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変わるアイビー2。
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私が起きたことはまだ誰も知らない。
そのことを利用して私は計画を練り始めた。
(前世の記憶を忘れる・・・。そうすれば捕らわれる必要はない。)
長期間寝てたなら記憶を失っても不思議はない。
それに頭もぶつけてる。
(山から落ちたことも忘れたほうがいい・・・。)
色々頭の中で考えながら・・・私は目を閉じていった。
ーーーーー
一方、家に戻ったシャガは服を洗って外に干していた。
干しっぱなしにしていた服を取り込み、それを鞄に詰めていく。
「ずっとアイビーに家事を任せてたから久しぶりだったけど・・・まぁ慣れるもんだな。」
10年近くしてなかった家事も、1カ月もすれば思い出してくるものだ。
飯に片付け、掃除に洗濯・・・
どれもこれもアイビーが率先してしてくれてたから忘れていたものだった。
「さて、そろそろアイビーのとこ戻るか。」
もしかしたらアイビーの目が覚めてるかもしれない。
そんなことを毎日思っていたけど最近はそう思えなくなってきていた。
毎日目が覚めないアイビーを見続けて・・・期待を込めるのが辛くなってきていたのだ。
でも父親である俺が希望を捨てるわけにはいかない。
だから・・期待を込めて言葉にして出す。
「・・・今日は目が覚める。」
そう呟いてから病院に戻った。
ーーーーー
「アイビー。戻ったぞー。」
病室に入ると、アイビーはいつもの通りベッドで眠っていた。
持って来た荷物をがさがさと置き、アイビーの隣に座る。
刺激も大切かと思って小さな手を布団から出させて・・・握って擦っていく。
「・・・手が痩せるって相当だからな?」
骨が浮き出てるような手になってしまってるアイビー。
触ったら痛いのかとも思うけど・・・その痛みで目が覚めるならそれでもいいとさえ思ってしまう。
目線を首元にやると、そこも筋がはっきりと見えてしまっていて・・・痩せていくアイビーが怖くて仕方なかった。
「アイビー・・・俺の耳飾り作るから・・・起きたらそれつけろ。そしたらジニアは手出しできない。」
アイビーが深い眠りについてる間に、俺なりに色々考えていた。
ジニアが嫉妬したのは・・・俺が原因だ。
俺がジニアとアイビーを会わせなければこんなことにはならなかった。
「そもそも学校に行かせようと思ったのが間違いだったのかもな。」
ダリアの死をきっかけに落ち込んだアイビーの遊び相手を探していた。
学校に行かせれば自然と友達も増えるかと思ったけど・・本人に行く気がなかったからジニアを紹介したんだった。
ジニアはこの辺じゃ賢くて有名だったから。
中身が21歳のアイビーを説得させるにはちょうどいいかもしれないと思ったのが始まりだった。
「ジニアはちゃんとお前を学校に行くよう仕向けてくれたけど・・・結婚相手に見てるなんて思いもしなかったよ。」
思いがけない展開だったけど、ジニアは依頼屋の仕事をちゃんとこなしていた。
仕事上では信用には足る人物だった。
だからアイビーの結婚相手としては俺から見たら申し分なかった。
・・『嫉妬心』さえなければの話だが。
「まさかジニアがあんな行動するなんて思いもしなかったし・・・。」
ニゲラが先にアイビーに手を出したことがジニアの嫉妬心に火をつけたようだ。
でも、誰を選ぶかはアイビーに任せないといけない。
それが耳飾りを作る者の決まりごとだ。
「もうジニアには近づくなって言おうか・・・。」
そんなことを考えながらアイビーの小さな手を擦ってると、その手がぴくっと動いた。
恐る恐るアイビーの顔を見ると・・・目がうっすらと開き始めたのが見えた。
アイビーの目が・・・覚める。
「アイビー・・・っ!!」
開いた目は何度かゆっくりと瞬きを繰り返し、じっと真上を見つめてる。
その視界に入るように身体を持っていくと、アイビーの目がゆっくりと俺を見た。
「アイビー、俺がわかるか・・・?」
長い間眠っていたから身体がどうなってるかわらない。
眠りにつく前は目が見えにくく、耳が聞こえてなかった。
その症状が少しでも改善されてることを祈りながら・・・アイビーの返答を待った。
「アイビー・・・?」
アイビーはうっすら口を開け、何か言葉を言いたそうにしてる。
でも上手く出ないのか、口をぱくぱくさせるだけだった。
「声が出ないのか?・・・待ってろ、医者呼んでくるから!」
俺はそのまま病室を飛び出た。
「誰か来てくれ!アイビーの目が覚めた!目が覚めたんだ!!」
そう叫ぶと医者が慌てて駆けつけてくれた。
病室に駆け込み、目を覚ましてるアイビーの状態を確認していく。
「体で痛むところとかない?」
そう医者は聞くけれども声が出せないアイビーは口をぱくぱくとさせた。
その様子を見て医者は言う。
「あぁ、喉を使わなかったから声が出にくいんだね。そのうち出るようになるから。」
その言葉を聞いて俺はほっとした。
「目も見えてるみたいですし・・耳も治ってるみたいです。よかったですね。」
「!!・・・ほんとうか!?」
「えぇ、声は一週間もすれば出るようになると思いますよ。一安心ですね。」
俺は医者の側に駆け寄り、手を取った。
「ありがとう・・!ほんとにありがとう・・!!」
ぶんぶんと手を振りながら医者に礼を言った。
これでもかというくらい言い続けると、アイビーが微かに笑ったのが見えた。
「もう・・大丈夫だな。」
そのことを利用して私は計画を練り始めた。
(前世の記憶を忘れる・・・。そうすれば捕らわれる必要はない。)
長期間寝てたなら記憶を失っても不思議はない。
それに頭もぶつけてる。
(山から落ちたことも忘れたほうがいい・・・。)
色々頭の中で考えながら・・・私は目を閉じていった。
ーーーーー
一方、家に戻ったシャガは服を洗って外に干していた。
干しっぱなしにしていた服を取り込み、それを鞄に詰めていく。
「ずっとアイビーに家事を任せてたから久しぶりだったけど・・・まぁ慣れるもんだな。」
10年近くしてなかった家事も、1カ月もすれば思い出してくるものだ。
飯に片付け、掃除に洗濯・・・
どれもこれもアイビーが率先してしてくれてたから忘れていたものだった。
「さて、そろそろアイビーのとこ戻るか。」
もしかしたらアイビーの目が覚めてるかもしれない。
そんなことを毎日思っていたけど最近はそう思えなくなってきていた。
毎日目が覚めないアイビーを見続けて・・・期待を込めるのが辛くなってきていたのだ。
でも父親である俺が希望を捨てるわけにはいかない。
だから・・期待を込めて言葉にして出す。
「・・・今日は目が覚める。」
そう呟いてから病院に戻った。
ーーーーー
「アイビー。戻ったぞー。」
病室に入ると、アイビーはいつもの通りベッドで眠っていた。
持って来た荷物をがさがさと置き、アイビーの隣に座る。
刺激も大切かと思って小さな手を布団から出させて・・・握って擦っていく。
「・・・手が痩せるって相当だからな?」
骨が浮き出てるような手になってしまってるアイビー。
触ったら痛いのかとも思うけど・・・その痛みで目が覚めるならそれでもいいとさえ思ってしまう。
目線を首元にやると、そこも筋がはっきりと見えてしまっていて・・・痩せていくアイビーが怖くて仕方なかった。
「アイビー・・・俺の耳飾り作るから・・・起きたらそれつけろ。そしたらジニアは手出しできない。」
アイビーが深い眠りについてる間に、俺なりに色々考えていた。
ジニアが嫉妬したのは・・・俺が原因だ。
俺がジニアとアイビーを会わせなければこんなことにはならなかった。
「そもそも学校に行かせようと思ったのが間違いだったのかもな。」
ダリアの死をきっかけに落ち込んだアイビーの遊び相手を探していた。
学校に行かせれば自然と友達も増えるかと思ったけど・・本人に行く気がなかったからジニアを紹介したんだった。
ジニアはこの辺じゃ賢くて有名だったから。
中身が21歳のアイビーを説得させるにはちょうどいいかもしれないと思ったのが始まりだった。
「ジニアはちゃんとお前を学校に行くよう仕向けてくれたけど・・・結婚相手に見てるなんて思いもしなかったよ。」
思いがけない展開だったけど、ジニアは依頼屋の仕事をちゃんとこなしていた。
仕事上では信用には足る人物だった。
だからアイビーの結婚相手としては俺から見たら申し分なかった。
・・『嫉妬心』さえなければの話だが。
「まさかジニアがあんな行動するなんて思いもしなかったし・・・。」
ニゲラが先にアイビーに手を出したことがジニアの嫉妬心に火をつけたようだ。
でも、誰を選ぶかはアイビーに任せないといけない。
それが耳飾りを作る者の決まりごとだ。
「もうジニアには近づくなって言おうか・・・。」
そんなことを考えながらアイビーの小さな手を擦ってると、その手がぴくっと動いた。
恐る恐るアイビーの顔を見ると・・・目がうっすらと開き始めたのが見えた。
アイビーの目が・・・覚める。
「アイビー・・・っ!!」
開いた目は何度かゆっくりと瞬きを繰り返し、じっと真上を見つめてる。
その視界に入るように身体を持っていくと、アイビーの目がゆっくりと俺を見た。
「アイビー、俺がわかるか・・・?」
長い間眠っていたから身体がどうなってるかわらない。
眠りにつく前は目が見えにくく、耳が聞こえてなかった。
その症状が少しでも改善されてることを祈りながら・・・アイビーの返答を待った。
「アイビー・・・?」
アイビーはうっすら口を開け、何か言葉を言いたそうにしてる。
でも上手く出ないのか、口をぱくぱくさせるだけだった。
「声が出ないのか?・・・待ってろ、医者呼んでくるから!」
俺はそのまま病室を飛び出た。
「誰か来てくれ!アイビーの目が覚めた!目が覚めたんだ!!」
そう叫ぶと医者が慌てて駆けつけてくれた。
病室に駆け込み、目を覚ましてるアイビーの状態を確認していく。
「体で痛むところとかない?」
そう医者は聞くけれども声が出せないアイビーは口をぱくぱくとさせた。
その様子を見て医者は言う。
「あぁ、喉を使わなかったから声が出にくいんだね。そのうち出るようになるから。」
その言葉を聞いて俺はほっとした。
「目も見えてるみたいですし・・耳も治ってるみたいです。よかったですね。」
「!!・・・ほんとうか!?」
「えぇ、声は一週間もすれば出るようになると思いますよ。一安心ですね。」
俺は医者の側に駆け寄り、手を取った。
「ありがとう・・!ほんとにありがとう・・!!」
ぶんぶんと手を振りながら医者に礼を言った。
これでもかというくらい言い続けると、アイビーが微かに笑ったのが見えた。
「もう・・大丈夫だな。」
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