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73.唐揚げ!!
しおりを挟む和食に欠かせない調味料、それは醤油!!わたしはついに醤油を手に入れた!!
というわけで今夜は、昨日貰ったばかりの醤油で早速料理の最中です。メニューはわたしの大好きな、か、ら、揚、げ!!鳥の唐揚げですよ!!
唐揚げの下味にはお酒が要りますが、実を言うと、ここには日本酒的な米酒と呼ばれるお酒が存在します。わたしはワインが一番好きだけどビールも日本酒も好きです。つまりは酒好きです。では何故今まで米酒は飲まなかったか、それは・・・ズバリ、合う肴が無かったからです!
酒の肴といえば、やはりわたしは和風なものが好きです。それには醤油や味噌が欠かせないけど、ここにはそれが無かったからお酒は今まで断念していました。でも、それも昨日までですよ!米酒解禁バンザイ!!
・・・ちょっとはしゃぎすぎました。すみません。
そんなこんなで鼻歌なぞ歌いながら料理中です。
わたしが大好きなのは正確には竜田揚げ。下味はお酒、醤油、生姜のすりおろし、それにニンニクのすりおろしが我が家の味。下味がついたら片栗粉をまぶして油で揚げます。外はカリッと、中はジューシーに。
「ふふ、ご機嫌ですねぇ。ソニア」
「うん、だって醤油が手に入ったんだよ?絶対無理だと思ってたのに!」
「今回はエドガーに振り回されたな。チビになって迷惑して、ショーユを貰って喜んで。…しかし、あのショーユが美味い料理になるのか?」
「そうですね、しょっぱいショーユがどうなるか…想像出来ません」
「ふふっ、だって醤油はそのまま舐めたりするものじゃ無いもん。何かにかけるにしたって少しだし、あとは味付けに使うの。もう少しで出来るから待ってて」
2人には、昨夜エドガーたちが部屋に戻ってから話した。
醤油は前の世界にあったもので、わたしの住んでいた所では料理に欠かせない調味料だった事。そして、これを一から造った人はおそらくわたしと同じ世界から来たであろう事。だから、もしもの為に嘘をルイさんに言った事。
レドとルーカスは、嘘を言ったと謝りながらも嬉しさを隠せないわたしを優しい表情で見ていた。
「…良い匂いだな」
「ええ…」
「ふっふっふっ、でしょう?」
次々と揚がる唐揚げの食欲をそそる匂いに2人が呟く。わたしは意気揚々とテーブルに料理を並べた。
主食はもちろんご飯、主菜は唐揚げ、副菜はポテトサラダと夏野菜のマリネ、後はスープ。マリネのドレッシングにも醤油入れました。
「口に合わなかったら無理しないで、率直な感想を聞かせてほしいな」
「ああ、分かった」
「はい、そうします」
2人が唐揚げを食べるのを緊張しながら待つ。
「…美味い」
「美味しいです…」
「ホント!?良かった!」
レドとルーカスの言葉に安心してわたしも食べ始める。まずは唐揚げですよ!
・・・・・うん、美味しい!
自画自賛になっちゃうけど、久しぶりの懐かしい味に感激です。
「フフッ、美味そうに食うな」
「唐揚げはわたしの大好物なの。それに久しぶりだし」
「料理名は唐揚げというんですか」
「うん、鳥の唐揚げ。豚なら豚の唐揚げになるかな」
本当は竜田揚げだが混乱しそうなので言わないでおいた。
これは母の得意料理で、わたしも父も大好物だった。小さな頃から母が唐揚げ、と言ってこれを出すのですっかりそうだと思い込み、後々違う事を知って恥ずかしかった記憶がある。
なんにしろ、これが我が家の鳥の唐揚げ。
「ビールのおつまみにも良いよ」
「ああ、合いそうだな」
「ビールが進みそうですね。…レド、これ店のメニューに加えてみようかと思うのですが」
「ああ、良いんじゃないか?」
「ありがとうございます。ソニア、これを調理の担当者に教えてもらえますか?」
「それはもちろん構わないけど…良いの?」
「ええ、これはきっと人気メニューになりますよ。ああ、後このマリネですが…ドレッシングにショーユ入ってますよね?このドレッシングもお願いします」
「う、うん」
ルーカスのテンションが急上昇して若干押され気味になるわたし。それを見て笑うレド。
「今夜はビールにするか」
「良いですね!ビールと唐揚げ、試しましょう!」
そうだ、試すといえば。
「ねえ、メニューにする前に試食会とかはしないの?」
「試食会…ですか?」
「うん、ホールや調理のスタッフ代表者と、マスターとかが集まって食べてみてメニューにするか考えるの」
不思議そうな顔をするルーカスに言ってみる。新メニューなら色んな人の意見を聞いてみたほうが良いと思うんだけど・・・余計なお世話だったかな。
「…ソニアの言う事にも一理あるな」
「そうですね…ええ。皆が知らない料理を出すのですから、そういった機会があった方がスムーズにいくかもしれません」
「よし。ルーカス、頼んだぞ。俺も参加する」
「分かりました」
「さて、風呂に入ってビールだ」
「そうしましょう、楽しみです!さあ、行きますよソニア」
「え、ちょっと待って片付け…」
「後で手伝いますから。ね?」
片付けてしまいたいという願い虚しく、バスルームへ連行されました。
そして、その夜はお風呂あがりのビールの美味しさを再確認しました。もちろん唐揚げも。
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