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お茶会
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午後、久しぶりに私はルーミアの家であるエイワーズ家の屋敷に訪れた。
私が中に入っていくと、すでに三人は集まっているのか、楽しそうな声が聞こえてくる。お茶会の部屋に通されると三人は私の姿を見てほっとしたようだった。
「色々な噂を聞いてたけど良かった、元気そうで」
「うん、殿下に酷い事されたんじゃないかって心配してたの」
「そうですわ、無事な顔が見れて良かったですわ」
「ううん、こちらこそ招いてくれてありがとう」
温かい言葉をかけられただけで目頭が熱くなる。
「とりあえず座って。それで何があったの?」
今回のお茶会に誘ってくれたルーミアが皆を代表して事情を聴いてくれる。
私はテーブルにつくと、婚約破棄にいたるまでのことをかいつまんで話したのだった。
元々カール殿下があまり有能ではないということは周囲にも広まっていたらしく、私が彼のサポートに追われていたという話をすると三人ともうんうんと頷く。
王宮脱走の話にいたっては私たち以外のところでも大きな話題になっていたらしく、私が事実を話すと三人とも驚いていた。
「そうだったのね、一部ではあまりに殿下が不甲斐ないからアシュリーがぶちキレて叩き出したとも言われていたからそうなのかと思っちゃった」
「いや、私がそんなことする訳ないって」
それを聞いてあまりに噂というのは恐ろしいと思うのだった。
そしてついに婚約破棄の時のことを話す。
その時は動揺が大きすぎてあまり細かいことも覚えておらず、説明もちぐはぐになってしまったが、三人とも固唾を飲んで聞いてくれた。
「……という訳だったの」
そして私が話し終えると、三人とも溜め息をついた。
「それはあまりに酷いわ、今まであれだけしてもらったのに、ちょっと気に食わないことがあったからっていきなり婚約破棄だなんて」とルーミア。
「大体婚約破棄なんて簡単に出来るなら私だってしているわ!」
とシルヴィア。噂によると彼女の婚約相手もドラ息子として有名な人物らしい。
「婚約破棄も酷いですが、話を聞く限りそれも他人にそそのかされて、というところが救いがないですわね」
とエイミー。
確かに自分の意志であの婚約破棄を仕組んだのであればまだましだが、ヒューム伯にそそのかされて婚約破棄されたというのであればさらに嫌な気持ちになる。
「そもそも元々殿下には悪い噂がたくさんあったから婚約が決まった時も心配していたの」
「そうですわ、陛下も若いころは凄い国王だったと聞いていますが、殿下のことになると甘やかしてばかりと聞きますし」
「そうそう、私の婚約者も幼いころから甘やかして育てられたらしくて困ってしまいますわ」
「またその話?」
その後はルーミアとエイミーがカールの悪口を言い、それに対してシルヴィアが無理矢理自分の婚約者の悪口に繋げるという雑談が続いた。
私は元々そんなに会話する方ではなかったので、相槌を打ったり、時々数言話したたりするだけだったが、気心の知れた友人ばかりが相手だったのでそれだけでもリラックスすることが出来た。
王宮の皆も私によくしてくれたが、殿下の家臣や大臣や将軍など立場のある人が相手だとどうしても気の利いた会話をしなければならないという気持ちがあり、どうしても完全にリラックスすることが出来なかった。
それが今日は相手が友達ばかりだったので自然体でいることが出来て気持ちが安らぐとともに、久しぶりだなと思ってしまう。
そして雑談に花を咲かせている間にあっという間に日は時間は遅くなっていく。
気が付くと日はかなり傾いてしまっていた。
「あら、もうこんな時間」
「今日はありがとう、私のためにお茶会を開いてくれて」
「ううん、全然。最近全然会えてなかったし色々心配だったから。でも婚約破棄したならしばらくは結構会えるよね」
「そうだね、ありがとう」
「ああ、私も婚約破棄してやろうかしら」
シルヴィアだけは最後まで婚約者の愚痴を引きずっていたが。
というか、私よりもシルヴィアの方が心配なんだけど大丈夫なんだけど。
そんな表情をしていると、
「ああ、シルヴィアのそれはいつものことだから」
ルーミアが冷めた声で言う。確かにシルヴィアは文句こそ色々言っているが、元気ではありそうだ。
「じゃあまたね」
「うん、こちらこそ」
こうして私たちは手を振って別れたのだった。
私が中に入っていくと、すでに三人は集まっているのか、楽しそうな声が聞こえてくる。お茶会の部屋に通されると三人は私の姿を見てほっとしたようだった。
「色々な噂を聞いてたけど良かった、元気そうで」
「うん、殿下に酷い事されたんじゃないかって心配してたの」
「そうですわ、無事な顔が見れて良かったですわ」
「ううん、こちらこそ招いてくれてありがとう」
温かい言葉をかけられただけで目頭が熱くなる。
「とりあえず座って。それで何があったの?」
今回のお茶会に誘ってくれたルーミアが皆を代表して事情を聴いてくれる。
私はテーブルにつくと、婚約破棄にいたるまでのことをかいつまんで話したのだった。
元々カール殿下があまり有能ではないということは周囲にも広まっていたらしく、私が彼のサポートに追われていたという話をすると三人ともうんうんと頷く。
王宮脱走の話にいたっては私たち以外のところでも大きな話題になっていたらしく、私が事実を話すと三人とも驚いていた。
「そうだったのね、一部ではあまりに殿下が不甲斐ないからアシュリーがぶちキレて叩き出したとも言われていたからそうなのかと思っちゃった」
「いや、私がそんなことする訳ないって」
それを聞いてあまりに噂というのは恐ろしいと思うのだった。
そしてついに婚約破棄の時のことを話す。
その時は動揺が大きすぎてあまり細かいことも覚えておらず、説明もちぐはぐになってしまったが、三人とも固唾を飲んで聞いてくれた。
「……という訳だったの」
そして私が話し終えると、三人とも溜め息をついた。
「それはあまりに酷いわ、今まであれだけしてもらったのに、ちょっと気に食わないことがあったからっていきなり婚約破棄だなんて」とルーミア。
「大体婚約破棄なんて簡単に出来るなら私だってしているわ!」
とシルヴィア。噂によると彼女の婚約相手もドラ息子として有名な人物らしい。
「婚約破棄も酷いですが、話を聞く限りそれも他人にそそのかされて、というところが救いがないですわね」
とエイミー。
確かに自分の意志であの婚約破棄を仕組んだのであればまだましだが、ヒューム伯にそそのかされて婚約破棄されたというのであればさらに嫌な気持ちになる。
「そもそも元々殿下には悪い噂がたくさんあったから婚約が決まった時も心配していたの」
「そうですわ、陛下も若いころは凄い国王だったと聞いていますが、殿下のことになると甘やかしてばかりと聞きますし」
「そうそう、私の婚約者も幼いころから甘やかして育てられたらしくて困ってしまいますわ」
「またその話?」
その後はルーミアとエイミーがカールの悪口を言い、それに対してシルヴィアが無理矢理自分の婚約者の悪口に繋げるという雑談が続いた。
私は元々そんなに会話する方ではなかったので、相槌を打ったり、時々数言話したたりするだけだったが、気心の知れた友人ばかりが相手だったのでそれだけでもリラックスすることが出来た。
王宮の皆も私によくしてくれたが、殿下の家臣や大臣や将軍など立場のある人が相手だとどうしても気の利いた会話をしなければならないという気持ちがあり、どうしても完全にリラックスすることが出来なかった。
それが今日は相手が友達ばかりだったので自然体でいることが出来て気持ちが安らぐとともに、久しぶりだなと思ってしまう。
そして雑談に花を咲かせている間にあっという間に日は時間は遅くなっていく。
気が付くと日はかなり傾いてしまっていた。
「あら、もうこんな時間」
「今日はありがとう、私のためにお茶会を開いてくれて」
「ううん、全然。最近全然会えてなかったし色々心配だったから。でも婚約破棄したならしばらくは結構会えるよね」
「そうだね、ありがとう」
「ああ、私も婚約破棄してやろうかしら」
シルヴィアだけは最後まで婚約者の愚痴を引きずっていたが。
というか、私よりもシルヴィアの方が心配なんだけど大丈夫なんだけど。
そんな表情をしていると、
「ああ、シルヴィアのそれはいつものことだから」
ルーミアが冷めた声で言う。確かにシルヴィアは文句こそ色々言っているが、元気ではありそうだ。
「じゃあまたね」
「うん、こちらこそ」
こうして私たちは手を振って別れたのだった。
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