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4章【外交編・サハリ国】
12 セイレーンの正体
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「ふーん、結構色々な武器を積んでたのね」
さすがに武具を載せるにしても全部を自身で確認していなかったので、改めて見直すと結構色々なものを積んだなと思う。
剣に槍に弓に盾に籠手に鎧に……と掘れば掘るほど色々出てきて、自分達は武器商人でもできるのではないかと錯覚するほどだ。
(ちゃっかり混ぜてきてる辺りはしっかりしてるわね)
非常時の戦闘用ももちろんだが、ブライエ国に献上する品もあり、その中にいくつかカジェ国の武器、ウルミやマドゥ、ハラディーなども混ぜているのはさすがとしか言いようがない。
もしブライエの国王が気に入って交易にこぎつければいいなとでも考えているのだろう。確かブライエ国とカジェ国はそこまで親交がなかったはず。
今回も親交のある私が行くからこのように混ぜてきて、できれば私を利用して巧く縁が結べればいいとでも考えているのだろう。
とはいえ、ブライエ国がこの武器を気に入って参考などにするかは甚だ疑問ではあるが。
「うーん。やっぱりここにはいなさそうね」
そう、本来の目的は侵入者の捜索だ。つい興味に惹かれるままに、あれやこれやと覗いて感心してしまったが、目的は武具の確認ではない。
つい脱線グセのある私は夢中になって武具を確認したが、ここにはやはりいないようだ。
確かに、緊急時以外いくら人が来ない部屋だとは言え、こんな武具が多いところは危険で近づきたくないだろう。もし侵入者が想定通り女性であればなおさらである。
一応武具を積んだ積荷の合間や客室のベッドや荷物置きなども確認して、隣の部屋に行こうとしたときだった。
ドスン、ガタガタ、ガターン……!
特に叫び声など聞こえてこなかったが、明らかに異様な音を聞いて、部屋を飛び出す。キョロキョロと周りを見渡せば、先に部屋を出てきていたであろうヒューベルトがこちらに向かって走ってきた。
「あの、今の音……!」
「えぇ、聞きました」
「そういえば、ケリー様は?」
「確か、この上の階をご覧になっているはずです」
「であれば、ケリー様の可能性が高いですね。すぐに向かいましょう!」
慌てて、狭い船内の廊下を駆け出す。さすがに国軍総司令官であるから、不意に誰かに襲われたとしてもきっとどうにかなるかと思うが、それでも心配ではある。
(無事だといいけど……!)
タッタッタッタッ
階段を駆け上がり、恐らく先程の部屋の上部に来るであろう部屋に慌てて飛び込む。
「ケリー様!?大丈夫ですか!!!!?」
そこにいたのは、倒れ込んでいるクエリーシェルと、おろおろしてるいるはずのない人物であった。
「マ、マーラ様……!?」
「クエリーシェル様!お気を確かに……!」
必死にクエリーシェルを揺するマーラ。状況がイマイチ読み込めなくて、背後にいるヒューベルトと思わず見合う。
「え、えーっと、ちょっと、失礼。……意識を失っているだけかと」
一応、念のためにとクエリーシェルに近づいて確認する。特に外傷もなく、心拍も安定しているし、呼吸も落ち着いているしで、何かしらが起こって意識を失っているようだった。
(先程の音は、クエリーシェルが倒れた音だったようね)
安否確認ができたとはいえ、なぜこの状況になったのかは不明である。そもそも、なぜここにいないはずのマーラがいるのか。
兎にも角にもこの状況を説明してもらわねば、ということと、そこで伸びてるクエリーシェルはヒューベルトに任して、まずはマーラを引っ掴んで近くにある椅子に座らせるのだった。
さすがに武具を載せるにしても全部を自身で確認していなかったので、改めて見直すと結構色々なものを積んだなと思う。
剣に槍に弓に盾に籠手に鎧に……と掘れば掘るほど色々出てきて、自分達は武器商人でもできるのではないかと錯覚するほどだ。
(ちゃっかり混ぜてきてる辺りはしっかりしてるわね)
非常時の戦闘用ももちろんだが、ブライエ国に献上する品もあり、その中にいくつかカジェ国の武器、ウルミやマドゥ、ハラディーなども混ぜているのはさすがとしか言いようがない。
もしブライエの国王が気に入って交易にこぎつければいいなとでも考えているのだろう。確かブライエ国とカジェ国はそこまで親交がなかったはず。
今回も親交のある私が行くからこのように混ぜてきて、できれば私を利用して巧く縁が結べればいいとでも考えているのだろう。
とはいえ、ブライエ国がこの武器を気に入って参考などにするかは甚だ疑問ではあるが。
「うーん。やっぱりここにはいなさそうね」
そう、本来の目的は侵入者の捜索だ。つい興味に惹かれるままに、あれやこれやと覗いて感心してしまったが、目的は武具の確認ではない。
つい脱線グセのある私は夢中になって武具を確認したが、ここにはやはりいないようだ。
確かに、緊急時以外いくら人が来ない部屋だとは言え、こんな武具が多いところは危険で近づきたくないだろう。もし侵入者が想定通り女性であればなおさらである。
一応武具を積んだ積荷の合間や客室のベッドや荷物置きなども確認して、隣の部屋に行こうとしたときだった。
ドスン、ガタガタ、ガターン……!
特に叫び声など聞こえてこなかったが、明らかに異様な音を聞いて、部屋を飛び出す。キョロキョロと周りを見渡せば、先に部屋を出てきていたであろうヒューベルトがこちらに向かって走ってきた。
「あの、今の音……!」
「えぇ、聞きました」
「そういえば、ケリー様は?」
「確か、この上の階をご覧になっているはずです」
「であれば、ケリー様の可能性が高いですね。すぐに向かいましょう!」
慌てて、狭い船内の廊下を駆け出す。さすがに国軍総司令官であるから、不意に誰かに襲われたとしてもきっとどうにかなるかと思うが、それでも心配ではある。
(無事だといいけど……!)
タッタッタッタッ
階段を駆け上がり、恐らく先程の部屋の上部に来るであろう部屋に慌てて飛び込む。
「ケリー様!?大丈夫ですか!!!!?」
そこにいたのは、倒れ込んでいるクエリーシェルと、おろおろしてるいるはずのない人物であった。
「マ、マーラ様……!?」
「クエリーシェル様!お気を確かに……!」
必死にクエリーシェルを揺するマーラ。状況がイマイチ読み込めなくて、背後にいるヒューベルトと思わず見合う。
「え、えーっと、ちょっと、失礼。……意識を失っているだけかと」
一応、念のためにとクエリーシェルに近づいて確認する。特に外傷もなく、心拍も安定しているし、呼吸も落ち着いているしで、何かしらが起こって意識を失っているようだった。
(先程の音は、クエリーシェルが倒れた音だったようね)
安否確認ができたとはいえ、なぜこの状況になったのかは不明である。そもそも、なぜここにいないはずのマーラがいるのか。
兎にも角にもこの状況を説明してもらわねば、ということと、そこで伸びてるクエリーシェルはヒューベルトに任して、まずはマーラを引っ掴んで近くにある椅子に座らせるのだった。
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