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四章
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3DGでは、対戦中のモンスターの攻撃予測がゴーグルに映し出される。それをもとにプレーヤーは攻撃を回避し、人類を凌駕する敵を殲滅してゆくのだが、攻撃予測を完璧にすると誰もダメージを受けなくなりゲームが成り立たなくなってしまう。よって様々な要素を基に、攻撃予測の精度を変える措置を3DGはとった。例えば、「幾度も攻略しているモンスターは極めて高い攻撃予測を得られるが、初見のモンスターに不意打ちされると予測精度は大幅に下がる」のような、理に適う差を設けたのだ。これにより戦術や熟練度の重要性が増し3DGは奥深いスポーツになって行ったのだが、ある日本の若者がそれをぶっ壊すほどの超人的回避能力を全米大会で披露した。攻撃予測ゴーグルを着けていないにもかかわらず、人の知覚力ではあり得ない動きを若者は見せたのである。不正疑惑が当然沸き起こるも、3DG公式AIによってそれは否定されることとなる。理由は、超人的回避能力は殆どのプレーヤーに大なり小なり見られる現象だから、というものだった。
公式AIによると、科学的に説明できない危険予知能力を、殆どの人が先天的に持っているらしい。知覚不可能なはずのモンスターの待ち伏せを、嫌な気配として感じ取る。世界初公開のボスモンスターに効果的な装備を、ゲーム開始前に何気なく選択する。こんなことは極普通の現象で、珍しい事ではまったく無いのだそうだ。つまり、「その若者は危険予知の精度と頻度がずば抜けているだけで不正ではない」と、AIは判断したのである。すると今度は、人とはまこと調子のよいもので、自分にも似た経験があるとの声が轟然と沸き起こった。然るに皆、尋ねた。「あなたのその能力は先天的なものなのか。それとも後天的なものなのか」 若者は答えた。「先天的なものではなく、忍術部で研鑽を重ねているうち、少しずつ身に付いていった能力です」 そう、実はその若者は、忍術のインハイ覇者だったのである。
帰国の一年後、神崎隼人という名の若者は自らの技と経験をもとに新しい忍術、新忍道を創設した。それが、去年の夏の話。それ以降、新忍道は全国的に広まって行き、そして今年の六月一日、ついに我が校にも新忍道サークルが誕生した。その数日前から噂を耳にしていた北斗は新忍道サークルが誕生すると同時にその門を叩き、入会を希望したと言う。前期委員一年代表でもあるため放課後の練習には週二回しか出られないそうだが、その代わり誰よりも早く練習場に現れ朝練に励み、土日の練習は一日も欠かさず参加していると聞く。二階堂もサークル会員なため、二人は僕を土日の練習に誘った。この「お前も練習に来い」こそが、僕が新忍道に関わるようになったきっかけ。僕がこのサークルに参加できるのは、まさしく二人のお蔭なのである。
二人の誘いは、僕にとって渡りに船だった。昴の気配を感じながら休日を過ごすことに、僕は居心地の悪さを感じ始めていたのだ。昴はお昼の二時間休憩を利用し、離れで午睡を取る。それが、僕にはつらかった。面と向かって話している時や、妹や猫達と楽しげに遊んでいる気配を遠くに感じる時などは、昴の存在は僕を幸せにしてくれるのだけど、自室のすぐそばに極めつけの美少女が寝ているという状況は、年頃の僕にはつらかった。会議室で制服越しに抱きしめた、あの肌の柔らかさと清らかさががまざまざと蘇り、僕を追いかけて来るのである。僕は次第に、土日のお昼を外で過ごすことが増えて行った。けどそれが毎回となると、昴に気を遣わせてしまうかもしれない。昴の訓練に、支障をきたしてしまうかもしれない。かといって家にいる訳にもいかないという葛藤に苛まれていた僕にとって、北斗と二階堂の「お前も練習に来い」の一言は、タイムリー以外の何ものでもなかったのだ。僕は二人に連れられ先輩方へ挨拶し、勝手なお願いですが休日のサークル活動に暫く参加させていただけませんかと頼んだ。先輩方は二言三言話し合っただけでそれを承諾し、僕を迎え入れてくれた。感謝の印にせめてもと、僕は脇目も振らず土日の練習に打ち込んだ。北斗と二階堂も、競い合って練習に励んだ。するとそれが触媒となり、新忍道サークルはトップクラスに活動的なサークルとなっていった。その甲斐あって、僕は準会員として夏休みのサークル活動に参加する権利を得ることができた。輝夜さんの登場で神社に居づらい理由が一挙に倍化した僕が、それに驚喜したのは言うまでもない。僕は練習に連日参加し、先輩や友人達と共に汗を流したのだった。
プレハブで新忍道の戦闘服に着替え、ストレッチに参加する。準会員の一年生の僕が最後というのは本来マズイことなのだが、神社の掃除や仕事を終わらせてからだと練習場に着くのは八時半が精一杯ですと説明したら、気にするなと先輩方はこれまた快くそれを許してくれた。別の理由があるとはいえ、なんとも頭を下げるしかない。
入念なストレッチを「各自」で終わらせ、次は簡単な体操を「各自」で始める。なぜ各自を強調したかと言うと、午前九時前の練習が禁止されているからだ。これがさっきちらりと出た「別の理由」で、九時前に許されているのは、各自が自発的に行うストレッチと、同じく自発的に行う簡単な体操と、道具や設備等の準備だけ。この三つも、練習開始三十分前になってようやく認められるにすぎない。つまり八時半前に来たとしても、やることは着替えくらいしか無いのである。しかしそれでも、開始三十分前に着替えを終らせていないことを、僕は負い目としていた。なぜなら研究学校の体育会系部活は原則として、一日三時間しか練習できないからだ。
湖校を初めとする研究学校では夏休み等の長期休暇中、午前九時から正午までか、午後一時から午後四時までの、どちらか一方の一日三時間しか運動できない。もちろんこれは原則で、例外も複数用意されているが、少なくとも現時点の新忍道サークルにその例外が適用されることは無い。よって濃密な三時間を過ごすべく、練習前に雑事を全て終わらせるよう皆さん頑張っているのに、僕だけがそれに参加していないのである。しかも準会員の最下級生とくれば、負い目を感じぬ訳がない。僕は莫大な自制心を費やし、「簡単な準備体操」という規則を守っていた。
体操を経て、機材と用具を設置し終える。さあ次は、イメージトレーニングだ。僕は地面に寝転び、イメトレを開始した。先の三つに入っていないとはいえ、イメトレが禁止されることは流石にない。というか研究学校は、イメトレを大いに推奨していた。イメトレに秀でた生徒はケガが少なく上達も早いという統計結果を掲げて、イメトレの有用性を熱心に呼びかけていたのである。「翔体は心の現れと心得よ」という教えを骨の髄まで染みこませた僕にとって、肉体の限界をまず心において突破するイメトレを、拒む理由はどこにも無い。いやそれどころか、イメトレは巨大な可能性を秘めていると僕は感じていた。意識操作の師匠である桔梗の教えを思い出しながら、新忍道で最高のパフォーマンスを発揮している自分を、脳裏に思い描いてゆく。心の壁の弊害を経験したことも手伝い、壁を突破すべくイメトレに没頭してゆく。その甲斐あって、イメージと現実の境界があいまいになってきた。おお、今日はいつも以上に巧くいきそうだぞ、と喜んだのも束の間、
ピンポンパンポ~~ン♪
「午前九時をお知らせします。今日も、楽しい夏休みをお過ごしください」
教育AIによる全校放送が流れた。サークル長の真田さんが立ち上がり、腹に響く声を放つ。
「さあ、始めよう!」
「「オオッッ!!」」
皆も立ち上がり、真夏の空へ一斉に拳を突き上げたのだった。
公式AIによると、科学的に説明できない危険予知能力を、殆どの人が先天的に持っているらしい。知覚不可能なはずのモンスターの待ち伏せを、嫌な気配として感じ取る。世界初公開のボスモンスターに効果的な装備を、ゲーム開始前に何気なく選択する。こんなことは極普通の現象で、珍しい事ではまったく無いのだそうだ。つまり、「その若者は危険予知の精度と頻度がずば抜けているだけで不正ではない」と、AIは判断したのである。すると今度は、人とはまこと調子のよいもので、自分にも似た経験があるとの声が轟然と沸き起こった。然るに皆、尋ねた。「あなたのその能力は先天的なものなのか。それとも後天的なものなのか」 若者は答えた。「先天的なものではなく、忍術部で研鑽を重ねているうち、少しずつ身に付いていった能力です」 そう、実はその若者は、忍術のインハイ覇者だったのである。
帰国の一年後、神崎隼人という名の若者は自らの技と経験をもとに新しい忍術、新忍道を創設した。それが、去年の夏の話。それ以降、新忍道は全国的に広まって行き、そして今年の六月一日、ついに我が校にも新忍道サークルが誕生した。その数日前から噂を耳にしていた北斗は新忍道サークルが誕生すると同時にその門を叩き、入会を希望したと言う。前期委員一年代表でもあるため放課後の練習には週二回しか出られないそうだが、その代わり誰よりも早く練習場に現れ朝練に励み、土日の練習は一日も欠かさず参加していると聞く。二階堂もサークル会員なため、二人は僕を土日の練習に誘った。この「お前も練習に来い」こそが、僕が新忍道に関わるようになったきっかけ。僕がこのサークルに参加できるのは、まさしく二人のお蔭なのである。
二人の誘いは、僕にとって渡りに船だった。昴の気配を感じながら休日を過ごすことに、僕は居心地の悪さを感じ始めていたのだ。昴はお昼の二時間休憩を利用し、離れで午睡を取る。それが、僕にはつらかった。面と向かって話している時や、妹や猫達と楽しげに遊んでいる気配を遠くに感じる時などは、昴の存在は僕を幸せにしてくれるのだけど、自室のすぐそばに極めつけの美少女が寝ているという状況は、年頃の僕にはつらかった。会議室で制服越しに抱きしめた、あの肌の柔らかさと清らかさががまざまざと蘇り、僕を追いかけて来るのである。僕は次第に、土日のお昼を外で過ごすことが増えて行った。けどそれが毎回となると、昴に気を遣わせてしまうかもしれない。昴の訓練に、支障をきたしてしまうかもしれない。かといって家にいる訳にもいかないという葛藤に苛まれていた僕にとって、北斗と二階堂の「お前も練習に来い」の一言は、タイムリー以外の何ものでもなかったのだ。僕は二人に連れられ先輩方へ挨拶し、勝手なお願いですが休日のサークル活動に暫く参加させていただけませんかと頼んだ。先輩方は二言三言話し合っただけでそれを承諾し、僕を迎え入れてくれた。感謝の印にせめてもと、僕は脇目も振らず土日の練習に打ち込んだ。北斗と二階堂も、競い合って練習に励んだ。するとそれが触媒となり、新忍道サークルはトップクラスに活動的なサークルとなっていった。その甲斐あって、僕は準会員として夏休みのサークル活動に参加する権利を得ることができた。輝夜さんの登場で神社に居づらい理由が一挙に倍化した僕が、それに驚喜したのは言うまでもない。僕は練習に連日参加し、先輩や友人達と共に汗を流したのだった。
プレハブで新忍道の戦闘服に着替え、ストレッチに参加する。準会員の一年生の僕が最後というのは本来マズイことなのだが、神社の掃除や仕事を終わらせてからだと練習場に着くのは八時半が精一杯ですと説明したら、気にするなと先輩方はこれまた快くそれを許してくれた。別の理由があるとはいえ、なんとも頭を下げるしかない。
入念なストレッチを「各自」で終わらせ、次は簡単な体操を「各自」で始める。なぜ各自を強調したかと言うと、午前九時前の練習が禁止されているからだ。これがさっきちらりと出た「別の理由」で、九時前に許されているのは、各自が自発的に行うストレッチと、同じく自発的に行う簡単な体操と、道具や設備等の準備だけ。この三つも、練習開始三十分前になってようやく認められるにすぎない。つまり八時半前に来たとしても、やることは着替えくらいしか無いのである。しかしそれでも、開始三十分前に着替えを終らせていないことを、僕は負い目としていた。なぜなら研究学校の体育会系部活は原則として、一日三時間しか練習できないからだ。
湖校を初めとする研究学校では夏休み等の長期休暇中、午前九時から正午までか、午後一時から午後四時までの、どちらか一方の一日三時間しか運動できない。もちろんこれは原則で、例外も複数用意されているが、少なくとも現時点の新忍道サークルにその例外が適用されることは無い。よって濃密な三時間を過ごすべく、練習前に雑事を全て終わらせるよう皆さん頑張っているのに、僕だけがそれに参加していないのである。しかも準会員の最下級生とくれば、負い目を感じぬ訳がない。僕は莫大な自制心を費やし、「簡単な準備体操」という規則を守っていた。
体操を経て、機材と用具を設置し終える。さあ次は、イメージトレーニングだ。僕は地面に寝転び、イメトレを開始した。先の三つに入っていないとはいえ、イメトレが禁止されることは流石にない。というか研究学校は、イメトレを大いに推奨していた。イメトレに秀でた生徒はケガが少なく上達も早いという統計結果を掲げて、イメトレの有用性を熱心に呼びかけていたのである。「翔体は心の現れと心得よ」という教えを骨の髄まで染みこませた僕にとって、肉体の限界をまず心において突破するイメトレを、拒む理由はどこにも無い。いやそれどころか、イメトレは巨大な可能性を秘めていると僕は感じていた。意識操作の師匠である桔梗の教えを思い出しながら、新忍道で最高のパフォーマンスを発揮している自分を、脳裏に思い描いてゆく。心の壁の弊害を経験したことも手伝い、壁を突破すべくイメトレに没頭してゆく。その甲斐あって、イメージと現実の境界があいまいになってきた。おお、今日はいつも以上に巧くいきそうだぞ、と喜んだのも束の間、
ピンポンパンポ~~ン♪
「午前九時をお知らせします。今日も、楽しい夏休みをお過ごしください」
教育AIによる全校放送が流れた。サークル長の真田さんが立ち上がり、腹に響く声を放つ。
「さあ、始めよう!」
「「オオッッ!!」」
皆も立ち上がり、真夏の空へ一斉に拳を突き上げたのだった。
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