さよならの合図は、

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出会いは、兄の友達として

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「こいつ、俺の弟。人見知りだけど、すっげーかわいいんだよね」

お兄ちゃんにぎゅーっと抱きしめられながら見知らぬ男の人に紹介される僕。
逃げたいけどお兄ちゃんのせいで逃げられない!
ジタバタともがくけど元気だなーなんて呑気な声が頭上から聞こえて、離されないんだ…と絶望した。

「おいおい。お前嫌われてんじゃねーの?逃げようとしてるじゃん」

「ばっ!ちげーし!お前がいるからだわ!…え、違うよな?」

取り敢えず離して、お兄ちゃん。
こくこくと小さく頷いてぎゅうっとお兄ちゃんの腕を握れば「痛くないぞー」なんて笑いながら言われて、やっと解放してくれた。
はぁ…疲れた。よし、解放されたし、逃げよう。
そう思って背中を向けて走りだそうとしたらガシッと腕を掴まれて前に進めなくなった。
も、もー!!もういいでしょう!!

「まぁ、待て待て。今日は外に遊びに行くから、しゅうもこい」

「ぇ…や、やだ…」

「えーなんでだよー!兄ちゃん嫌いか?」

「え!?き、嫌いじゃないけど…」

「よし!じゃあ、行くぞー!」

腕を掴まれたまま外に連れ出されてえ?え?と目を白黒させて、一緒にいた友人?に助けを求めてみたけど無言で首を振られた。がーん。
がっくりとうなだれていたらポスンと頭に何かが乗ったような気がして、手を頭に当ててみれば友人の手が乗っていた。

「…ぁ、の…?」

「あはは、かわいーな」

無邪気な笑顔を浮かべて頭を撫でられ、恥ずかしくて顔を赤くしながら俯いてしまった。
か、かわいいなんて僕、男なのに…。
なんだか胸がざわついて落ち着かなくて、顔を見ることはできなかったけど、その手のあたたかさは今でも覚えている。



それが、貴方と初めて出会った、幼い頃。
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