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それから、
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それから、何度か兄と友人の…秋良さんと遊んだりして、時々2人で出かけたりして。
…僕は、秋良さんが好きになっていた。
だけど僕のこの気持ちはきっと受け入れられない。だから、僕は友達の弟として、この場所に居座っている。
…言ってしまえば、もう、あのあたたかい手で撫でてくれることはないだろうから。
それでも僕のこの気持ちはなくならなくて、持て余していた。
そして、僕が秋良さんを避けはじめて半年が経とうとした時。
兄が、亡くなった。
不慮の事故、だった。
夏だしBBQでもしに川に行くべーと行って、仲のいい友達数人と川に行って、足を滑らせて…そのまま。
その数人の友達の中には、秋良さんもいて、秋良さんは俺が止めてれば…と何度も謝っていた。
両親は仕方ないのよ、事故だったんだもの。と言って宥めていたけど、秋良さんは何を言っても自分のせいだと責めていた。
兄が運ばれた病院に行った時、僕は何度も兄さんの名前を呼んで、目を覚ましてほしいと何度も願って涙でぐしゃぐしゃの顔で兄さんの手を握っていた。
だけどその手は僕の手を握り返すことはなかったし、温もりが戻ることもなかった。
…僕は、自分の中に穴が空いてしまったんじゃないかと思ってしまうぐらい、何をするにも億劫で虚しい日々を送っていた。
兄さん。呼んでも返事はもう二度と、返ってこない。
そんな事があってから、秋良さんと連絡をとることもなくなって、もしとっていたとしても秋良さんは僕を見るたびに兄さんの事を思い出してしまうのかなと考えてしまう。
ねぇ、兄さん。
しょうがねぇなーって言って、僕を抱きしめてほしいよ。
まーた泣いてんのか!俺が一緒に寝てやるよって、笑ってほしいよ。
たくさん、たくさん、一緒にやりたい事があったんだよ。
どうしてもっと、ありがとうって伝えなかったんだろう。
考えても、考えても、兄さんの声はやっぱり聞こえなくて。
そのまま、眠りについた。
…僕は、秋良さんが好きになっていた。
だけど僕のこの気持ちはきっと受け入れられない。だから、僕は友達の弟として、この場所に居座っている。
…言ってしまえば、もう、あのあたたかい手で撫でてくれることはないだろうから。
それでも僕のこの気持ちはなくならなくて、持て余していた。
そして、僕が秋良さんを避けはじめて半年が経とうとした時。
兄が、亡くなった。
不慮の事故、だった。
夏だしBBQでもしに川に行くべーと行って、仲のいい友達数人と川に行って、足を滑らせて…そのまま。
その数人の友達の中には、秋良さんもいて、秋良さんは俺が止めてれば…と何度も謝っていた。
両親は仕方ないのよ、事故だったんだもの。と言って宥めていたけど、秋良さんは何を言っても自分のせいだと責めていた。
兄が運ばれた病院に行った時、僕は何度も兄さんの名前を呼んで、目を覚ましてほしいと何度も願って涙でぐしゃぐしゃの顔で兄さんの手を握っていた。
だけどその手は僕の手を握り返すことはなかったし、温もりが戻ることもなかった。
…僕は、自分の中に穴が空いてしまったんじゃないかと思ってしまうぐらい、何をするにも億劫で虚しい日々を送っていた。
兄さん。呼んでも返事はもう二度と、返ってこない。
そんな事があってから、秋良さんと連絡をとることもなくなって、もしとっていたとしても秋良さんは僕を見るたびに兄さんの事を思い出してしまうのかなと考えてしまう。
ねぇ、兄さん。
しょうがねぇなーって言って、僕を抱きしめてほしいよ。
まーた泣いてんのか!俺が一緒に寝てやるよって、笑ってほしいよ。
たくさん、たくさん、一緒にやりたい事があったんだよ。
どうしてもっと、ありがとうって伝えなかったんだろう。
考えても、考えても、兄さんの声はやっぱり聞こえなくて。
そのまま、眠りについた。
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