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3話 国王と第三王子
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王国にある国王の部屋。
国王の部屋に、国王と第三王子カールがいた。
「この馬鹿者がぁっ!」
「ど、どうされたのですか父上」
「もう一度言ってみろ、カールよ」
「ですから、役立たずの聖女メアリーを宮廷から追放にしました。あの程度の治療師であれば幾らでも代わりはいます。それに、格安ポーションで代用だって出来ますよ」
「だから馬鹿者だと言っておるのだ」
国王は第三王子カールの話を聞いて、頭を抱えて深くため息をついた。
そのため息の大きさが、国王の失望を物語っている。
「カール、お前は大きな勘違いをしている」
「勘違い、ですか?」
「そうだ。この国にいる聖女たちは、聖国との協定のこともあって、ほとんど賃金は支払われていない。国から出るのは、生活出来るギリギリだろう」
「そ、そんなはずは......」
驚く第三王子のカール。
聖女は聖国との協定によって、派遣されている。
王国が直接雇っているのではなく、支払う賃金も少なくて良いことになっていた。
その代わりとして、王国内での宗教の布教を認めていた。
国王は第三王子のカールにも分かるように、そのことを説明していく。
「でしたら何故僕だけお小遣いはないのですか! 兄上も姉上も貰っているのに! 聖女のせいでお金がないから、僕のお小遣いがないのではないですか」
「それは、お前が馬鹿だからだ」
国王の発言に驚いた様子の第三王子カール。
「本当に必要なものに使うのであれば、いくらでも金はだそう。だがお前にお金を渡せば、ロクなことには使わんだろう」
「そ、そんなことはありません。僕だってお金の使い方くらい知っています」
何かを考えている様子の国王。
諦めたような表情をしながら、はぁ、とため息をついた。
「それならばお前に金を渡す」
「お、おお、こんなに大金を」
「その金を聖女メアリーの賠償金とする。与えたお金をうまく使って聖女を連れ戻して来るのだ」
「分かりました」
第三王子のカールは、初めて王から言い渡された任務に心躍らせながら、頭を下げて部屋を出て行く。
国王は、そんな浮かれた様子の我が子の背中を、心配するような表情をしながら見つめていた。
第三王子カールは、渡された賠償金を早速使って黄金に輝いた馬車を購入した。
「第三王子の僕が直接行くんだ。これくらい立派な馬車は必要になるだろう」
国王から手渡された聖女への賠償金は、既に残り僅かしか残されてはいなかった。
第三王子カールは、聖女メアリーを連れ戻すために王都を離れた——。
国王の部屋に、国王と第三王子カールがいた。
「この馬鹿者がぁっ!」
「ど、どうされたのですか父上」
「もう一度言ってみろ、カールよ」
「ですから、役立たずの聖女メアリーを宮廷から追放にしました。あの程度の治療師であれば幾らでも代わりはいます。それに、格安ポーションで代用だって出来ますよ」
「だから馬鹿者だと言っておるのだ」
国王は第三王子カールの話を聞いて、頭を抱えて深くため息をついた。
そのため息の大きさが、国王の失望を物語っている。
「カール、お前は大きな勘違いをしている」
「勘違い、ですか?」
「そうだ。この国にいる聖女たちは、聖国との協定のこともあって、ほとんど賃金は支払われていない。国から出るのは、生活出来るギリギリだろう」
「そ、そんなはずは......」
驚く第三王子のカール。
聖女は聖国との協定によって、派遣されている。
王国が直接雇っているのではなく、支払う賃金も少なくて良いことになっていた。
その代わりとして、王国内での宗教の布教を認めていた。
国王は第三王子のカールにも分かるように、そのことを説明していく。
「でしたら何故僕だけお小遣いはないのですか! 兄上も姉上も貰っているのに! 聖女のせいでお金がないから、僕のお小遣いがないのではないですか」
「それは、お前が馬鹿だからだ」
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「本当に必要なものに使うのであれば、いくらでも金はだそう。だがお前にお金を渡せば、ロクなことには使わんだろう」
「そ、そんなことはありません。僕だってお金の使い方くらい知っています」
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「お、おお、こんなに大金を」
「その金を聖女メアリーの賠償金とする。与えたお金をうまく使って聖女を連れ戻して来るのだ」
「分かりました」
第三王子のカールは、初めて王から言い渡された任務に心躍らせながら、頭を下げて部屋を出て行く。
国王は、そんな浮かれた様子の我が子の背中を、心配するような表情をしながら見つめていた。
第三王子カールは、渡された賠償金を早速使って黄金に輝いた馬車を購入した。
「第三王子の僕が直接行くんだ。これくらい立派な馬車は必要になるだろう」
国王から手渡された聖女への賠償金は、既に残り僅かしか残されてはいなかった。
第三王子カールは、聖女メアリーを連れ戻すために王都を離れた——。
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