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攫われる。
しおりを挟む翌日・・・
慶「かえで、今日から家にいるんだろ?」
朝、仕事に行く準備をしながらかえでに聞いた。
かえで「うん。お昼ご飯をみんなの分作りたいから・・・春斗さんと一緒にお買い物行ってくる。」
慶「えー・・俺も昼に帰ってこようかな・・・。」
かえでのご飯が食べたくて仕事の予定を変えようかとも思う。
かえで「晩御飯は慶さんの好きなのにするよ。何がいい?」
慶「んー・・じゃあビーフシチュー。」
かえで「ふふ。じっくり煮込んで作るね。」
慶「できるだけ早く帰ってくるよ。行ってきます。」
かえで「行ってらっしゃーい。」
かえでに見送られ、俺は仕事に出た。
ーーーーーーーーーーーーーー
かえでside・・・
かえで「さて、買い物に行って、お昼からビーフシチューを煮込めば・・・慶さんが帰ってくる頃にはとろとろになってるかな?」
買うものをメモに書き、私は春斗さんを探しに本宅に向かった。
石畳の道をスキップしながら歩く。
かえで「♪~。」
鼻歌を歌いながら進んでると、春斗さんが私を見つけて呼んでくれた。
春斗「お嬢ー。」
かえで「あ、春斗さんー。買い物行きたいよー。」
買うものを書いたメモ用紙をヒラヒラさせながら春斗さんに言った。
春斗「お、いいぞー。ちょっと待ってろ。車の鍵取ってくるから。」
かえで「門のとこで待ってるー。」
そう言って私は門に向かった。
春斗さんが来るまでの間、門番さんと話をする。
かえで「へぇー・・・慶さんといつも勝負してるんですかー。」
門番「押し入られるとしたらここが最初なんですよ。だから鍛えておかないと。」
かえで「慶さんってやっぱり強いんですか?」
門番「誰も勝てたことが無いですよ(笑)お嬢くらいじゃないですか?若に勝てるの。」
かえで「私も負けますよ(笑)。」
門番「あの人は・・・お嬢が一番大事だからケガはさせませんよ。」
かえで「・・・ふふ。」
慶さんのことを話してると、春斗さんが車の鍵を持って現れた。
春斗「お嬢、車回してくるから待ってな?」
かえで「私も行くよ?」
春斗「そうか?ならほら・・手。」
かえで「はいっ。じゃあ行ってきまーす。」
門番さんに手を振る。
門番「行ってらっしゃい。」
ギギ―っと音を立てて開けられた門。
私は春斗さんと一緒にくぐって、買い物に出かけた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
春斗「これで全部か?」
買い物が全て終わって、春斗さんが荷物を持ってくれていた。
かえで「うん。今日はビーフシチュー食べたいんだってー、慶さん。」
春斗「あぁ、若の好物だな。」
かえで「じっくり煮込んでとろとろの作るから期待してて?」
春斗「俺も楽しみにしてる。」
二人で車に向かいながら歩く。
駐車場は広く、はぐれると迷子になりそうだ。
春斗「お嬢、手。」
春斗さんは荷物を全部片手に持って、私に手を差し出してきた。
かえで「・・・私も持つよ?」
持てないわけじゃない。
持たせてもらえないだけで。
春斗「お嬢に荷物持たせたら俺が若に殺される。ほら。」
かえで「・・・はい。」
素直に私は春斗さんの手を取った。
一緒に歩いて車に向かうけど、なぜか荷物を持ってる春斗さんのほうが私より歩くのが早い。
かえで「ちょっと待ってー・・・。」
春斗「お?早いか?」
かえで「待って待ってっ。」
小走りになるようにして追いついてると、急に私の後ろから手が伸びてきた。
かえで「!?」
その手はハンカチのようなものを持っていて・・・私の口を塞いだ。
かえで(なにこれ・・・甘い・・匂い・・?)
匂いを嗅いだ私は瞼が重くなって・・そのまま意識を手放した。
ーーーーーーーーーーーーーー
春斗side・・・
お嬢の手を引いて歩いてると、急に手が引っ張られた。
春斗「?」
立ち止まってるのかと思って振り返ると、昨日のやつがお嬢の口に布をあてていた。
春斗「!?・・何してんだてめぇは!」
持っていた荷物を放り出し、お嬢を取り戻そうと手を伸ばした。
その瞬間、腹を蹴られ俺は地面に転んだ。
春斗「ぐっ・・・!」
翔太「・・・失せろ。」
転がった身体をすぐに起こして戦闘態勢を整える。
でも・・・
お嬢の周りにわらわらと仲間が集まってきて・・・あっという間に10人ほどに囲まれてしまった。
春斗「・・・くそっ!」
翔太「・・・殺せ。」
春斗「!?」
俺は一斉に飛び掛かられ・・・成すすべもない。
春斗「うぐっ・・・!お嬢・・っ!」
10人がかりで殴られ・・蹴られ・・・
骨が折れる音も何回か聞こえた。
春斗「お嬢っ・・!お嬢!」
かえで「・・・zzz。」
春斗「眠らされたのか!?」
俺が助けなきゃいけない。
今、若はいない。
お嬢を守れるのは俺だけだ。
春斗「くそっ・・・!!」
抵抗するも両手足を押さえつけられ、俺は頭を鈍器で殴られた。
春斗「あ・・・・・」
霞んでいく視界。
どんどん暗くなっていって・・・俺は意識を失った。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
慶side・・・
慶「・・・ったく、またあの隣町の社長から連絡がきた。」
電話で呼び出され、また会うことになった。
どうせ娘を薦めてくるに違いない。
慶「どうしたら諦めるんだ?」
待ち合わせをしてる場所に向かいながらリョウに聞く。
リョウ「それは・・・わかりません。」
慶「はぁ・・・。」
ため息をつきながら着いてしまった待ち合わせ場所。
営業用の笑顔を作って中に入る。
ガチャ・・・
慶「お待たせして申し訳ありません。」
中に入ると、ぶくぶくと横幅のある社長と・・・例の娘が椅子に座っていた。
社長「いやいや神楽さん!最近どうですかな!?」
慶「・・・お陰様で。」
社長「そうですか!」
椅子に座り、今日の目的を聞き出す。
慶「で、今日はどうかされました?」
そう聞くと社長はおかしな言葉を放った。
社長「いえね・・・この前言ってた『かえで』さん・・・。あの方とは?」
慶「?・・・暖かくなるころに挙式を予定しておりますが・・。」
社長「そうですか。無事に挙げれるといいですねぇ。」
慶「!?・・・それはどういう意味でしょうか。」
なにか企んでそうな社長の物言い。
気になった俺は聞き返した。
社長「まぁ、もし破談にでもなったらうちの娘と・・・お願いしたいですなぁ。」
慶(・・・破談!?破談って言ったのか!?)
そんなことはあり得ない。
でもニヤつく社長がどうもひっかかる。
慶「・・・お話は以上でしょうか。」
社長「えぇ、次は神楽さんのほうから連絡あるのを待ってますよ。」
そう言って退席した社長親子。
何か企んでそうなことは確かだったけど、何を企んでるのかまではわからなかった。
慶「・・・一体何を考えてる?」
そう思ったとき、リョウのケータイが鳴った。
ピピピッ・・・ピピピッ・・・
リョウ「失礼します。」
慶「あぁ。」
電話に出たリョウ。
仕事絡みの連絡だろうと思って見ていると、リョウが俺を見た。
慶「?」
じーっと俺の顔を見ながらリョウの顔が青ざめていく。
リョウ「・・・春斗が大ケガしたと連絡が・・」
慶「・・・は!?」
リョウ「かえでさんの姿もないって・・・」
慶「!?」
俺はリョウからケータイを奪い取った。
慶「おい、どういうことだ!?」
ケータイの向こうにいたのは部下だった。
かなり慌てながら早口に言う。
部下「春斗が緊急用の電話ならしてきて見に行ったら大ケガしてたんです!!今、病院で手術してて・・・助かるかどうかはわからないって!!」
慶「なにがあった!?」
部下「お嬢が攫われました!!春斗が最後にそう言って・・意識飛ばしました!!」
慶「!!・・・すぐそっちに行く!本宅に残ってるやつら呼んでかえでを探せ!!」
部下「はいっ!!」
電話を切ってケータイをリョウに返した。
慶「病院に向かってくれ。」
リョウ「はい!」
俺たちはすぐに車に乗り込んだ。
リョウが運転する後ろで俺は自分のケータイを触る。
リョウ「攫われたんじゃ連絡つかないんじゃないですか?」
気になったらしくてリョウが聞いてきた。
慶「ネックレスに仕掛けてあるGPSで位置を調べる。」
かえでに贈った真珠のネックレスはGPSが埋め込んである。
超小型だから正確な位置まではわからないけど・・・だいたいの場所くらいならわかるハズだ。
ピーッ・・ピーッ・・・ピーッ・・・・・
慶「・・・エラーだ。」
リョウ「探せないってことですか?」
慶「何度やっても出ない。攫われたとみて間違いないな。くそっ・・!」
問題は誰に・・どこに攫われたか。
慶「誰に・・・は、すぐにわかるな。あいつだ。でも・・・すぐに見つけ出す。」
今の世の中、一般人が殺されることはまぁ無い。
命はあると思いながらも・・・俺の怒りは増す一方だ。
慶「・・・沈める。」
リョウ「・・・。」
病院に行くまでの間、俺は怒りに身を任せないように、必死に気持ちを落ち着かせた。
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