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第七章 ギルドと集団暴走
245 もうそれなってるから
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老人のメニューを見ればすぐに予想が立つ。
「そういえば、そちらの方は今日は何か事件に?」
「あ……」
老人を騎士達が囲んでいるということはここではそういうことだろうと当たりをつけた。だが、事件について聞くのではなく、コウヤは別のことを尋ねる。
「失礼ですが、王都にお住まいで?」
「はい……生まれも育ちも王都です」
「俺はガルタ辺境伯領都ユースールの冒険者ギルドの職員をしています。コウヤです。少し王都のことについてお聞きしたいのですが、いいですか?」
「私に答えられることなら……」
騎士が信頼しているようなので、コウヤへの警戒はないようだ。
「一般的な平民の方のお給金っていかほどでしょうか」
「へ? あ、日雇いで銅貨五枚から十枚です……」
五十円から百円では、本当に食べていく分しかない。拳大の堅いパンがだいたい銅貨二枚程度だ。物価はユースールとそう変わらないならばこれは変わらないだろう。日雇いでも信用の問題はあるだろう。なので、少ないがこれが妥当なのかと納得しかける。
「……はい? あ~、なら、きちんと雇われている方の日給は……」
「私の若い頃は銀貨八枚から金貨一枚でしたが、最近はその半分くらいだと聞いています……」
昔はきちんとした所で月給計算で二十万ちょっと。これなら妥当だ。だが今は、月に十五万もいかないそうだ。因みに、ユースールでは小さな商家でも月二十万ほど。これに能力給が付く。
「……ちょっと予想外過ぎますね……」
「ボクも冒険者としての生活が普通だったから、予想してなかったよ……やっぱりユースールおかしいでしょ……」
タリスまでも王都がではなく、ユースールがおかしいと断定した。
「それだとやっぱり、ここの食事は高いですよね……でも、お若い時は金貨も難しくなかったのですね?」
「あ、はい」
「う~ん……」
コウヤは、この王都で過ごした時のことを思い出す。主に物価だ。
「これ、ちょっとおかしいですよ」
「何が?」
タリスは食事を続けながら気のない感じで応える。
「だって俺、ここの土地買った時、ユースールより少し高い感じでした。まあ、王都にしては安くないかなと思ったんですけど」
「それで?」
これは本当に聞いているだろうかと思いながらもコウヤは続ける。
「屋台部隊への住民達の反応からいっても、普通でした」
「ん? あ~……なるほど。物価はユースールとそれほど変わらないと。給金だけが合ってない?」
屋台はとても好評だった。屋台を開くのに、王都の商業ギルドへ申請に行ったが、その時も他の屋台で出している値段とそれほど差異はなかった。売れ行きから見ても、住民は高いと感じていなかったように思う。
「はい。物価は個人の裁量ではどうにもなりません。これが当たり前になってしまえば、気にしなくなるんです」
「高くても買うしかないならそうするしかないもんねえ」
前世の消費税なんかがそうだ。導入当初や増税がなされた最初の頃は不満タラタラで支払いの時にも、お店の人が悪いわけではないのに、高いと文句を付けたり、やたらムスっとされたりする。
けれど、半年もすれば慣れる。それが当たり前になる。折り合いを付けるしかないのだから仕方がない。
それと同じだ。外から来ても『王都だし』とかで値段については納得してしまう。冒険者なんか特に気にしない。
「ユースールに来た子達とかも、何も言わないよね。ユースールって、最後の砦的なギリギリの人たちが来るのに」
「本当にギリギリの人は、兵の方ですぐ保護するんです。目を見れば分かりますからね。犯罪に走らせる前に諭すのがユースールでは常識です」
やりそうだなと放置するのではなく、きちんと話をしてこれからどうするかを提案する。目を向けられたことで、たいていの人は考え直すのだ。そう、ユースールでは昔から理解していた。
「保護したら、健康状態にもよりますけど、動けそうならすぐに冒険者ギルドで登録してもらって、Z依頼を回してました。一週間もすれば普通に宿にも泊まれます。あっちだと素泊まりで銅貨一枚か二枚ですからね。本当にベッドぐらいしかないですけど」
「王都の素泊まりの宿もベッドしかないよ」
因みに、それさえ無理な状態の間は、ギルドの裏や兵舎の裏に野営地があり、そこにテントなりを貸して過ごしてもらうことになっている。
「そもそも、ユースールまで辿り着けるんで、魔獣の相手とか出来る人が多くて。すぐにGランクに上がってきますからね。そうすれば、一気に銀貨五枚とか一日に稼げるようになります」
「だから戦闘講習もそれで結構な件数があるの?」
「そうですね。何より、ユースールは助け合いの体制が出来てますから、先輩冒険者の方たちが放っておかないんですよ」
「なるほどね~」
「「「……そうゆうこと……」」」
タリスもだが、聞いていた近衛騎士達も納得していた。
「で、ユースールと同じ感覚で値段設定しましたけど、ここでもまだ高いんですよ。ただ……治療費もですけど、これ以上下げると維持費も厳しくなってきますから……そもそも、物価が固定されてるのに給金が低いっていうのがおかしいでしょう?」
「確かにね~。どっかで抜かれてるとか?」
物凄く軽く冗談のように返される。コウヤも同感だ。
「それが一番あり得そうですよね。どうしましょうか……国のことですし、ウチで全部調査するのは良くないですよね。訓練になりますけど」
「……ホントさあ、ここの神官さん達は何になりたいの?」
「頼れる神官です」
「……そうだね~、間違ってないかも~」
「「「……」」」
近衛騎士達は沈黙を貫いた。
そこで、おずおずと手を上げたのが、まさかの第三騎士団の三人。
「あの……こんなことをいうのはなんですけど、もしかしたらお力になれるかと……」
「ん?」
少し気まずそうにしながらも、三人は一度顔を見合わせて頷き合う。
「我々の家はその……クズと言われてもおかしくない貴族家です。なので……そういった裏の事情に手を出している可能性があります」
「……えっと……はい。続けてください」
物凄くコメントし辛いことを言われた気がする。
「一度家を調べてみれば何かわかるかもしれません。伝もありますので、怪しい商家とかも調べられるかと。お金の流れには敏感ですから」
黒寄りのグレーな彼らの家ならば、おかしなお金の流れを調べやすい。グレーな彼らは、同じくグレーな商家とも繋がりを持っている。人選としては悪くなさそうだ。
事情は知らなくても、タリスは何か感じたのだろう。軽い感じで賛成した。
「それ、いいんじゃない? 神官の子達にも何かあった時についてもらえば完璧」
「そうですね……そうしましょうか」
コウヤが目を向ける先に、またも神官が一人。彼は白夜部隊の一人でジェオという。肌が少し黒っぽく、濃い茶色の髪と瞳を持つ。見た目の年齢は二十くらい。愛用の武器は反りのある双剣。第三騎士団の訓練にも付き合った神官の一人だ。見た目に特徴があるので第三騎士団の者たちも覚えているだろう。
「彼らに協力してもらって、調べてもらえますか?」
「お任せください。いい頃合いになりましたら、宿舎の方に参ります」
「は、はい!」
神官が目を向けて、後でと言えば三人は勢いよく立ち上がり敬礼した。しっかり覚えていたらしい。
これを見て、タリスは全て察したようだ。
「なになに? もしかして稽古つけてあげたの? あの子達、ボンボンで甘々だって有名な第三の子達でしょ。よく生きてたねえ。次男以降の甘ちゃんが嫌いなジェオちゃんが手加減できたの?」
去ろうとしていたジェオに、タリスがニヤニヤと笑いながら声をかける。コウヤによって相性の良い武器を選んでもらった白夜部隊の面々は、時にタリスにも訓練に付き合ってもらったりしていた。
このジェオは、特にタリスとの訓練を好む。年齢など関係なく、二人は親友、悪友とでも呼べるほど仲が良かった。
「タリスさん。私も子どもではないつもりですし、感情だけでは動きませんよ? 確かに嫌いですけど。手合わせはしてませんし、何よりコウヤ様の目の届く所では行儀良くしています」
「あ~、ね。ジェオちゃんだけじゃなく、あの部隊の子達って、基本コウヤちゃんの前では大人しいもんね」
「良く見られたいですから」
「そういう正直なとこ良いと思う」
「ん?」
コウヤはジェオへ目を向ける。ジェオはにこりと笑みを見せてから一礼して去って行った。
「ほら、愛想良い」
「ジェオさんはいつも笑ってくれますよ?」
「うん。それ、コウヤちゃんの前だけだよ。ボクらに向ける笑みはねえ、黒いの」
「そうなんですか? でも、黒い笑みとか、ジェオさん似合いそうです。カッコいいですよねっ」
何かを企むボス的な、そんな笑みが似合う大人にも憧れるお年頃だ。
「……コウヤちゃんはどこ目指してるの?」
「頼れるギルド職員ですけど?」
「大丈夫。もうそれなってるから。はい。次の目標言ってみて」
「えっ、俺、まだまだ年数も少ない半人前ですよ?」
「ないから。コウヤちゃんが半人前だったら、他の子達は新人になっちゃうから。コウヤちゃんは超一人前」
「ん~?」
釈然としないと顔をしかめるコウヤに、タリスはため息をつく。
「分かった。コウヤちゃんが外を知らないのはよ~く分かった。だから、ご飯食べたら王都支部に行こう。新人ちゃんも新人ちゃんしか居ないような現状を見せてあげるよ」
「はあ……そんなに王都って人材不足なんですか?」
「そういう意味じゃないんだけど……うん。行ってからのお楽しみ~」
「分かりました」
「「「……」」」
近衛騎士達は、王都の冒険者ギルドとユースールで覗いた冒険者ギルドを思い浮かべて比較してみる。
しばらくして、納得したと頷いていた。
************
読んでくださりありがとうございます◎
三日空きます。
よろしくお願いします◎
「そういえば、そちらの方は今日は何か事件に?」
「あ……」
老人を騎士達が囲んでいるということはここではそういうことだろうと当たりをつけた。だが、事件について聞くのではなく、コウヤは別のことを尋ねる。
「失礼ですが、王都にお住まいで?」
「はい……生まれも育ちも王都です」
「俺はガルタ辺境伯領都ユースールの冒険者ギルドの職員をしています。コウヤです。少し王都のことについてお聞きしたいのですが、いいですか?」
「私に答えられることなら……」
騎士が信頼しているようなので、コウヤへの警戒はないようだ。
「一般的な平民の方のお給金っていかほどでしょうか」
「へ? あ、日雇いで銅貨五枚から十枚です……」
五十円から百円では、本当に食べていく分しかない。拳大の堅いパンがだいたい銅貨二枚程度だ。物価はユースールとそう変わらないならばこれは変わらないだろう。日雇いでも信用の問題はあるだろう。なので、少ないがこれが妥当なのかと納得しかける。
「……はい? あ~、なら、きちんと雇われている方の日給は……」
「私の若い頃は銀貨八枚から金貨一枚でしたが、最近はその半分くらいだと聞いています……」
昔はきちんとした所で月給計算で二十万ちょっと。これなら妥当だ。だが今は、月に十五万もいかないそうだ。因みに、ユースールでは小さな商家でも月二十万ほど。これに能力給が付く。
「……ちょっと予想外過ぎますね……」
「ボクも冒険者としての生活が普通だったから、予想してなかったよ……やっぱりユースールおかしいでしょ……」
タリスまでも王都がではなく、ユースールがおかしいと断定した。
「それだとやっぱり、ここの食事は高いですよね……でも、お若い時は金貨も難しくなかったのですね?」
「あ、はい」
「う~ん……」
コウヤは、この王都で過ごした時のことを思い出す。主に物価だ。
「これ、ちょっとおかしいですよ」
「何が?」
タリスは食事を続けながら気のない感じで応える。
「だって俺、ここの土地買った時、ユースールより少し高い感じでした。まあ、王都にしては安くないかなと思ったんですけど」
「それで?」
これは本当に聞いているだろうかと思いながらもコウヤは続ける。
「屋台部隊への住民達の反応からいっても、普通でした」
「ん? あ~……なるほど。物価はユースールとそれほど変わらないと。給金だけが合ってない?」
屋台はとても好評だった。屋台を開くのに、王都の商業ギルドへ申請に行ったが、その時も他の屋台で出している値段とそれほど差異はなかった。売れ行きから見ても、住民は高いと感じていなかったように思う。
「はい。物価は個人の裁量ではどうにもなりません。これが当たり前になってしまえば、気にしなくなるんです」
「高くても買うしかないならそうするしかないもんねえ」
前世の消費税なんかがそうだ。導入当初や増税がなされた最初の頃は不満タラタラで支払いの時にも、お店の人が悪いわけではないのに、高いと文句を付けたり、やたらムスっとされたりする。
けれど、半年もすれば慣れる。それが当たり前になる。折り合いを付けるしかないのだから仕方がない。
それと同じだ。外から来ても『王都だし』とかで値段については納得してしまう。冒険者なんか特に気にしない。
「ユースールに来た子達とかも、何も言わないよね。ユースールって、最後の砦的なギリギリの人たちが来るのに」
「本当にギリギリの人は、兵の方ですぐ保護するんです。目を見れば分かりますからね。犯罪に走らせる前に諭すのがユースールでは常識です」
やりそうだなと放置するのではなく、きちんと話をしてこれからどうするかを提案する。目を向けられたことで、たいていの人は考え直すのだ。そう、ユースールでは昔から理解していた。
「保護したら、健康状態にもよりますけど、動けそうならすぐに冒険者ギルドで登録してもらって、Z依頼を回してました。一週間もすれば普通に宿にも泊まれます。あっちだと素泊まりで銅貨一枚か二枚ですからね。本当にベッドぐらいしかないですけど」
「王都の素泊まりの宿もベッドしかないよ」
因みに、それさえ無理な状態の間は、ギルドの裏や兵舎の裏に野営地があり、そこにテントなりを貸して過ごしてもらうことになっている。
「そもそも、ユースールまで辿り着けるんで、魔獣の相手とか出来る人が多くて。すぐにGランクに上がってきますからね。そうすれば、一気に銀貨五枚とか一日に稼げるようになります」
「だから戦闘講習もそれで結構な件数があるの?」
「そうですね。何より、ユースールは助け合いの体制が出来てますから、先輩冒険者の方たちが放っておかないんですよ」
「なるほどね~」
「「「……そうゆうこと……」」」
タリスもだが、聞いていた近衛騎士達も納得していた。
「で、ユースールと同じ感覚で値段設定しましたけど、ここでもまだ高いんですよ。ただ……治療費もですけど、これ以上下げると維持費も厳しくなってきますから……そもそも、物価が固定されてるのに給金が低いっていうのがおかしいでしょう?」
「確かにね~。どっかで抜かれてるとか?」
物凄く軽く冗談のように返される。コウヤも同感だ。
「それが一番あり得そうですよね。どうしましょうか……国のことですし、ウチで全部調査するのは良くないですよね。訓練になりますけど」
「……ホントさあ、ここの神官さん達は何になりたいの?」
「頼れる神官です」
「……そうだね~、間違ってないかも~」
「「「……」」」
近衛騎士達は沈黙を貫いた。
そこで、おずおずと手を上げたのが、まさかの第三騎士団の三人。
「あの……こんなことをいうのはなんですけど、もしかしたらお力になれるかと……」
「ん?」
少し気まずそうにしながらも、三人は一度顔を見合わせて頷き合う。
「我々の家はその……クズと言われてもおかしくない貴族家です。なので……そういった裏の事情に手を出している可能性があります」
「……えっと……はい。続けてください」
物凄くコメントし辛いことを言われた気がする。
「一度家を調べてみれば何かわかるかもしれません。伝もありますので、怪しい商家とかも調べられるかと。お金の流れには敏感ですから」
黒寄りのグレーな彼らの家ならば、おかしなお金の流れを調べやすい。グレーな彼らは、同じくグレーな商家とも繋がりを持っている。人選としては悪くなさそうだ。
事情は知らなくても、タリスは何か感じたのだろう。軽い感じで賛成した。
「それ、いいんじゃない? 神官の子達にも何かあった時についてもらえば完璧」
「そうですね……そうしましょうか」
コウヤが目を向ける先に、またも神官が一人。彼は白夜部隊の一人でジェオという。肌が少し黒っぽく、濃い茶色の髪と瞳を持つ。見た目の年齢は二十くらい。愛用の武器は反りのある双剣。第三騎士団の訓練にも付き合った神官の一人だ。見た目に特徴があるので第三騎士団の者たちも覚えているだろう。
「彼らに協力してもらって、調べてもらえますか?」
「お任せください。いい頃合いになりましたら、宿舎の方に参ります」
「は、はい!」
神官が目を向けて、後でと言えば三人は勢いよく立ち上がり敬礼した。しっかり覚えていたらしい。
これを見て、タリスは全て察したようだ。
「なになに? もしかして稽古つけてあげたの? あの子達、ボンボンで甘々だって有名な第三の子達でしょ。よく生きてたねえ。次男以降の甘ちゃんが嫌いなジェオちゃんが手加減できたの?」
去ろうとしていたジェオに、タリスがニヤニヤと笑いながら声をかける。コウヤによって相性の良い武器を選んでもらった白夜部隊の面々は、時にタリスにも訓練に付き合ってもらったりしていた。
このジェオは、特にタリスとの訓練を好む。年齢など関係なく、二人は親友、悪友とでも呼べるほど仲が良かった。
「タリスさん。私も子どもではないつもりですし、感情だけでは動きませんよ? 確かに嫌いですけど。手合わせはしてませんし、何よりコウヤ様の目の届く所では行儀良くしています」
「あ~、ね。ジェオちゃんだけじゃなく、あの部隊の子達って、基本コウヤちゃんの前では大人しいもんね」
「良く見られたいですから」
「そういう正直なとこ良いと思う」
「ん?」
コウヤはジェオへ目を向ける。ジェオはにこりと笑みを見せてから一礼して去って行った。
「ほら、愛想良い」
「ジェオさんはいつも笑ってくれますよ?」
「うん。それ、コウヤちゃんの前だけだよ。ボクらに向ける笑みはねえ、黒いの」
「そうなんですか? でも、黒い笑みとか、ジェオさん似合いそうです。カッコいいですよねっ」
何かを企むボス的な、そんな笑みが似合う大人にも憧れるお年頃だ。
「……コウヤちゃんはどこ目指してるの?」
「頼れるギルド職員ですけど?」
「大丈夫。もうそれなってるから。はい。次の目標言ってみて」
「えっ、俺、まだまだ年数も少ない半人前ですよ?」
「ないから。コウヤちゃんが半人前だったら、他の子達は新人になっちゃうから。コウヤちゃんは超一人前」
「ん~?」
釈然としないと顔をしかめるコウヤに、タリスはため息をつく。
「分かった。コウヤちゃんが外を知らないのはよ~く分かった。だから、ご飯食べたら王都支部に行こう。新人ちゃんも新人ちゃんしか居ないような現状を見せてあげるよ」
「はあ……そんなに王都って人材不足なんですか?」
「そういう意味じゃないんだけど……うん。行ってからのお楽しみ~」
「分かりました」
「「「……」」」
近衛騎士達は、王都の冒険者ギルドとユースールで覗いた冒険者ギルドを思い浮かべて比較してみる。
しばらくして、納得したと頷いていた。
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