売りとかしてみます? きちんと分量も計ってだと面倒ではありますけど」
「っ、それはいいねえっ。面倒だけどっ。でも、それなら料理も練習しながら出来るようになりそうだよっ。コウヤちゃん! 早速、明日にでも商業ギルドに話を通しておくれっ」
「わかりました」
「……」
今、何が起きたのだろうと、ジルファスは目を丸くする。こうしてユースールは改造されていったのかと、納得できてしまった。
「あ、それで夕飯は何が良かったですか?」
突然話を振られ、ジルファスは目を瞬かせるしかなかった。
結局、肉も食べたいということで、肉野菜炒めとコンソメスープになった。
買った野菜や肉などは、全部パックンが収納している。なので、コウヤとジルファスは、手ぶらでゆったりと夜の町を歩いていた。
そして、コウヤの家の前に辿り着いたのだ。
「……こ、これは……すごいね……あっ、まさか、この門も一人で?」
ジルファスは、コウヤが家を一人で建てたと聞いていたことを思い出して確認した。
「はい。カッコいいでしょう?」
「そうだね。これ……城にあったら……うん……謁見の間の扉にあったらいいな……」
きっと、入る前に少し貴族達へ威圧ができそうだと思った。
「迷宮の門みたいだ」
「でしょう? あれ、カッコいいですよね」
「うん。『玉座の迷宮』は、見事な城と森の湖畔の景色の風景だったね」
「ええ。あそこは精霊達にとっても休憩所でしたから」
「へえ……ん? どうして、そんなこと……ああ、ダンゴくんがいるものね」
そう納得しているうちに、コウヤは門を開けて、ジルファスを招いた。
「さあ、どうぞ」
「お、お邪魔するよ」
少し緊張しながらジルファスはコウヤの家に入った。はじめに感じたのは匂い。
「木の匂いだ……」
「匂いの良い木を使ってますからね。パックン、ダンゴ、中を案内してきて。俺は夕食の用意をするから」
《は~い (๑>◡<๑) 》
《お風呂も入れておくでしゅ》
「お願いね」
パックンとダンゴに連れられて、ジルファスは家を案内される。
「部屋数が意外と多いね……そういえば、ギルドの寮も部屋に入る前に想定したものより、かなり広かった……」
《空間拡張ができてるでしゅ》
《主が教えたんだろうね~》
「コウヤが? そういうこと多いのかい?」
《まあね (*´꒳`*) 》
そんな主自慢をするパックンやダンゴを微笑ましく思っていれば、コウヤがどうしてそんなことを知っているのかとか、不思議に思っていたことも忘れてしまった。
一通り案内を受けてから、キッチンに連れてこられた。そこでは、コウヤが慣れた様子で料理していた。
「あ、手伝うよ」
「もうすぐできますけど、なら、スープの味見お願いします」
「う、うん」
コウヤと一緒にキッチンに立つ。それにジルファスは少し感動していた。
出来上がった料理を並べ、小ぶりな四人がけのテーブルに向かい合って座る。
「っ、ん! 美味しいっ。少しピリっとするっ」
「ふふっ。ツマミも用意してますけど、ワインもどうですか?」
「えっ。これ……良いやつだよ? どうした……っ、あ、迷宮産か」
「はい。一緒にアルコールの入ってないのもあるので、お付き合いできますよ」
「っ……なら、少し……」
こうした付き合いにも慣れてるんだなと思いながらも、息子と一緒に飲めるということに、また新たな感動を覚えた。
そんな良い気分のまま、ジルファスは考えていたお願いをする。
「コウヤ。その危機察知の訓練を、やってくれないか? できたら【極】というのに挑戦したい。スキルが生えるなら、成長も出来るよね」
「え? ええ。そうですね。いいですけど……」
泣くかもしれないけどいいのかと、コウヤは首を傾げる。
「情けない姿を晒すかもしれないが……頼む。もっと……もっと強くなりたいんだ」
ジルファスは、これから背負うものがもっと増えていく。それを自覚し始めたからこその覚悟だった。
「分かりました。明日は、俺も休みですし、一日、迷宮で特訓しましょう!」
「ああ。頼むっ」
一日中、コウヤと一緒に居られる。それがジルファスには何よりも嬉しかった。
それでも実際に体験して、本気で怖かったというのは、コウヤには言わない感想だった。
後にその時のことを思い出し、あの感覚を思い出すだけでスキルが伸びていく気がすると気付く。それが気のせいではないと知るのは、もっと後のことだ。
なにはともあれ、ジルファスは息子との普通の父子の生活(?)もこのユースールで体験でき、心から満足して王都へと帰って行ったのだった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
年内最後の投稿でした!
では、また来年お会いしましょう!
可能ならば次回とし始めに♪
来年もよろしくお願いします!
「……新鮮だ……」
店の中はとても明るく、野菜の鮮度ま良く分かった。この呟きに、店主のおばちゃんが答える。
「ああ。他所から来たのかい? あれだろ? 普通なら、こんな時間にこの量があるなんて、売れ残ったものだって思ったんだろう?」
豪快に笑い飛ばすおばちゃんに、ジルファスは周りを見回してから確認する。
「え、ええ。失礼ですが、閉まっているお店も多いですし……」
「ははっ。うちともう二軒で持ち回りで夕方から開けてるのさ。他の店で売れ残ったものも集めてね。ほら、ギルドの職員とか、兵の子とか冒険者の子らもだけど、この時間からしか買い物出来ないのもいるだろう?」
「あ……」
コウヤを見る。この時間から買い物をと考えたら、ほとんどの店は閉まっているし、品物だってろくなものが残っていない。
王都や他の町ならば、路地裏の露天商さえも、そろそろ店仕舞いだと、売れ残りを見て肩を落としている頃だ。
「今日はまだ屋台部隊が出てるから、そっちで冒険者達は済ませるだろうけどね。あとは、ほら、ああした客も来る」
そこに、近くの家から出てきた女性が駆け込んできた。
「塩、お塩っ。買うの忘れてたぁぁぁ。お義母さんにまた怒られるぅぅぅ」
「ははっ。ほれ、この一瓶でいいね」
「それ! うん! いつものやつ! これでお願いします!」
「はいよ。お釣りだ。間違えて入れ過ぎんじゃないよ?」
「うぅっ……この前やったからなくなったの……っ」
「落ち着いてからやりな」
「はい……」
気を付けなきゃと、呪文のように呟きながら、女性は家に入って行った。それをジルファスは少し気の毒そうに見送った。義理の母親との関係が悪いというのは、ジルファスも他人事ではない。嫌われたら、挽回するのは至難の業だ。
こちらがいくら歩み寄ろうとしてもダメなのだ。
少し落ち込むジルファスの様子を不思議そうに見るコウヤの目には、気付かなかった。
「おやおや。コウヤちゃんに気付きもしないで行ったね。あの子」
「仕方ないですよ。でも、カーナさんは、まだ家事が苦手みたいですね」
「仕事の時との差があり過ぎると言われてるよ。あれで商業ギルドの受付嬢としては上位に入る子だったとはね……知ってても信じられなくなりそうだ。やっぱあの子は、仕事に生きるべきだったんじゃないかね?」
与えられた仕事は完璧にこなせる。だが、家庭的な生活力が足りなかったらしい。料理も掃除もお裁縫も、彼女はやったことがなかったのだ。出来るのは、普段からやっていた洗濯だけだったらしい。
「家庭に入るって、きっぱり仕事を辞めたみたいだけどねえ。若い子は、家事が出来ない子が多いよ。夜、店に来る子達も、たいていパンとか肉とか、焼けば良いものかそのまま食べられるものしか買って行かないからね」
たまに料理をしようと考えている者たちは、店主に料理の仕方を聞いてくるらしい。
「あの子もねえ……多分、花嫁修行とか、練習する時間があれば大丈夫だと思うんだよ。そうすれば、義理の母親との関係も、もっと穏やかになるさね」
このユースールに異動となって一人暮らしする者は多い。それは冒険者ギルド職員だけの話ではないのだ。当然、独り身の冒険者も多い。
ジルファスは、はじめてこの町の問題というのが出てきて、少し驚いた。ユースールに来てから、見るもの全てが新しく、画期的で、何の問題もない素晴らしい町だと思っていたのだから。
辺境だからこその問題かと思ったのだが、本当にそうだろうかと考え直す。王都でも、他の町でもあり得る話だ。
そうしてジルファスが考えている間にも、店主とコウヤの話は進んでいた。
「そうですねえ。あっ、なら今度、レシピと料理の材料をまとめてセット売りとかしてみます? きちんと分量も計ってだと面倒ではありますけど」
「っ、それはいいねえっ。面倒だけどっ。でも、それなら料理も練習しながら出来るようになりそうだよっ。コウヤちゃん! 早速、明日にでも商業ギルドに話を通しておくれっ」
「わかりました」
「……」
今、何が起きたのだろうと、ジルファスは目を丸くする。こうしてユースールは改造されていったのかと、納得できてしまった。
「あ、それで夕飯は何が良かったですか?」
突然話を振られ、ジルファスは目を瞬かせるしかなかった。
結局、肉も食べたいということで、肉野菜炒めとコンソメスープになった。
買った野菜や肉などは、全部パックンが収納している。なので、コウヤとジルファスは、手ぶらでゆったりと夜の町を歩いていた。
そして、コウヤの家の前に辿り着いたのだ。
「……こ、これは……すごいね……あっ、まさか、この門も一人で?」
ジルファスは、コウヤが家を一人で建てたと聞いていたことを思い出して確認した。
「はい。カッコいいでしょう?」
「そうだね。これ……城にあったら……うん……謁見の間の扉にあったらいいな……」
きっと、入る前に少し貴族達へ威圧ができそうだと思った。
「迷宮の門みたいだ」
「でしょう? あれ、カッコいいですよね」
「うん。『玉座の迷宮』は、見事な城と森の湖畔の景色の風景だったね」
「ええ。あそこは精霊達にとっても休憩所でしたから」
「へえ……ん? どうして、そんなこと……ああ、ダンゴくんがいるものね」
そう納得しているうちに、コウヤは門を開けて、ジルファスを招いた。
「さあ、どうぞ」
「お、お邪魔するよ」
少し緊張しながらジルファスはコウヤの家に入った。はじめに感じたのは匂い。
「木の匂いだ……」
「匂いの良い木を使ってますからね。パックン、ダンゴ、中を案内してきて。俺は夕食の用意をするから」
《は~い (๑>◡<๑) 》
《お風呂も入れておくでしゅ》
「お願いね」
パックンとダンゴに連れられて、ジルファスは家を案内される。
「部屋数が意外と多いね……そういえば、ギルドの寮も部屋に入る前に想定したものより、かなり広かった……」
《空間拡張ができてるでしゅ》
《主が教えたんだろうね~》
「コウヤが? そういうこと多いのかい?」
《まあね (*´꒳`*) 》
そんな主自慢をするパックンやダンゴを微笑ましく思っていれば、コウヤがどうしてそんなことを知っているのかとか、不思議に思っていたことも忘れてしまった。
一通り案内を受けてから、キッチンに連れてこられた。そこでは、コウヤが慣れた様子で料理していた。
「あ、手伝うよ」
「もうすぐできますけど、なら、スープの味見お願いします」
「う、うん」
コウヤと一緒にキッチンに立つ。それにジルファスは少し感動していた。
出来上がった料理を並べ、小ぶりな四人がけのテーブルに向かい合って座る。
「っ、ん! 美味しいっ。少しピリっとするっ」
「ふふっ。ツマミも用意してますけど、ワインもどうですか?」
「えっ。これ……良いやつだよ? どうした……っ、あ、迷宮産か」
「はい。一緒にアルコールの入ってないのもあるので、お付き合いできますよ」
「っ……なら、少し……」
こうした付き合いにも慣れてるんだなと思いながらも、息子と一緒に飲めるということに、また新たな感動を覚えた。
そんな良い気分のまま、ジルファスは考えていたお願いをする。
「コウヤ。その危機察知の訓練を、やってくれないか? できたら【極】というのに挑戦したい。スキルが生えるなら、成長も出来るよね」
「え? ええ。そうですね。いいですけど……」
泣くかもしれないけどいいのかと、コウヤは首を傾げる。
「情けない姿を晒すかもしれないが……頼む。もっと……もっと強くなりたいんだ」
ジルファスは、これから背負うものがもっと増えていく。それを自覚し始めたからこその覚悟だった。
「分かりました。明日は、俺も休みですし、一日、迷宮で特訓しましょう!」
「ああ。頼むっ」
一日中、コウヤと一緒に居られる。それがジルファスには何よりも嬉しかった。
それでも実際に体験して、本気で怖かったというのは、コウヤには言わない感想だった。
後にその時のことを思い出し、あの感覚を思い出すだけでスキルが伸びていく気がすると気付く。それが気のせいではないと知るのは、もっと後のことだ。
なにはともあれ、ジルファスは息子との普通の父子の生活(?)もこのユースールで体験でき、心から満足して王都へと帰って行ったのだった。
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