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1章 第六天魔王、異世界に降り立つ
18話 合流
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サブローが出陣したと聞いたローとヤスとタンダザークは、すぐさま兵を集めて、サブローを追う少し前。
【ロー・レイヴァンドの邸宅】
ローが慌てた様子で、入ってくるのを見たレイヴァンド家に仕える従士が何事かあったと察し、尋ねる。
「レイヴァンド様、そんなに急いでどうされたのですか?」
「若がナバル郡とタルカ郡の侵攻を食い止めるため出陣したそうだ。若は、オダ郡にとって欠かせぬ御方だ。皆、苦労をかけるが付いてきてくれるか?」
「若様が出陣!?ナバル郡とタルカ郡が攻めてきた!?色々と言いたいことがありますが若様の身を守らなければなりません!勿論、我々でよければ」
「お前たちの忠節に感謝する。武器は槍と弓を持つのだ」
「はっ!」
支度を終えたロー・レイヴァンドに仕える百人の兵士と共にヤスとタンダザークと決めた集合場所へと向かう。ローの顔は、サブローを絶対に守るという決意に満ち溢れていた。
【ヤスの住む貧民街】
ヤスは、先の戦いで戦った自分を除く49人を探し、声をかけ集めた。
「ヤス、どうしたんだよ?サブロー様にロルフの事、報告しに行ってたんじゃなかったか?」
「サブロー様がナバル郡とタルカ郡の侵攻を食い止めるため1人で出陣した。俺は俺はあの御方を死なせることなどできない。俺たち奴隷に節度を持ち、我々の夢を叶えてくれると言った。頼む。何を言わずに俺に力を貸してくれ!」
ナバル郡とタルカ郡が攻めてきたことに戸惑うことなく集まった奴隷兵の誰からともなく声が上がる。
「水臭いこと言ってんじゃねぇぞ!」
「そうだそうだ」
「サブロー様を死なせたくねぇのは、お前だけじゃねえぞ!」
「おい。剣を持て、弓もいるな。最悪サブロー様が襲われてる可能性もあるだろ。遠距離から助けてやらねぇとな」
「サブロー様は俺たちの希望だ!盾になっても助けるぞ!」
「皆、すまない。死地に赴かせてしまうなど隊長に任命されたのに失格だな」
「そんなことねぇだろ!」
「ヤス、カッコつけんなよ。奴隷は駒なんて言われてた俺たちが自ら盾になりたいなんて思うのは、サブロー様ぐらいだ。いや、そう言えば昔、爺様から聞いたな。先先代のラルフ様は、奴隷に礼節を持つ人だったと」
「なら、サブロー様は覚醒遺伝なのかもしれないな。だが死んだとは言えロルフ様のことを呼び捨てにしてはならない」
「相変わらず。硬いねぇ」
近接用に剣を持ち、背中に弓を背負って、身を守る防具を持たない奴隷たちがヤスと共にロー・レイヴァンドとタンダザークの待つ集合場所へと向かうのだった。ヤスの顔は、サブローの矛となり目の前の敵を葬る覚悟に満ち溢れていた。
【訓練場】
タンダザークは、訓練場に来ていた。
「やはりここであったか」
そこで訓練していたのは、タンダザークと共に模擬戦の時、サブローと戦った面々である。
「タンダザーク殿?血相を変えてどうされた?」
「坊ちゃんが1人で出陣したらしい」
タンダザークの言葉足らずな言葉に困惑する面々。
「サブロー様が出陣?」
「何処に?」
「まさか、仇を取るためにマジカル王国に?」
タンダザークは、その言葉で己が相当に焦っていたことを知り、説明する。
「どうやらロルフ様が死んで、弱ってるオダ郡をナバル郡とタルカ郡が狙ってるらしい」
「成程、それでサブロー様が迎撃に向かわれたと?」
「無謀にも程がありましょう!」
「いやいや、俺に詰め寄られてもよ」
「全く、報告は俺に任せとけなどと言っておきながら。全く、タンダザーク殿は、はぁ。馬に乗るぞ」
「死ぬかも知れねぇぜ?良いのかよ?」
「サブロー様の戦術眼の前に散々に打ち負かされたのは誰であったか?」
「その話は、面目ねぇ。俺がヤスを侮ったばかりに」
「何を謝っている?タンダザーク殿のせいだけにするつもりなどない。我らも皆等しく負けたのだからな。そんなサブロー様がだ。勝算のない戦いに1人で出陣するわけなかろう。これは、我らを試しているのやもしれん」
思案している1人の兵の言葉を聞きタンダザークが何かに思い至る。
「そうか!迎撃を選んだってことは、ハザマオカか!ナバル郡とタルカ郡の国境で、という事は、武器は弓だな!成程、確かにあの丘なら登ってくる敵に対して弓を射かければ、痛手を与えられるか!」
「そうと決まれば、すぐに向かうとしよう。タンダザーク殿」
「あぁ、俺についてきてくれ!」
タンダザークたちは馬に乗り、近接用に剣を投擲用にナイフを矢筒にたくさんの矢を入れて、馬の背に付けている道具入れに4つの矢筒をさし、ローとヤスの待つ合流地点へと向かう。タンダザークの顔は、サブローへの信頼に満ちていた。
【ハザマオカ】
ローとヤスとタンダザークが率いる兵がサブローと合流する。
「来たか。ロー爺にヤスにタンザクよ。遅い到着だな」
「全く、若。肝を冷やさないでいただきたいですな。ん?隣にいる金髪の女性は?マリーに似ている気がするが」
「坊ちゃん、無事で何よりだぜ。それにしてもやっぱりハザマオカだったか。いやいや、なんだよこれ?どうなってんだ?」
「サブロー様、御無事でしたか。ナバル郡とタルカ郡は?」
「そう一気に話すでない。ロー爺よ。此奴はマリーよ。タンダザークが驚くのも無理はなかろう。何もない丘にこのような建造物が立っているのだからな。それにしてもハザマオカじゃと!?フハハハハ。全く愉快な名じゃ。ヤスよ。安心せい。ナバル郡とタルカ郡はまだ来ておらん。それより、ゆっくりと話をしようぞ。策もあるのだ」
サブローの無事を確認したローとヤスとタンダザークは、安堵し、姿が違うマリーのことや策について聞くのである。
【ロー・レイヴァンドの邸宅】
ローが慌てた様子で、入ってくるのを見たレイヴァンド家に仕える従士が何事かあったと察し、尋ねる。
「レイヴァンド様、そんなに急いでどうされたのですか?」
「若がナバル郡とタルカ郡の侵攻を食い止めるため出陣したそうだ。若は、オダ郡にとって欠かせぬ御方だ。皆、苦労をかけるが付いてきてくれるか?」
「若様が出陣!?ナバル郡とタルカ郡が攻めてきた!?色々と言いたいことがありますが若様の身を守らなければなりません!勿論、我々でよければ」
「お前たちの忠節に感謝する。武器は槍と弓を持つのだ」
「はっ!」
支度を終えたロー・レイヴァンドに仕える百人の兵士と共にヤスとタンダザークと決めた集合場所へと向かう。ローの顔は、サブローを絶対に守るという決意に満ち溢れていた。
【ヤスの住む貧民街】
ヤスは、先の戦いで戦った自分を除く49人を探し、声をかけ集めた。
「ヤス、どうしたんだよ?サブロー様にロルフの事、報告しに行ってたんじゃなかったか?」
「サブロー様がナバル郡とタルカ郡の侵攻を食い止めるため1人で出陣した。俺は俺はあの御方を死なせることなどできない。俺たち奴隷に節度を持ち、我々の夢を叶えてくれると言った。頼む。何を言わずに俺に力を貸してくれ!」
ナバル郡とタルカ郡が攻めてきたことに戸惑うことなく集まった奴隷兵の誰からともなく声が上がる。
「水臭いこと言ってんじゃねぇぞ!」
「そうだそうだ」
「サブロー様を死なせたくねぇのは、お前だけじゃねえぞ!」
「おい。剣を持て、弓もいるな。最悪サブロー様が襲われてる可能性もあるだろ。遠距離から助けてやらねぇとな」
「サブロー様は俺たちの希望だ!盾になっても助けるぞ!」
「皆、すまない。死地に赴かせてしまうなど隊長に任命されたのに失格だな」
「そんなことねぇだろ!」
「ヤス、カッコつけんなよ。奴隷は駒なんて言われてた俺たちが自ら盾になりたいなんて思うのは、サブロー様ぐらいだ。いや、そう言えば昔、爺様から聞いたな。先先代のラルフ様は、奴隷に礼節を持つ人だったと」
「なら、サブロー様は覚醒遺伝なのかもしれないな。だが死んだとは言えロルフ様のことを呼び捨てにしてはならない」
「相変わらず。硬いねぇ」
近接用に剣を持ち、背中に弓を背負って、身を守る防具を持たない奴隷たちがヤスと共にロー・レイヴァンドとタンダザークの待つ集合場所へと向かうのだった。ヤスの顔は、サブローの矛となり目の前の敵を葬る覚悟に満ち溢れていた。
【訓練場】
タンダザークは、訓練場に来ていた。
「やはりここであったか」
そこで訓練していたのは、タンダザークと共に模擬戦の時、サブローと戦った面々である。
「タンダザーク殿?血相を変えてどうされた?」
「坊ちゃんが1人で出陣したらしい」
タンダザークの言葉足らずな言葉に困惑する面々。
「サブロー様が出陣?」
「何処に?」
「まさか、仇を取るためにマジカル王国に?」
タンダザークは、その言葉で己が相当に焦っていたことを知り、説明する。
「どうやらロルフ様が死んで、弱ってるオダ郡をナバル郡とタルカ郡が狙ってるらしい」
「成程、それでサブロー様が迎撃に向かわれたと?」
「無謀にも程がありましょう!」
「いやいや、俺に詰め寄られてもよ」
「全く、報告は俺に任せとけなどと言っておきながら。全く、タンダザーク殿は、はぁ。馬に乗るぞ」
「死ぬかも知れねぇぜ?良いのかよ?」
「サブロー様の戦術眼の前に散々に打ち負かされたのは誰であったか?」
「その話は、面目ねぇ。俺がヤスを侮ったばかりに」
「何を謝っている?タンダザーク殿のせいだけにするつもりなどない。我らも皆等しく負けたのだからな。そんなサブロー様がだ。勝算のない戦いに1人で出陣するわけなかろう。これは、我らを試しているのやもしれん」
思案している1人の兵の言葉を聞きタンダザークが何かに思い至る。
「そうか!迎撃を選んだってことは、ハザマオカか!ナバル郡とタルカ郡の国境で、という事は、武器は弓だな!成程、確かにあの丘なら登ってくる敵に対して弓を射かければ、痛手を与えられるか!」
「そうと決まれば、すぐに向かうとしよう。タンダザーク殿」
「あぁ、俺についてきてくれ!」
タンダザークたちは馬に乗り、近接用に剣を投擲用にナイフを矢筒にたくさんの矢を入れて、馬の背に付けている道具入れに4つの矢筒をさし、ローとヤスの待つ合流地点へと向かう。タンダザークの顔は、サブローへの信頼に満ちていた。
【ハザマオカ】
ローとヤスとタンダザークが率いる兵がサブローと合流する。
「来たか。ロー爺にヤスにタンザクよ。遅い到着だな」
「全く、若。肝を冷やさないでいただきたいですな。ん?隣にいる金髪の女性は?マリーに似ている気がするが」
「坊ちゃん、無事で何よりだぜ。それにしてもやっぱりハザマオカだったか。いやいや、なんだよこれ?どうなってんだ?」
「サブロー様、御無事でしたか。ナバル郡とタルカ郡は?」
「そう一気に話すでない。ロー爺よ。此奴はマリーよ。タンダザークが驚くのも無理はなかろう。何もない丘にこのような建造物が立っているのだからな。それにしてもハザマオカじゃと!?フハハハハ。全く愉快な名じゃ。ヤスよ。安心せい。ナバル郡とタルカ郡はまだ来ておらん。それより、ゆっくりと話をしようぞ。策もあるのだ」
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