27 / 366
第二章 森にて
撮影の時間
しおりを挟む
譲も気づいて潤から指を抜いた。
「あっ、やめないで」
潤は乱れた髪を柔らかい苔の生えた地面にすりつけて喘いでいた。中断された欲望の充足に苦しむ潤は、麻薬を断たれた中毒患者さながらだった。僕は、録画をやめてスマホをそっとポケットにしまった。
「藤木君は、ここに来るつもりなのかな?」
譲が潤に聞いた。
「ここは知らないはず。一度、あっちのマンションまでつけられたことがあったけど」
潤は、地面にうずくまってお尻を突き出したまま言った。
「ということは、藤木君は、あっちのマンションで、あいつにつかまるってわけか」
あいつって誰だろう。
「そんなの、わからないよ」
その時、隣家の庭の灯りがついて、サーチライトのように眩しく僕らの姿を照らし出した。
「撮影の時間だ」
譲が、ビロードのような青苔の生えた地面にうずくまった潤の姿を、潤のスマホで撮った。
「君も、参加しなよ」
譲が言った。
「来て」
潤が僕を呼んだ。僕は潤を助け起こした。撮影ライトのような灯りは、隣家の庭の外灯で、タイマーでつくように設定されているらしかった。全裸の潤と、制服の僕の組み合わせは、さぞかし、はたから見て、妖しかっただろう。同じくらいの背格好の少年二人が、朽ちかけた礼拝堂の裏手で、睦み合っている、あやしい写真を、譲は、飽かずに何枚も撮った。潤は、最初、手を差し伸べても、なかなか立とうとしなかった。中断された欲望に、疼いて、苛立っているようだった。僕は、いっしょになってしゃがんで、頬にキスしながら、潤の髪を慈しむように撫でてやった。そうしていると、ようやく焦燥感が落ち着いてきたのか、表情が和らいできた。
「瑤」
と言って、潤は、甘えてきた。
「キスしてほしいの?」
僕が言うと
「うん」
と言ったので
「じゃあ、立って」
と言って、手を差し伸べて、立ち上がらせた。僕らは、礼拝堂の壁に寄って、キスをし合った。
僕は、裸身の潤をかばうように、肩を抱いた。うつむく潤を、下から覗き込むようにキスした。
「もう、服着ようか?」
潤が、大人しくなったので、疲れたのかな? と思い、僕は言った。
「うん」
潤は、頷いた。潤は、子どものように、素直で、可愛いらしかった。いつもの尖った様子が微塵もなくなっていた。服を着るために、礼拝堂の裏手の林の立木の中に足を踏み入れた。
「潤、裸足で、大丈夫?」
僕は、気づかった。
「うん、ここ慣れているから」
潤は、言った。
「ちょっと、そこでも撮らせてくれる?」
と、譲が言った。
「君たち、とても可愛いよ。綺麗な情景だ」
潤が、微笑んだ。僕は、立木に寄りかかり、裸身の潤を、後ろ向きにしたり、前向きにしたりして、腕をからめた。その都度、潤のさらさらの髪に、すべすべした頬に、僕は唇で触れた。そうする内に、早く、潤の全てをものにしたい、という衝動が、身内に湧いて、抑えることができなくなった。
「潤、好きだよ」
僕は、潤と舌をからめた。
ついこの間まで、軽いキスにも怯えていたというのに。ゾクゾクする陶酔が、身内を駆けめぐった。契約の甘い葡萄酒のように。僕と潤は、永遠に一つなのだと思った。
「潤と、一つになりたい」
前を向かせ、潤の茎に手を触れると、甘い蜜が、僕の指をしとどに濡らした。
「潤、感じているんだ?」
「ん」
潤は、いつでも準備のできている人形のようだった。潤は、大人しく頷いた。
「潤、可愛い」
潤の白い肌が、ヨルガオの花のように闇に浮かび、甘い香りを放ち、誘惑した。潤の肌は、僕のダークグレーの制服に抱かれて、好対照をなした。
「あんなに抱かれたのに、まだ欲しいの?」
僕の腕の中で、潤は、切なそうに、身をよじらせた。
「ん」
僕は、潤の首をひねらせて、唇を重ねた。僕は、潤の茂みをまさぐった。潤は、自分から、脚を開いた。
「いつも、そうなの?」
「ん?」
「誰にでも、そんな風に」
僕は、心がざわざわした。僕だけのものにしたい。僕は、凶暴な気持ちから、蕾のように愛らしい胸の突起を、指先で摘まんだ。痛々しい果実のようなそれを、ひねりつぶすように摘まむと、潤の身体が、ビクンとした。
「んっ、いいっ」
「恥知らず。誰とでも寝るなんて」
僕は、潤を傷つけたくて言った。
「もっと、もっとそうして」
「淫乱、あんな大きいのを咥えてよがって」
「あっ、あっ」
「全裸で、礼拝堂の裏で、男色に耽るなんて、背徳者だな」
「俺は、恥ずかしい人間だから」
「今まで、何人と寝た?」
「わからない」
僕は、潤をいじめたくて、もう一度繰り返した。
「恥知らず」
僕は、ギリギリと潤の乳首をつねり、潤の肩や首を噛んだ。潤は、責めれば責めるほど興奮した。
「瑤、瑤のあそこでいっぱい突いて。俺を、ここで殺していいから」
いたぶられ、責め殺されたいという異常な潤の心理に、僕まで、感染していった。潤の熱くなった胴体を両腕で抱いては、そのまま小鳥のように、絞め殺してしまいたい気がした。愛らしい潤。永遠に僕のものになってほしい。永遠に美しく、このままで。僕は、愛しさに、潤の全てを味わいたくて、手のひらで身体中を撫でさすった。
「潤の淫乱」
僕は、どうにもならない愛しさから、苦しい思いをそう吐き出して、潤の耳を甘噛みした。
「ああっ、俺をなぶって」
僕は、潤の茎をしごいては止めた。潤は、狂ったように乱れていき、
「お願い、いかせて」
と懇願してきた。
「瑤のモノ、お尻に入れて、イきたい」
「みんなに、そう言っているんだろう」
僕は、潤の根元を握って、イかせないようにして、言った。
「みんなの慰みものにされて、嬉しいのか?」
「瑤の言う通りにするから、なんでもするから」
潤が、うわごとのように泣いて、懇願した。涙が先走りの液のように潤の顔を濡らしていた。淫欲で桃色に染まった、目の縁を、僕は、舌先でなぞってやった。潤は、今度は、口の端から唾液を垂らした。僕は、潤の身体の全ての穴、九穴を攻略する勢いで、それを舐めとった。
「あっ、やめないで」
潤は乱れた髪を柔らかい苔の生えた地面にすりつけて喘いでいた。中断された欲望の充足に苦しむ潤は、麻薬を断たれた中毒患者さながらだった。僕は、録画をやめてスマホをそっとポケットにしまった。
「藤木君は、ここに来るつもりなのかな?」
譲が潤に聞いた。
「ここは知らないはず。一度、あっちのマンションまでつけられたことがあったけど」
潤は、地面にうずくまってお尻を突き出したまま言った。
「ということは、藤木君は、あっちのマンションで、あいつにつかまるってわけか」
あいつって誰だろう。
「そんなの、わからないよ」
その時、隣家の庭の灯りがついて、サーチライトのように眩しく僕らの姿を照らし出した。
「撮影の時間だ」
譲が、ビロードのような青苔の生えた地面にうずくまった潤の姿を、潤のスマホで撮った。
「君も、参加しなよ」
譲が言った。
「来て」
潤が僕を呼んだ。僕は潤を助け起こした。撮影ライトのような灯りは、隣家の庭の外灯で、タイマーでつくように設定されているらしかった。全裸の潤と、制服の僕の組み合わせは、さぞかし、はたから見て、妖しかっただろう。同じくらいの背格好の少年二人が、朽ちかけた礼拝堂の裏手で、睦み合っている、あやしい写真を、譲は、飽かずに何枚も撮った。潤は、最初、手を差し伸べても、なかなか立とうとしなかった。中断された欲望に、疼いて、苛立っているようだった。僕は、いっしょになってしゃがんで、頬にキスしながら、潤の髪を慈しむように撫でてやった。そうしていると、ようやく焦燥感が落ち着いてきたのか、表情が和らいできた。
「瑤」
と言って、潤は、甘えてきた。
「キスしてほしいの?」
僕が言うと
「うん」
と言ったので
「じゃあ、立って」
と言って、手を差し伸べて、立ち上がらせた。僕らは、礼拝堂の壁に寄って、キスをし合った。
僕は、裸身の潤をかばうように、肩を抱いた。うつむく潤を、下から覗き込むようにキスした。
「もう、服着ようか?」
潤が、大人しくなったので、疲れたのかな? と思い、僕は言った。
「うん」
潤は、頷いた。潤は、子どものように、素直で、可愛いらしかった。いつもの尖った様子が微塵もなくなっていた。服を着るために、礼拝堂の裏手の林の立木の中に足を踏み入れた。
「潤、裸足で、大丈夫?」
僕は、気づかった。
「うん、ここ慣れているから」
潤は、言った。
「ちょっと、そこでも撮らせてくれる?」
と、譲が言った。
「君たち、とても可愛いよ。綺麗な情景だ」
潤が、微笑んだ。僕は、立木に寄りかかり、裸身の潤を、後ろ向きにしたり、前向きにしたりして、腕をからめた。その都度、潤のさらさらの髪に、すべすべした頬に、僕は唇で触れた。そうする内に、早く、潤の全てをものにしたい、という衝動が、身内に湧いて、抑えることができなくなった。
「潤、好きだよ」
僕は、潤と舌をからめた。
ついこの間まで、軽いキスにも怯えていたというのに。ゾクゾクする陶酔が、身内を駆けめぐった。契約の甘い葡萄酒のように。僕と潤は、永遠に一つなのだと思った。
「潤と、一つになりたい」
前を向かせ、潤の茎に手を触れると、甘い蜜が、僕の指をしとどに濡らした。
「潤、感じているんだ?」
「ん」
潤は、いつでも準備のできている人形のようだった。潤は、大人しく頷いた。
「潤、可愛い」
潤の白い肌が、ヨルガオの花のように闇に浮かび、甘い香りを放ち、誘惑した。潤の肌は、僕のダークグレーの制服に抱かれて、好対照をなした。
「あんなに抱かれたのに、まだ欲しいの?」
僕の腕の中で、潤は、切なそうに、身をよじらせた。
「ん」
僕は、潤の首をひねらせて、唇を重ねた。僕は、潤の茂みをまさぐった。潤は、自分から、脚を開いた。
「いつも、そうなの?」
「ん?」
「誰にでも、そんな風に」
僕は、心がざわざわした。僕だけのものにしたい。僕は、凶暴な気持ちから、蕾のように愛らしい胸の突起を、指先で摘まんだ。痛々しい果実のようなそれを、ひねりつぶすように摘まむと、潤の身体が、ビクンとした。
「んっ、いいっ」
「恥知らず。誰とでも寝るなんて」
僕は、潤を傷つけたくて言った。
「もっと、もっとそうして」
「淫乱、あんな大きいのを咥えてよがって」
「あっ、あっ」
「全裸で、礼拝堂の裏で、男色に耽るなんて、背徳者だな」
「俺は、恥ずかしい人間だから」
「今まで、何人と寝た?」
「わからない」
僕は、潤をいじめたくて、もう一度繰り返した。
「恥知らず」
僕は、ギリギリと潤の乳首をつねり、潤の肩や首を噛んだ。潤は、責めれば責めるほど興奮した。
「瑤、瑤のあそこでいっぱい突いて。俺を、ここで殺していいから」
いたぶられ、責め殺されたいという異常な潤の心理に、僕まで、感染していった。潤の熱くなった胴体を両腕で抱いては、そのまま小鳥のように、絞め殺してしまいたい気がした。愛らしい潤。永遠に僕のものになってほしい。永遠に美しく、このままで。僕は、愛しさに、潤の全てを味わいたくて、手のひらで身体中を撫でさすった。
「潤の淫乱」
僕は、どうにもならない愛しさから、苦しい思いをそう吐き出して、潤の耳を甘噛みした。
「ああっ、俺をなぶって」
僕は、潤の茎をしごいては止めた。潤は、狂ったように乱れていき、
「お願い、いかせて」
と懇願してきた。
「瑤のモノ、お尻に入れて、イきたい」
「みんなに、そう言っているんだろう」
僕は、潤の根元を握って、イかせないようにして、言った。
「みんなの慰みものにされて、嬉しいのか?」
「瑤の言う通りにするから、なんでもするから」
潤が、うわごとのように泣いて、懇願した。涙が先走りの液のように潤の顔を濡らしていた。淫欲で桃色に染まった、目の縁を、僕は、舌先でなぞってやった。潤は、今度は、口の端から唾液を垂らした。僕は、潤の身体の全ての穴、九穴を攻略する勢いで、それを舐めとった。
0
お気に入りに追加
279
あなたにおすすめの小説
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる